問屋街の東日本橋。その一角に店を構える鮨一條。
日本橋都寿司があった場所と言えば、分かる人も多いかもしれない。
オープンは2015年11月。1年少し過ぎたところ。
親方は一條聡さん44歳。
近隣人形町の老舗、六兵衛で24年間修業。カウンターのはネタケースがあって
あれこれ選ぶこともできる、昔のお寿司屋さんスタイル。
肩肘張らないお店にしたいと、日々寿司を握っている。
シャリは赤酢2種類、興兵衛に琥珀そこに塩だけのタイプ。
修業先六兵衛とは方向性を変え、一條さんのシャリを試行錯誤で仕上げたそう。
この日はランチで。3500円、ランチとしては取っつきやすい金額。
この日は鯛から始まり、コハダ、鰤、赤身
煮蛤、穴子塩、穴子ツメ、玉子焼、干瓢巻
この日印象的だったのは、
赤身
まぐろはやま幸から仕入れている。秋の大間の鮪。
赤身の味の濃い部分。しかし、赤身でありながらうっすらと
脂の入った極上のまぐろ。ネタは昼も夜も変えていないようなので
非常にお得感があります。
煮蛤
技術の良し悪しが出る煮仕事。
鹿島灘の蛤をさっと火を通してから漬け込み。
しっかり色が付いているのに柔らかい技術に唸る。
蛤本来の味がしっかりしている、漬け込み仕事を存分に味わえました。
締めのかんぴょう巻き。
おぼろを挟んであって深みを増している。
山葵もしっかり聞いていて、王道の江戸前干瓢巻き。
技術の出る巻物、その腕は確かでした。
古典的な握りだったけど、古いものをただ踏襲しているだけでなく
シャリを自分のものに変えたり、工夫が見られる鮨一條の握り。
魚の選び方が良くて、江戸前の仕事に合うものを選んでいるので
さすがベテランの職人さんだなと、尊敬することしきり。
親方お一人でやられていますが、
ランチからしっかりやっているところに好感が持てるお店です。