そもそも熊本市内の観光にあたっては市電の一日乗車券でも購入してと思っていたのですね。
東京では荒川線を残して、すでに40年以上も前に廃止されてしまった都電ですけれど、
路面電車の走る風景というのは、何とも実に味があるといいますか。


熊本市電のレトロ車両


これはたまたま取り分けレトロな車両が通り掛かったところですが、
こうしたレトロ系から最新型まで様々なタイプの車両が行き交っているというのも
熊本市電のお楽しみの一つとされているだけに、乗ってみるつもりでいたわけです。


しかしながら、

夏目漱石内坪井旧居 を訪ねて「熊本市の見どころは熊本城 だけじゃない」と言った、
その全貌は徐々に確かめられることになるわけですが、
予め「行ってみようかなポイント」を線で結んでみただけでも、
どうも市電では機動力が足らんなと思ったのですね。


熊本市記念館相関図


これは、漱石旧居で見かけた「熊本市記念館相関図」というものですけれど、
相互に関わりのある人物なり事績なりの記念館がここに記されているだけでも8カ所。


個人的「言ってみようかなポイント」にはここに含まれない所もあるので、
とてもじゃないけれど廻りきるには時間が足りない…てなことになるという。


ですので、端から全部とは目論んでいないものの、いささかなりとも機動力確保を目して、

この日は朝一番で漱石旧居を目指すに先立ち、レンタサイクルを借りに行ったのありました。


電動アシスト付の自転車だったのは、熊本城に向かう際の坂道にめげないようにでしょうか。
1日借りて500円、その上に各種施設入場の際の割引券付きとなれば、

使わない手はない!と思ったわけでありますよ。


もっとも、借り受けて漱石旧居へと走り出して早々、

小雨がぱらついてきたときには泣きそうになりましたが(笑)。


とまれ、そうした機動力があるとつい安心して、
勘に頼ってふらりと脇道に入ったりするわけでして漱石旧居の辺りでは
こんな案内に出くわすことにもなったりするのですね。


横井小楠先生 生誕の地


「横井小楠先生 生誕の地」とあります。
熊本城から旧細川刑部邸 に向かう途中で「時習館跡」の案内を見かけたときにも触れた
横井小楠の生誕地ということですけれど、今ではすっかりとある学校の敷地の中。
在りし日の俤は欠片もなく…でしょうか。


それで思い出しましたが、そも漱石旧居を目指して熊本城の外周を自転車で走っていたとき。
「おお、この辺か」と思ったのが、かの宮本武蔵ゆかりの案内を見てです。


熊本藩主となった細川忠利のたっての願いを聴き入れ、

熊本に客分として身を寄せた宮本武蔵が住まったのがこの辺り…ということだったんですが、

折しも小雨が降り出したときで十分な探索もできずじまい。


ただ在りし日の俤は欠片もなく…という点では、
横井小楠生誕地とさして変わらぬようすではありました。


と、何が本題だか判然としないままに書き連ねておりますが、
漱石旧居にいるうちに雨もあがったことだしと、

気持ちよく次の目的地へと自転車を走らせたのはいいですが、どうも道を間違えた…?


方向的には大きな間違いではないはずながら、

たどりつくはずのない藤崎八旛宮に、気が付いたら到着していたという。


藤崎八旛宮


ま、これも何かの縁ですから覗かしてもらいますと、どうやらお祭りの始まる準備中のようす。

本番では大活躍するであろう獅子舞(?)の獅子も、

まだ人が入っていない状態だとこのていたらく。


藤崎八旛宮の獅子舞?


たまたま出くわしたお祭りで、

巨砲レンズで武装したカメラの砲列が立ち並んでいたところを期待大ではありましたけれど、

ここで待ちに入ると、この先「行ってみようかなリスト」の消し込みができない…。


やむなく始まってしまう前に立ち去ることにしたのですが、

後から調べてみますと、この日は例大祭の第二日目であったらしい。

そして藤崎八旛宮の例大祭は何と1000年以上の歴史を持つものであったとは。

一見の価値はあったのでしょうなぁ…。


とまれ、その時にはそれほどの由緒とはつゆ知らず、

地図で再確認して熊本大学、五高記念館へと自転車を走らせたのでありました。