先日、横浜みなとみらいホール に行きましたけれど、
そのときにちょこっとプラスアルファ的に立ち寄ったところのことを書いてませんでしたので、
ちと遡りますけれど、ここで。


さて、そのプラスアルファにたどりつくまでですが、
久しぶりに桜木町駅に降り立って目の前にランドマークタワーがどっかと聳え、
辺りはすっかり整備され、きれいきれいの観光地然とした姿になってましたですね。


横浜ランドマークタワー


何かと高い建物 を気に掛ける性質ですので、気にならないといえばウソになりますが、
実はランドマークタワーの、何かしら鈍重な印象が好みでないのでして…と、

これは飽くまで個人的に。


とまれ、折しも早めの昼飯時かなという時間ながら、
どうにもこうにもデパートのレストラン街のようなものしかみあたらない。


駅前でだめならと、エスカレーターと動く歩道に導かれるまま、
ランドマークタワーの方に行ってしまいましたですが、状況が好転するでもないわけです。


みなとみらいのドック・オク?


さらに、「スパイダーマン2」のドクター・オクトパスを思い出させるオブジェの下を通過して
東側に隣あった(みなとみらいホールがある)クイーンズスクエアへ脚を延ばすと、

さらに自体は悪化することに。


そこで、この人に溢れた区画からの脱出を図り、
ランドマークプラザを北側に抜けて地表に降り立つと信号の向こうにドトールの看板が。


いささか侘びしく感じたものの、そこでコーヒーにミラノサンドの軽い昼食をとったですが、
このドトールの入っているビルが、果たして三菱重工横浜ビルというところで、
ここに「三菱みなとみらい技術館」という施設があると気付いたわけでありまして、
ようやくプラスアルファにたどり着きました。


三菱みなとみらい技術館


演奏会開演までのちょうどいい時間つぶしになるかなと、
ふらり立ち寄ってみると「あらら、有料?」と(ま、500円ですが)。
石川島資料館 がただだったのにぃ…と思わないではないでしたが、
規模も展示も「こりゃ、有料でないとやっていけんね」というもの。


ヘリコプターのシミュレーターがあったり、
様々な実験の再現をいろいろと触れて試すようになってたりと

体験型の科学施設というのが実態。


こりゃあ、子どもは楽しかろうなと思うまでもなく親子連れがたくさん来ていて、
各種体験の順番待ちの列が出来てましたから、少々心残りながらもそうした体験学習の方は、
大人としては子どもに「譲ったる!」と鷹揚な態度で見て回ったのでありました。


この科学館を手掛ける三菱重工業は、言うまでもなく大きなものなら何でも作るというわけで、
最近ではMRJ(三菱リージョナル・ジェット)の開発で有名ではないかと。


それ以外にも関わったプロジェクトがらみでしょう、
ロケットエンジンの置かれた航空宇宙分野、深海探査船が展示された海洋分野、
ライトレールが見直されてきつつある交通・輸送分野などの今、そして未来につながる展示が
なされているのですね。


気前よく子ども優先の態度で臨みましたで、自ずと空いているところを見るわけですが、
「チャンバーシアター」という宇宙船内と同じ円周を持つ円筒形のシアターで見た
「ロケットに乗って宇宙へ!」という上映作品は視覚的な錯誤によって
ふわっとした気分(気持ち悪いとも言いますが)が体験できる面白いものでしたですよ。


そして、当然にように歴史を語るコーナーはがら好きでありまして、
個人的には好物ですから、よしよしとじっくり。


そもそもランドマークタワーが三菱絡みであることは知っておりましたけれど、
横浜みなとみらいとして埋立・再開発される以前のこの辺りは

三菱重工の横浜造船所があったそうな。
今、日本丸が繋留されている場所は、その横浜造船所の1号ドックなのだそうです。


今では日本丸の住いとなった旧・三菱重工業横浜造船所の1号ドック


幕末以降、洋式船の必要性は高まるばかりになる一方で、
その船を整備し、修理する施設も求められるようになり、
1891年(明治24年)この地に有限責任横浜船渠会社(横浜ドック)が設立された。


これが後(1935年)に三菱重工業との合併で、同社の横浜造船所となり、
「みなとみらい21計画」に協力して、1984年に本牧・金沢地区に移転するまで続いたと。


こうしたことに「ほぉ~」と思いながら次のコーナーに脚を運ぶと、環境・エネルギー分野の展示。
ここに至って「ほぉ~」が「うむぅ~」になってしまったのでありますよ。


何がといって、早い話が原子力エネルギー、原子力発電の部分の解説に関してでありまして、
解説はこんなようになっているですね。

(原子力による発電は)CO2を排出しないクリーンエネルギーとして注目されています。少ない燃料から大きなエネルギーを安定してつくり出せる重要な発電方法のひとつです。

確かにこうした言われ方をした時代があったことはあったですね。
でも、今となってはいったいいつのこと?と思いますし、
この施設の開館は1994年のようですけれど、

それ以来記載を見直すようなことはしていないのでしょう。
解説は続きます。

使い終わった燃料の中にリサイクル利用できる資源が残されています。燃料に利用できる資源の量は限りがあるので、原子燃料リサイクルにより貴重な資源をむだなく利用することが大切です。

使用済み燃料にはリサイクルできる資源が含まれていることは事実でしょうけれど、
リサイクルできない部分、純然たる核廃棄物のことをどうしてスルーできちゃうんでしょうかね。


先に「開館以来記載を見直していないのでは」と言いましたけれど、
これらの解説のすぐ脇には、東日本大震災の教訓を踏まえたとしてさらなる安全対策を施し、
津波が来ても大丈夫、一切の電力供給が途絶えても安全に原子炉は停止すると紹介していました。


仮にそうだとしても、やっぱり核廃棄物はどうなるの?と思わなくもない。
子どもがたくさん来る施設でやさしく科学を説明している中にあって、
三菱重工はこう考えているんだなぁ…と思ったところで、

早めながらもみなとみらいホールへ向かうことにしましたですよ。


後になって、三菱重工業原子力事業本部のHPを見てみたですが、
こういう説明をしちゃうのかぁ…と思いましたですね。

まあ、三菱重工業というひとつの会社だけをとやかく言うとしたら、それはそれで違うのでしょうし、
また、受け止め方もひとそれぞれとは思うところですが、個人的に「うむぅ」度合いはHPを見て
確実に高まったとだけ申し上げておくことにいたします。