拡大図↑(クリックでさらに拡大)
参考資料 平安京地図
(クリック拡大) 造酒司位置は内裏西側にある。
■地球の歩き方 京都特派員ブログ すべてはここから始まった?
内裏のどこに『造酒司』を置くかは 良い水が出る井戸の位置によって決まったらしい。
ウチの暮らす神戸市の東灘区は「灘の生一本」で知られる『灘五郷』のひとつです。
五郷のうち・御影あたりの『中郷』、魚崎あたりの『東郷』 この二つが東灘区。
灘区付近の『西郷』。兵庫区・中央区付近の『下灘郷』
これに神戸市の東側にある西宮~今津にある『西宮郷』(古くは今津郷)
これが『灘五郷』です。
西宮は『宮水(みやみず)』というお酒造りに適した水が出る事で有名ですが、
神戸も世界中から神戸港に寄港した船が美味しい神戸の水を積んで出航して行きました。
『KOBE WATER』という名で知られています。
美味しいうえに赤道を超えても腐らない上質の水です。
『御影』の地名は
神功皇后がお化粧するときにそのお顔の影を水鏡に映したから
その『澤乃井』のある付近を『御影(みかげ)』と名付けた。
という説もあるくらいですし。(阪神御影駅北側にその井戸が残っているそうです)
■石屋川 御影に湧く湧き水 沢の井
おいしい水の他に,神戸・西宮では 原料の米や製品の酒の運搬の利便性が 酒造りの場所に深く関わっていたようで、西宮も魚崎もお酒の船での出荷に便利な海際に造り酒屋が集まっています。
京都の伏見も酒どころとして有名ですが、ここも「伏見七つ井
」という名水が湧いたという事の外に
水路が発達した場所でした。
平城宮跡の造酒司は租庸調の集積地にあり、消費は内裏内が主なので
運搬出荷運搬の利便性はあまり関係ないようです。
平安京の造酒司もまたしかり。
造酒司の井戸
造酒司遺跡付近で見つかった木簡の中には「酒米」と書かれたものもあったとか。また酒の種類として「清酒(きよき)」 「白酒(しろき)」 「難酒(かたさけ)」 「櫟(いちい)」 「古滓(ふるかす)」
既にお酒を作るのに適したお米が栽培されていたのでしょうか?
←白米・酒米・赤米
酒造司で見つかった木簡には「酒米」「赤米」「赤舂米」の三種類があったそうで、味が違うお酒を造り分けていたのかもしれませんね。
等が木簡に書かれていたそうです。(白黒写真 日本の美術 平城宮跡より)
清酒(きよき)・・・透き通ったお酒の造り方はだいぶ後に発見されてるはずなので、天平時代の清酒ってどんなお酒だったんだろう。神田で作った特別なお米で醸した 清浄なお酒 神聖なお酒って意味かなぁ。
■Wikipedia 日本酒の歴史
でも藤井寺付近から送られた事が木簡からわかってるらしいし・・・
■藤井寺市HP>歴史遺産>コラム古代からのメッセージ>古代史の謎>
難酒も出てきてますね↑ お酒を絞る前の状態の酒粕+酒が渾然一体となってるものかな?
古滓(ふるかす)・・・奈良漬用の 酒粕だったりしてw それとも造酒司ではお酢も作ってたから、お酒が古くなって出来たお酢のことかな・・・ なんだろうね。
櫟(いちい)はクリスマスツリーみたいに緑の尖った葉のさきっちょに、丁度今頃赤い実をつける木だそうです。 「いちい」っていう名前は象牙の笏の代わりにこの木で笏を作ったので、仁徳天皇がこの名前を付けたとか。ほんとかなあ?古い名前は「あららぎ」北海道では「オンコ」と呼ばれているとか。野蒜もアララギと呼ばれるが、それはまた別の物らしい。ややこしいww
■Wikipedia イチイ
より画像拝借
赤い甘い実を焼酎に浸して今でも果実酒が作られているとか。
ただし中の黒い種子と葉にはタキシンという毒があるのでうっかりかじると大変な事になるそうです。赤い実の部分は甘くて美味しいので食べたら 種は噛まずに必ず吐き出しましょう。
海外ドラマの『BONES(ボーンズ)』第二シーズン第17話「神の庭の犯罪者」で、その毒が使われていました。
葉っぱが糖尿病の薬に効くという説もありますが、昔ならともかく、今は危険を冒してまで飲みたくはないですよねw
種をとって実だけで作った果実酒は甘くて、赤くて美味しい女の人向けのお酒だったのかな?
『櫟』という字でもう一種類別の木を表します。ドングリのなる木も「櫟」という字を使うそうで、奈良公園に多いのは「イチイガシ 」。この木のドングリはあく抜き無しで食べられる珍しい種類だそうですが、はたしてお酒ができたのかしらん。
あるw
洋酒にどんぐり酒があったw日本にもマテバシイというドングリをつかった焼酎があるw
昔はドングリのどぶろくもあったとか。
うーむ!
天平の造酒司で「櫟」から作られたお酒ははたして果実酒なのか どんぐり酒なのか!?
気になる~~~~。
そして展示品の排水木樋と復元された庭園の話につづく。