先日「月の神秘」展@コニカミノルタプラザ を覗いたときに、
時間に余裕がなくって見られなかった「超・深海展2014」、
またまた新宿でいささかの時間ありのタイミングで今度はしっかり見てきたのですね。
入口のところでやおら懐中電灯を渡されて、
展示室内に入ると真っ暗な中で壁面にライトを当てますとそこここに深海生物のパネル写真が。
ということで、「これは?!」というデジャヴに襲われたわけですが、
よく考えてみれば去年の今頃やっぱり同じ会場で同趣向による「超・深海展 」を見ていたのでありました。
すっかり老人力がついてしまって…。
それにしてもこのフライヤーに使われている「ダイオウグソクムシ」とやら。
わざわざ「あえる!!!」と書いてありますから、数々の深海生物写真が並ぶ中で
このダイオウグソクムシだけが特別扱い、生きたまま水槽に入って鎮座ましましておりました。
Wikipediaによれば
「メキシコ湾や、西大西洋周辺の深海200 - 1000メートルほどの深さの海底砂泥地に生息」
とありますので、本来的には日本にはいない生物なのでして、
何だってそうした生き物がことさらにフィーチャーされるのか、
個人的には全く分からなかったものの、どうやらひとやま評判が立っていたようでありますね。
予て鳥羽水族館で飼育されていたダイオウグソクムシが
何年にも渡って絶食(餌を食べない)を続けながらも生きていたですが、
それがとうとう今年に2月に死んでしまったとか。
そして、その後の調査によると、解剖して胃を調べたところ
正体不明の液体で満たされていたのだということで、
これはいったい何なのか、餌の代わりになるものを何らか摂取していたのか…とまあ、
謎の尽きない深海生物だそうな。
そうしたことがあったからかもですが、
ぬいぐるみだとかの類いまで市場に出回ってたりする人気(?)があるようですが、
実際に見てみると(「きもカワ」との表現もあるようですが)巨大なフナムシのようであって
(実際は世界最大のダンゴムシの仲間だそうな)
う~ん、じっくり観察する気にはなれない…。
と、ダイオウグソクムシの呪縛からは早々に抜け出すといたしまして、
去年の展示と異なる点は、無人深海探査機「江戸っ子1号」(実際には2号、3号もあり)の
展示でありましょうか。
東京以外でどれほど知られているのかはわかりませんけれど、
開発の一翼を担ったのが関東の中小企業だったということで、
ほかにも大田区の町工場の人たちが「下町ボブスレー」で五輪に挑戦!てな話もあったり、
いわゆる中小企業、もそっというと職人の方々が最先端のところで活躍できるというのは
何だかいい話だなぁと思ったりします。
「これで、最先端?」という感じの、
ちょっと違うたとえですが、ペットボトル・ロケット的子供の科学を感じさせる見てくれとは裏腹に、
「江戸っ子1号」もしっかりと深海のデータをつかみとって引き上げられ、
研究の促進に役立っているのでしょう。
先日見たエベレスト登山の映画 では
世界最高峰の頂上とは南極、北極とは違う極地だなと思いましたですが、
深海というのもまたそれらとは異なる極地だということ。
エベレストが征服され、無酸素でも登ってしまう登山家が現れ、
今では体力気力に自身があってお金も持っている人なら登れてしまうという変化がありましたけれど、
(南極、北極にも多少そういうところはあるかも)
深海というのはそもそも人は呼吸することができず、とんでもない水圧が掛かってくることから
頑として生身の人間を寄せ付けないところは恰も宇宙の如しではないかと。
海の中はまだまだ分からないことだらけのようでもありますけれど、
そこら辺から想像を逞しくして考えると、
宇宙のどこかにはさらに巨大なダイオウグソクムシ(例えばですが)がいたりするのでしょうか。
自分で思いついておきながら、違うことを考えればよかった…とは、
すでに後の祭りで、いささかの身震いが。
「超・深海」展ははやり夏向きということになりますかね…。