リューネブルク
のツーリスト・インフォメーションで現地調達した市街図を眺めていましたら、
そこに「Johan-Sebastian-Bach-Platz」(バッハ広場)という記載が目に止まりました。
広場のところには聖ミヒャエリス教会というのがあるようですから、
これまた何かしら大バッハゆかりの場所
か?!と、取り敢えず向かってみることに。
どうやら屋並みの上に飛び出した尖がりが方向的に聖ミヒャエリスであろうと、
踏み込んだあたりが旧市街でも、わりとこぢんまりした建物が並んでました。
何とはなしレゴで作られた街に入り込んだかなと思ったりしたですが、
リューベックの「ヘーフェ」
をそのまま拡大して街にしたふうでもあります。
で、確かにヨハン・セバスチャン・バッハ広場にたどり着いたですが、
バッハの像が建ってたりするでもなく、近くの聖ミヒャエリス教会も含めて
バッハとの関わりはちと分からずじまい。
すごすごと、細道を抜けて行く旧市街探訪に戻ったのでありました。
見馴れてしまうと、みんな似たような煉瓦造りか…と素通りしがちになるですが、
時おり個性的な構えを見せてくれる建物が現れたりするのも楽しみのひとつでしょうか。
また、いささか受け狙いと思われるものもあり、
これなどは、昔、荷物を引き揚げるのに使ったクレーンの滑車に魚を吊り下げてある。
魚屋ではないようでしたが、何かの看板ですかね。
ただ、これもまたリューネブルクの塩が、魚の塩漬けという保存食作りに大いに使われたことを
思い出させてくれるところでもありましょう。
今度はちょっと通りが大きくなって、建物もそれなりになってきた辺り。
それまでは観光客の姿など全く見なかったのが、それらしい姿が目に止まるようになると、
どうやらショッピング街に入り込んでいたようです。
やっぱり店の構えも、いかにもな気の使いようでありますね。
そして、そんな通りの中の一つに入り込んで、昼食をとることに。
「KRONE」というBrau Haus(ビア・ハウス)ですけれど、
日本の居酒屋のようにおつまみメニュー的なものもあり、
普通の料理の中にも小皿(Probierportion=small order)で頼めるのがあったのは実に好都合。
そこで、かように2品頼んで、ビールと共にとしたわけです。
右側がニシンのマリネ、ヨーグルトクリームソース掛けに
フライド・ポテトと野菜を添えたもの(またしてもニシン、またしてもじゃがいも)の小皿(!)。
そして、左側がラプスカウスという料理で、
本来はハンブルクあたりのものらしいですが、ハンブルクでは目玉焼きが載っているらしい。
ここのは「Original Lapskaus」となっていたので、独自メニューなのでしょう。
こちらはおつまみ的メニューなので、元から小ぶりになってます。
ニシンの方のお味は想像に難くなかろうと思いますですが、はてラプスカウスとは?
何でもコンビーフとジャガイモ(小さめのサイコロに切った感じでしょうか)を
交ぜて炒めて調味したもののようですけれど、いかにもコンビーフの味。
取り分け「うまい!」と激賞するほどではありませんが、おいしくいただきましたですよ。
ですが、その料理にも増して魅力的なのはビールでありますね。
ここはビア・ハウスですから、醸造元でありましょうからねえ。
ピルスナー(喉が渇いていたので、すでに飲んでますが)とドゥンケルの2杯、
ぐぐいとやって、ぷはぁ~っと。
気候にも合っているのでしょうね、実にうまい!
それもそのはずといいましょうか、北ドイツではワイン造りのためのブドウ栽培には、
その寒冷さと日照との関係か、向いていないかわりに、
それこそハンザ同盟時代の交易品としてビールが各地に輸出されていたのだと言います。
後から気付いて飲み忘れたと思ったですが、
日本でも稀に見かける「BECK'S」というビールは、リューベックの「ベック」から来ているそうな。
メルンの博物館
にも古いビール瓶が展示されていましたし、
ここリューブルクでも当然のように製造されているわけです。
そして、次に訪ねるハンブルクでも。
ということで、これから先の食事の際にあれこれ違うビールが必ずお供ということに。
リューネブルクでの食事は、この旅の中ではまさに画期となる食事となったのでありました。