NHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」を見ていてつくづく思うのは、
“昔の医者の、なんともよく注射をするシーンが多いことか”
ということです。
本当に昔は何かといえば注射をしていたようで
「注射一本うっておきましょう」
は、医者の決り文句だったようです。
最近は風邪をひいて医者へ行っても注射はしないそうです。
私自身はあまり医者に縁のないものですが、なぜか悪友どもの中に一人だけ開業医がいます。
仲間内では彼のことを“オオヤブのだんな”と呼んでいます。
いや、彼は決してヤブではない、れっきとした立派な医者なんですが、
彼の奥さんの実家の姓が「大藪」だったので、結婚式以来そう呼ばれているんです。
その“オオヤブのだんな”の話によると、
今でも風邪で来た患者さんの中に「何か注射をして下さい」と言う人が時々いるそうです。
そこで、ウィルス性の風邪では注射の必要はないからと説明すると、
たいていは「それならけっこうです。」で済むみたいですが
中にはどうしても注射をしてくれとがんばるオジサンもいたりします。
そういう場合は、あまり副作用のないブドウ糖の入った電解質輸液などを注射するそうです。
彼の話だと、それはスポーツドリンクみたいなもの・・・
後日、そのオジサンがニコニコ顔でやって来て、
「先生ッ、この前は注射ありがとう。お陰ですっかり治りました!」
これがいわゆる「プラシーボ効果」なんでしょうか?
プラシーボ(Placebo)の語源はラテン語の「I shallplease」(私は喜ばせるでしょう。)に由来しているそうです。
「プラシーボ効果」とは、
ニセの薬(全く効果のないとされている薬)でも、「これは効くぞ」と思ってのめば、心理的な効果がプラスされて、効いてしまうことです。
そういえば「梅ちゃん先生」の時代には町中によく「名医」がいたものです。
「病は気から」といいますが、
名医はきっとこの「プラシーボ効果」をうまく使っていたのではないかな。
そして、名医だといううわさが広まれば、
「あの人にかかればきっと良くなる。」
と、さらに心理的な効果がプラスされて
有効な薬がまだ少なかった昔でも、病気を治すことができたのでしょう。
“オオヤブのだんな”が名医かどうかは別にして、
「プラシーボ効果」を有効に使っているかどうか
今度会ったときにでも、一度訊いてみることにします。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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