吉田のうどん 」を昼食にして、さて午後は…というところですけれど、
山中湖での残念さはあるとはいえ富士五湖巡りは一応完遂したことでもあり、
また折りしも三連休の最終日とあって帰りの道が混むのではと、早々に帰途につくことに。


ですが、これは今回企画の元締めによる
「途中で立ち寄りたいところがある」とのひと言に基づくものでありまして。
富士五湖エリアからは早々に立ち退くけれども、

道が混む前には立ち寄り場所をクリアしてということでありますね。


だいたい行きしなに「ゆめソーラー館やまなし 」に寄ることを申し出た経緯からして、
その関係の場所であるか…と思えば、案の定なのでありました。


単純に東京方面への帰途につくのであれば、
中央道河口湖インターから入ってすいっと行くところでしょうけれど、
下道の国道139号をゆるゆる辿っていき、到着点は都留市役所であるという。


休日に市役所に行っても閉まっているだろうとは思いましたですが、
お目当てのものは屋外にあるようで、どうやら問題無しとのこと。
そのお目当てのものというのが、これなのでありましたですよ。


都留市の元気くん1号


水車でありますね。
ですが、羽根の形がなかなか技術の粋を注ぎ込んだ気配がある。


そして、いかにも水車のお仕事らしい粉を挽いたり、
あるいは水を汲み上げたりという付属設備はなさそうです。
水路の方から見ても、とにかく水車を回すために設けられているような。


家中川の流れを引き込んで


実はこれ、正式名称を「都留市家中川小水力市民発電所」という、歴とした発電所。
「元気くん」という愛称で市民に親しまれ(てるのではないかと)、
写真の「元気くん1号」のほか、それぞれタイプの異なる水車で「2号」、「3号」が
日々電力供給に勤しんでいるのだそうでありますよ。


都留市家中川小水力市民発電所・解説板


解説板によりますと、「発電した電力は…庁舎内で使用する電力の一部として賄われ、
休日や夜間などに電力が余れば電力会社に売電されます」とのこと。


この「元気くん1号」へ水を供給する家中川(かちゅうがわ)は
桂川から引いて農業用水等に用いるために寛永年間に開削されたのだとか。
元々水量が豊富であったことは、大正時代に詠まれた与謝野晶子の歌からも分かるようで。

八月の富士の雪解(ゆきげ)の水湛へ 甲斐の谷村(やむら)を走る川かな

ところで、都留市の「元気くん」は

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助金と市民債とを活用して

設置されたそうなんですが、市民債が集まるということは再生可能エネルギー、

新エネルギーに関心の高い市民、自治体なのでありましょう。
市役所の裏手に廻って程近く、富士急行の線路沿いにはこのような家も建てられておりました。


都留市エコハウス


と言われても「何のことやら?」と思われますが、「エコハウス」というものでありまして、
説明書きにはこのように書かれてありました。

このエコハウスは、都留市の水資源や森林資源などの地域特性を生かし、小水力発電、太陽熱、薪ストーブ、雨水、自然採光、自然通風、壁面緑化などを活用した、自然エネルギーの自給率の向上を図った「小水力発電のまちのエコハウスです。

環境省の「エコハウスモデル事業」によって

「エコハウス」を設けるケースは都留市に限らずあるわけですけれど、

巷では商業ベースに乗った形で施工・販売されるエコハウスもあり、
これには「エコハウスのウソ」なんつう本が書かれたりしているので、
「エコハウス」というもの自体がいささか眉唾ものに思えてしまうところもありますが…。


とまれ、環境への負荷を考えた場合にあまりに小さな試みのようにも思われますけれど、

何もしないよりは何かした方がいい、そしてモデルハウスを通して「やる意味」があると

分かってくるならなおいいですね。


あいにくと、こちらは日曜日では中を見せてもらうことはできませんでしたが、

小さな試みながらも形で見せてくれるものがありますと

考えるきっかけにはなるかなと思う都留市立ち寄りでありました。


後は一気に中央道を通って帰途へ。
富士を取り巻く文化も伝統も、米倉山と都留市で思った環境意識も

どちらも忘れずにいようと考えたところで、「富士五湖紀行」はお開きでございます。


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