エスカルゴとカタツムリは要するに同じものを指しているんだけど、エスカルゴを食べるというと、きれいな皿にちょこんと乗ってるやつを、うやうやしく食べるイメージで、ゲテモノを食べているという意識を遠ざけてくれますね。
だけど「カタツムリ」を食べるというと、ちょっと想像しただけで、ウエッという感じになるのだから、言葉っていうのは不思議で、面白いものです。
ちなみに僕は、サイゼリアで出てくるエスカルゴが結構好きです。あれ、あまり覚えてないけど、にんにくとオリーブオイルとかで味付けしてあったっけ?酒のつまみとして大変よろしい。
それにフランス料理の仰々しい「エスカルゴ」も、何度か食べたことがあるので、「カタツムリ」ではなく、「エスカルゴ」食については、ある程度の理解はあるつもりだ。
しかし、ここモロッコで出てくるやつは、「エスカルゴ」なんて乙なものではなく、まさにカタツムリであった。
すなわちウエッ!なやつである。
今日はそんな「エスカルゴ」ならぬ「カタツムリ」体験記。
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昼間のフナ広場。
マラケシュまで来ると、日差しがかなり強く感じる。
2月でもかなり暖かく、寒暖差が激しいから朝晩は冷えるけれども、日中は上着が必要ないまでになった。
フナ広場は昼と夜ではまったく違う顔を見せる。夜からは屋台タイムである。
この日の晩は屋台でシーフードのフライを食べた。
地元民がたくさん食べている屋台が美味しいからそこで食べた方がよい、というガイドブックの勧めどおり、込んでいるところで食べた。
余り込んでないところは、客引きが出てしつこかったりするけど、込んでいるところはそんな暇もないようだね。
カサブランカで食べたフライよりも量も種類も少ないやつである。イカリングと白身魚、30ディルハム。
右側の正体不明の皿は、ナスのペーストのようなもの。隣の人の見様見真似でパンにつけて食べるのだと知り、僕も挑戦。味がないね、うむ。
この辺を歩いていると、「ヤギノノウミソ!」と日本語で誘ってくる屋台も多くて、見ると、ヤギの生首から剥き出しの脳みそがまんま置いてあったりする。
これとは別に市場でも、生肉市場ではヤギの毛の生えたままの生首がそのまま店頭にボンボン置かれているのを見たりする。
日本じゃありえない光景・・・日本じゃ肉はスーパーで綺麗に切られパックされたものが売られ、生き物を殺して食べている、という実感を遠ざけているかのようだ。
だけど実態はここと一緒。僕たちは「殺して食べている」のに違いはない。きれいごとを言うな、上品ぶって、隠すな、とその生首に言われているような気持ちになった。
日本は管理の行き届いた社会だけど、「殺して食べる」とか、これは一例だけど、そういう人間本来の生臭さをやたらと消すことによって、本来の人間の姿から遠ざかっているんじゃないか、という気がした。
しかし、これは脱線である。
カタツムリの屋台を見つけた。
僕は最初、カタツムリというよりエスカルゴ的なものじゃないかと期待して席に着いたのだ。
しかし出てきたのは・・・
まぎれもなく「カタツムリ」だったのであった。
しかも僕は小6ディルハムを注文したつもりだったのだけど、店主が変な気を利かせて、大10ディルハムを出してきたのである。ウエッ!!
それでも注文したものを食べないのは残念なので、カタツムリを殻から取り出してみる。
取り出した中身はこんな感じ。かなりリアルにカタツムリの原型をとどめてらっしゃいます。ウエッ!!
顔をしかめながら食べていたカタツムリだけど、二、三個食べた辺りからだいぶ慣れて、案外これ、いけるかもねと思えてきた。
まあ、貝類だから、それほどまずいものではないのだ。
ちなみに貝殻から引っ張り出した奥のほうはワタのような感じで苦く、隣の地元民はその部分が苦手なようで、入り口の頭の部分だけ食べていた。頭の部分は苦くもなく、食感も他の貝類と変わらない感じである。
結局全部食べた。スープも全部飲み干す。ちなみにスープのお代わりはタダで出来るようだった。
ふー、ごちそうさん。しばらくカタツムリはいいやって感じかな。
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