平日4/18(金)に有給休暇をとって、赤坂・六本木の以下の2つの美術館を見て回りました。
◆国立新美術館 ~「イメージの力」展
◆サントリー美術館 ~「のぞいてびっくり江戸絵画」展
ついでに、サントリー美術館と同じ東京ミッドタウン内にあるフジフィルムスクエアのギャラリーにも行ってきました。
実を言うと、毎度毎度の強行軍で、同じ日にムーミン展その他も回ってきたんですが、そちらについてはまた別の機会に。
■「イメージの力 」展
国立新美術館で2/19~6/9まで開催されている「イメージの力 - 国立民族学博物館コレクションにさぐる」展に行ってきました。
→国立新美術館ホームページ
→展覧会紹介ページ
→展覧会Facebookページ
さて、この展覧会、そこらのよくある美術展とは少し趣向が異なり、国立民族学博物館創設40周年記念、日本文化人類学会50周年記念ということで、国立新美術館と国立民族学博物館とがタッグを組んだ意欲的なコラボ企画でした。
「イメージの創造とその享受のあり方に、人類共通の普遍性はあるのか?」という壮大な問いをテーマに掲げ、世界のさまざまな地域で生み出された造形物を国立民族学博物館の膨大なコレクションの中から600点選りすぐって展示。
イメージを地域や時代ごとに分類するのではなく、共通した造形性や効果、機能に着目して提示すことで、造形物に対して私たちが持っている固定観念を問い直す試みでもあるとのこと。
いや~、圧倒されました!
展示物ひとつひとつの放つ圧倒的なパワーに。
入った早々、部屋一面を埋め尽くす世界各地から収集された無数のお面や仮面の目、目、目...
そのどこか超越的で非人間的な、人の魂の奥底のさらにその先まで見通すようなまなざしのシャワーを浴びて、私の心がじわじわと侵食され乗っ取られるような感覚を覚えました。
「これじゃ企画者の思う壺だな」と思う反面、素直に「これはやべぇ~」と。
その後も、世界各地の異形の神々の像やら冠婚葬祭の道具やら装飾品やら、実用品・非実用品を問わず、さまざまなイメージを喚起する雑多な物どもが私たちの目を楽しませてくれます。
中には、空を見上げるほどの高さのトーテムポールや、それに似たオーストラリアのアボリジニの柱状棺、パプアニューギニアの精霊堂の前に建てる「ビス」のポールなど圧巻の展示も。
笑ってしまったのは、高級乗用車や航空機やビール瓶などの姿をしたガーナの棺。
故人の思い入れの深い品々だったのかもしれませんが、日本の厳かな葬式風景とは全く正反対の雰囲気で、所変われば…という感じですね。
図録は表紙がものすごい厚みの重量感たっぷりの作りで、内容も充実。力の入れようが分かろうというもの。
展示内容をここに掲載することはできませんが、そのいくつかは、展覧会Facebookページで見ることができます。
混み具合ですが、六本木アートナイトの前日、平日金曜日の4/18(金)の朝10時すぎということもあってか、ガラガラで何の気兼ねもなく見て回ることができました。
なお、当日券を購入する方は、下のページの割引引換券を提示すると、観覧料が100円割引になりますよ。
→割引引換券はこちら
■「のぞいてびっくり江戸絵画」展
国立新美術館に行くのだったら、そこから歩いて数分の東京ミッドタウン内、サントリー美術館にも行かないわけにはいきませんね。
3/29~5/11の会期で「のぞいてびっくり江戸絵画 - 科学の眼、視覚のふしぎ」展が開催されています。
→サントリー美術館HP
→展覧会紹介ページ
年配の方々、特に女性の方々が多かったように思いますが、やはり平日金曜日の午前11時、しかも六本木アートナイトの前日ということもあってか、それほど混んでいませんでした。
ただ、体験型の展示が多かったので、そのあたりは少し待たされることがありましたが、それでも少し待てばOK。
展示内容ですが、次の4章から成ります。
第1章 遠近法との出会い
第2章 <鳥の眼>を得た絵師たち
第3章 <顕微鏡>でのぞくミクロの世界
第4章 <博物学>で観察する
第5章 <光>と<影>を描く―影絵・鞘絵(さやえ)・鏡・水面
第1章では、科学的理論に裏打ちされた西洋の遠近法が、葛飾北斎、歌川広重、司馬江漢らの絵師にいかに影響を与えたかを見ていきます。
これまで何気なしに見ていた有名どころの江戸絵画が実は江戸の絵師にとってはある意味「実験的」な意欲作だったことが分かります。
ところどころ遠近法が破綻していたりするところがご愛嬌♡
第2章では、透視図法の導入によって、より正確な表現が可能になったさまざまな鳥瞰図(俯瞰図)の紹介と、望遠鏡という西洋の文明利器を得て、「覗き眼鏡」越しに透視図法の「眼鏡絵」の立体視を楽しんだ庶民の娯楽を実体験できるコーナーなどが用意されています。
第3章では、17世紀後半に紹介された顕微鏡によるミクロの世界の新たな知見とその絵画への影響を見ていきます。
第4章では、以前から存在した花鳥風月の「写生」に、西洋の博物学や動植物学などの自然科学の知見が合体し、科学性と芸術性の両立した江戸期独特の写生図を紹介します。
第5章では、障子などの通して見える影を効果的に使った「影絵」や小さな人間を組み合わせて人の顔を造形した「寄せ絵」、円筒状の鏡に映せば正常な姿に見える歪んだ画像の「鞘絵」など、遊び心満載の江戸絵画を展示。
中でも、影絵は、たとえば障子の後ろに「梅にうぐいす」が止まっている影のように見えて、実はむさ苦しいおっさんが変な格好をしているなどといった騙し絵的な趣向が楽しい展示でした。
ところで、当日券を購入する方は、以下のページの割引クーポンを提示すると、入館料が100円引きになります。
→割引クーポンはこちら
また、使った半券を東京ミッドタウン内のレストランやショップで提示すると、サービスや割引を受けられます。(対象のショップのみ)
→半券利用サービス
たとえば、無印良品でペットボトル飲料を購入すると、何と50%引きになります。
■フジフィルムスクエア
せっかく東京ミッドタウンに来たのだから、もう少し堪能しようと、無料で観覧できるフジフィルムスクエアに寄ってみました。
→富士フィルムスクエアHP
ここには、富士フィルムフォトサロンと、ミニギャラリーと写真歴史博物館とがあって、それぞれで写真展が開催されていました。
◆第23回林忠彦賞受賞記念写真展(4/18~4/24)
◆風花の会作品展・第18年展「花舞台」(4/18~4/24)
◆第6回六本木フォトコンテスト発表展(4/18~4/24)
◆田淵行男作品展「自然と向き合う」(4/1~7/31)
写真歴史博物館には、カメラが実用化されて今日に至るまでの歴代のカメラやフィルム、そして写真が展示されていて、目の保養になりました。
館内はこぢんまりとしていますが、綺麗で静かで上品な佇まいで好感が持てました。
以上です。