も論功は難しい | 0.0のブログ

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一歩間違えるとな」
「そうでなくとも論功は難しいものですな」
 丹羽がここでこう述べた。
「贔屓と思われることもありますし」
「うむ、人には嫉妬がある」
 柴田も言う。
「それがかなり厄介じゃ」
「権六殿にも嫉妬はありますか」
「わしにもか」
「はい、それはあるでしょうか」
 丹羽はふとだ。合法磊落な柴田にもそうした感情はあるのかと思った。そのうえでの問いだった。
「それがしが見たところどうも」
「ないというのじゃな」
「そうではないのですか」
「やはりわしにもあるぞ」
 柴田は真面目な顔で丹羽に返した。
「そうした心はな」http://www.wdjsm.com
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「あるのですか」
「うむ、これで結構他の者を妬む」 
 己のことを反省しながらの言葉だった。
「それはのう」
「左様ですか」
「例えば御主じゃ」
 柴田は丹羽にだ。そのまま言葉を返してみせた。
「五郎左、御主を妬むこともあるぞ」
「いえ、それがしは権六殿程強くはありませぬが」
「違う。御主は何でもできるではないか」
「それでなのですか」
「わしはどうも政が苦手じゃ」
 自分では苦笑いをしてこう言うがそれでもだ。実は柴田はそうした政もできる方である。そうしたことも決して不得手ではなくそつなくこなせる。
 だが丹羽と比べるとどうかというのだ。
「御主は政もできるではないか」
「そう思われますか」
「わしよりはずっとな。わしはどうもな」
「政はですか」
「戦は自信があるがじゃ」
 それでもだ。政に対する自信はだというのだ。
「駄目じゃな」
「左様ですか」
「だから御主なり新五郎殿なりを妬むぞ」
 柴田は微笑んで丹羽に話した。
「わしとて妬みはあるのじゃ」
「左様ですか」
「そうじゃ。そういうことじゃ」
「ううむ、意外ですな」
 柴田のそうした言葉を聞いてだ。丹羽はというと。
 今一つぴんとこないといった顔でだ。首を捻りこう言ったのだった。
「それはまた」
「そう思うか」
「はい、どうも」
「しかしわしも他の者を妬むぞ。妬みは誰にでもある」
「いや、どうも慶次はないぞ」
 森はふとだ。その慶次を見て二人に言った。見れば彼は実に明るく笑いながら馬上にいた。第九十二話 凱旋の後その三

 そしてその見事な馬の鞍からだ。都の民達に手を振って言うのだった。
「はっはっは、このだいふへんものも帰ったぞ」
「何と、大武辺者とな」
「また大きく出たのう」
「何ということを言うのじゃ」
 そのだいふへんものを武辺と思いだ。都の民達はまずは驚いた。
 しかし慶次はその彼等に笑ったままこう返した。
「いやいや、わしは武辺ではないぞ」
「では何じゃ?」
「何というのじゃ?」
「大不便者じゃ」
 それだというのだ。
「戦場以外では何の役にも立たぬ。まさに大不便者じゃ」
「おお、それを自分から言うか」
「またこれは面白い」
「傾くか」
「左様、算盤も使わぬぞ」
 算盤を学びだしている叔父のことも言うのであった。
「いやいや、こんな不便者はおらんぞ」
「御主はそもそも政とかを学ばんだけじゃ」
 その慶次にだ。金森が顰めさせた顔で言った。
「全く。槍と風流だけか興味があるのは」
「どうも好きなこと意外はできませぬ」
「だからだというのか」
「そうです。それがしは不便者でございます」
「政も学べば出来るぞ」
「しかし学ぶ気がそもそもありませぬ」
「それでか。今もか」
「はい、不便者を貫きまする」
 その大きな口を開いて笑いながらだ。慶次は金森にも話す。
 そしてそのうえでだ。こんなことも言うのだった。
「では。岐阜に帰ればその時は」
「平手殿に悪戯をするか」
「平手殿の小言も聞かぬと寂しいものですな」
「おられたらおられたでまた厳しい