神戸摂津本山にミシュラン2つ星のお寿司屋さんがあると聞いて・・・
やってきたのは住宅街の中にポツンと現れる鮨生粋

元々はこのお店のある通りは商店街だったそうですが、
阪神淡路大震災で軒並み倒壊。古いお店はそれを機に廃業してしまったとのこと。
たしかに駅からの道に古い木造住宅が一個もなく、綺麗な家ばかり、
新興住宅街かと思った裏には、そんな悲しい震災の影響がありました。



お店は道路から奥まっているタイプ。
お寿司屋さんに入るぞ!という気持ちが高まります。



親方の福原大介さんは44歳。
実家が元々この場所で寿司屋さんをやっていて、震災を機に家を継ぐことに。
鮨の食べ歩きが好きで東京にも度々来られるという親方は職人歴28年のベテランです。


この日はつまみからのコースで。
まずはつまみ
鮃(昆布締め)、鰹(藁で燻して)、つぶ貝、鯖(炙り)、あん肝(煮詰めと山椒)
岩もずく、白子柚子窯焼き、勢子蟹、ミョウガ海苔巻き

日本酒は高知のお酒、文佳人を飲みながら。重厚な辛口のお酒でした。

握りは
細魚(昆布締め)、剣先烏賊、漬け、中トロ、大トロ、
小鰭(おぼろ挟んで)、蛸桜煮(阿波産)、いくら丼、車海老、鰆漬け、喉黒
穴子蒸し(ツメ)、穴子炙り(塩)、鉄火巻、玉子焼

シャリはミツカン山吹と藻塩で。
藻塩を使うことで、旨みに溢れるシャリに。このシャリをベースに
タネの仕事を施すという。

印象的だったのは蛸の桜煮。明石の蛸は敢えて使わず、
明石より柔らかくなるという阿波のものを使う。
炊いた後低温熟成させたという蛸はトロトロで瞬時に消える!でも旨味は舌に残る。


そして鰆漬け。
一週間熟成させたものを切りつけてから漬けに。
水気の多い魚を上手く脱水して使っていた。漬け醤油の中に、ネギが入っていて香味があり
口の中に入れれば、脂が瞬間でとろける、至福の一貫。



喉黒は対馬産。
串に刺して炙って供する。
表面だけうまく炙ってあって、脂が出ているけど
くどくならず、シャリとの相性が抜群。



東京の江戸前寿司を良くに食べに来るという親方。
その構成は研究されていて、ち密に組み立てられたつまみと握り。
コスパ良く、満足度の高いおまかせでした!

ミシュランの星を取り続けても驕ることなく真摯に寿司に取り組む。
女将さんも美人(某有名人に似ている?笑)の実力店。
東京からわざわざ行ってでも楽しみたいお店です。

鮨 生粋寿司 / 摂津本山駅岡本駅深江駅
夜総合点★★★★ 4.1