「オズの魔法使い」
さて、先程話題に出ました愛知県芸術劇場での公演…この公演の際、ドロシーの衣裳が変わりましたか?とアンケートにコメントがありました。それにお答え出来ずにおりましたが…、2013年の新国立劇場公演より、ドロシーの衣裳が一新されております。
舞台仕込みメイキング!
第5弾より、リハーサル編に突入!
演出にかかわるネタバレ含みます。
新鮮な気持ちで舞台を楽しみたい方は観劇後にお読みください。
とは言え、舞台未見でお読みいただいても心配はございません!生で観たときの驚きと感動に勝るものはありませんので!
リハーサルは毎回、ラストシーンから開始されます。音響・照明・舞台監督・黒衣(くろこ)チーム…全セクションが目まぐるしく動くのがこのラストシーンなのです。
ドロシーの帰還
銀の靴の魔法によって空高く飛び立つシーン
当初は大げさなワイヤーアクションも考えておりましたが、やはり、なんと言っても、あくまで、アナログなファンタジーでありたい。
創意工夫により、子どもでも真似できる演出…それで飛翔を表現したい!…と思いました。
そこで活躍するのが新体操のリボンです。
飛び立つ際の風がリボンで表現され、上へ上へ…と進むドロシーはリボンの輪の動きで表現されます。
このリボン、どこに収納してるのか…
この度、公開してしまいましょう。
はい。
私が背負っているのです。
この筒の中にリボンが仕込まれているのです。
主要キャストとの会話劇の隙に、黒衣さんに掛けてもらっています。
この場面、毎回、リハーサルの際もゾワゾワとします。何度やっても慣れない場面です。
飛び立ち…
大きな輪が、ドロシーを囲み、その輪が下へ下へと降り…空高く飛び立つドロシーが表現されます。
人形を持ちながらのリボン回し…
私は全身汗だく…
リボンが絡まるのではないかと心配…
練習に練習を重ねます。
告白してしまいましょう。
過去の公演で一度だけこのリボン回しが失敗したことがあります。
忘れもしない…汗
北九州芸術劇場での公演でした。
そのときは、ドロシーのアドリブで、この場面をもう一度やり直しました。2度目は無事成功!それはそれで、会場がひとつとなり、大拍手と歓声で盛り上がりました。あってはならないことですが、北九州のお客様の温かな眼差しに支えられ、忘れられない場面となりました!
テイク1で引けてしまっていた私の腰が内側に入り、より躍動感のある動きに…。
さて、先程話題に出ました愛知県芸術劇場での公演…この公演の際、ドロシーの衣裳が変わりましたか?とアンケートにコメントがありました。それにお答え出来ずにおりましたが…、2013年の新国立劇場公演より、ドロシーの衣裳が一新されております。
こちらの写真は2015年の石川県シグナスホール公演でのリハーサルの様子です。
初期のドロシー!
再び、シグナスホールでのドロシー
わかりますか??
かなりマニアックな変化なのですが…
気付いた方は凄い!!
微妙な変化なのですが…
ギンガムチェックの色が濃くなっております!
原作のドロシーの服の設定は…
「色あせた水色のギンガムチェック」
それを忠実に再現すべく、初期は極めて薄い水色のギンガムチェックを採用していました。しかし、舞台の強い照明に照らされると白色に見えてしまう…
これがかなり気になっておりました。
そこで、2013年に生地を新調して衣裳チェンジ!
今はもうありませんが、渋谷の老舗の生地店マルナンにて理想の生地を見付け、オズの魔法使いの美術制作をしてくださった名古屋のアトリエ羅道(RADO)さんにお願いをして、ドロシーの衣裳を新調したのです。その際、かぼちゃパンツも制作していただきました。劇中にドロシーのスカートがめくれることはほとんどないのですが…
アトリエ羅道さん、そこを考慮してくださり、2013年の衣裳変更の際に、可愛いかぼちゃパンツを制作してくださいました。
美術のデザインは全て私が手がけておりますが、この様に、制作の過程や上演を進めていく中で、私も気が付かないところを美術スタッフさんが配慮してくださるのです。ありがたいです!!
その可愛いかぼちゃパンツの写真が無くて残念!
見えないお洒落です。
そのかぼちゃパンツがあまりに可愛いので、最近は、冒頭の北の魔女との対面シーンにて、北の魔女を怖がる子犬のトトがドロシーのスカートに隠れる芝居の際、チラッとかぼちゃパンツが見える様な動きにしております。
「オズの魔法使い」舞台仕込みメイキング!
ついつい話がマニアックな方向にいってしまう!!
今回はこのくらいにしておきます!
つづく!