ヴァイキング船博物館
のところの終わりで申し上げたノルウェー人の冒険家魂でありますが、
もそっとお待ちいただくとして、次に訪ねましたのは
ノルウェー民俗博物館(Norsk Folkemuseum)です。
バス停ひとつ分を歩いて戻る感じですが、
敷地的にはヴァイキング船博物館とお隣どうしではなかろうかと。
それくらいの広さを持っている野外博物館でありまして、
まあ東京で言うならば江戸東京たてもの園ということになりましょうかね。
まず入り口のあたりでは、いかにもヨーロッパの瀟洒な住宅街を構成するような建物がお出迎え。
左下をご覧くださいまし。小さいですが、改札口のようなゲートが見えましょう?
これが博物館の入り口でありますよ。
展示物としては、先に江戸東京たてもの園を引き合いに出しましたように
ノルウェー国内の民俗的、そして歴史的な建物を保存復元して展示し、
そうし建物を利用しての生活やら文化といったものを後世に伝え残そうというもの。
どこの国にもあるものですね、おそらく。
最初は「ふんふん」てな感じで
さらり見流す感じで歩いていた(ですから、写真も撮ってないという)ですが、
そのうちにだんだんと面白くなってきたのですね。例えばこれ。
要するに農家の倉庫でして、全面的に装飾が施されてんですが、
こうした装飾性はどういうふうに生まれてくるんですかねえ。
日本の農家の倉庫だったら、ここまですることはないような…。
こうした違いとは別に、この写真ではよく分かりませんけれど、
高床式の脚のところにはねずみ返しと思しき工夫がしっかりされているのを見ると、
万国共通のところもあるなぁと思ったり。
見ものは建物そのものばかりではありませんで、
17~18世紀の豪商のものらしき邸宅では、
いくつもある部屋のひとつひとつに年代を変えたインテリアが施してあって
見比べることができるといった工夫がなされていたりもします。
てなことで、ほんの時間つなぎくらいに思って立ち寄った博物館でしたが、
予想を遥かに上回る興味深さがあったものの、
とても全ては見て回れない(後がつかえているもので)。
ですので、入場時にもらったリーフレットにある
「ここは見逃せない3カ所!」だけは押さえておこうかと。
ひとつは「The Apartment Building Wessels gate 15」(マップの2番)というもので、
先に触れた年代ごとに違ったインテリアが見られるという建物。
もうひとつは1959年の農場を再現したところ(マップの3番)に本物の豚や牛を飼っていて、
ちょっとした動物ふれあい広場にもなるという場所(豚は寝てましたが…)。
そして最後にして最大の見ものが1200年頃に建てられたという木造教会(マップの1番)であります。
ノルウェーでは「ウルネスの木造教会」というものが世界文化遺産に登録されてますが、
デザイン的にはこちらの方が「かっちょええ!」ような気がしますですね。
ちなみに中はまっくらけ。
と、この写真はまっくらけであることをご理解いただくために載せただけですので、
当然に何も見えないと思いますが、無理やりにMS-OfficeのPicture Managerで
自動修正をかけるとこんなふうになります。
なんだか赤外線写真みたいなふうですけれど、
宗教画があるなということは見てとれるのではないかと。
ですので、ここを訪ねるときには懐中電灯があった方がいいでしょうね。
実際、団体さんを連れた英語ガイドの方はしっかり手持ちの懐中電灯で
照らしながら説明してましたっけ。
とまれ中はまっくらではあっても、外から見た時の空へ空へと向かうがごときその姿を見ると、
北欧の人たちが憧れる陽光への希求を思いますし、
屋根の傾斜角は積雪対策だろうなとも。
そして、ヨーロッパといえば石造りとばかり考えてしまうところですが、
日本で言えば鎌倉時代の頃合いにヨーロッパの北のはずれでは
木造の建築技術が独自に発展していたのでありましょう。
思い返せば、ヴァイキング船もまた木造でありますしね、う~む。