Thinking every day, every night

夢想家"上智まさはる"が人生のさまざまについてうわごとのように語る


テーマ:

2016年7月期のTVドラマもスタートしてほぼ3分の1ほど経過し、恒例の「見どころ記事」としては少し遅気に失した感があるので、今回も前回同様「中間評」としてお届けしようと思います。

 

ただし、毎度お断りするように、ここで書く評価記事は、青春もの・純愛もの・感動モノ至上主義の私の独断と偏見の産物です。
事件ものとかエンタテインメント作品は不当に低く評価している可能性があります。
視聴率とはほぼ確実に反比例します(苦笑)

 

また、取り上げた作品は地上波に限定しています。テレビ東京の作品については放送地域が特に限られていると思いますがご容赦ください。

 

■総論

 

全体に「まじめな」作品が多いクールとの印象です。
「まじめな」作品とは、気楽に「ながら見」できるエンターテインメント系ではなく、職場や学校や家庭での生き方を少々息苦しくても真正面から捉えて問題提起している作品、いわゆる「正統派ドラマ」と言ってもいいですが、そもそも厳密な定義などできるわけないので、あくまで「印象」です。

 

あと、「まじめ」とはむしろ逆ですが、グルメものも目に付きますね。
『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』、『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』『侠飯~おとこめし~』
『好きな人がいること』まで入れてしまうと広げ過ぎか?

 

なかでも『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』『侠飯~おとこめし~』は、いずれも腕の良い料理人が浮浪者だったりヤクザだったりとちょうど似たような設定の作品なのですが、その料理人たちの弟子的な役柄として、それぞれ柄本佑柄本時生の兄弟(柄本明の息子たち)が配役されており、図らずも兄弟対決みたいな感じになっています。
というか、ときどき2つの作品の設定が頭のなかでこんがらがってくるときがあります(笑)

 

また、これもあまり意味はありませんが、タイトルに固有人名を冠したものが多いのも今クールの特徴?
『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』『営業部長 吉良奈津子』『遺産相続弁護士 柿崎真一』『徳山大五郎を誰が殺したか?』
これにあだ名まで含めると『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』『とと姉ちゃん』『闇金ウシジマくん』

 


■期待度ランキング一覧

 

※期待度順に並んでいます

 

◆期待度A (期待にわくわく)
◎『好きな人がいること』(月21 フジ)
◎『仰げば尊し』(日21 TBS)
◎『はじめまして、愛しています。』(木21 テレ朝)
◎『時をかける少女』(土21 日テレ)

 

◆期待度B (かなり気になる)
◎『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(日21 フジ)
◎『家売るオンナ』(水22 日テレ)

◎『朝が来る』(土23:40 フジ)…終了

◎『せいせいするほど、愛してる』(火22 TBS)
◎『水族館ガール』(金22 NHK)

◎『そして誰もいなくなった』(日22:30 日テレ)

 

◆期待度C (気になるが、とりあえず様子見)
◎『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(火22 フジ)
◎『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』(金23 テレ朝)
◎『営業部長 吉良奈津子』(木22 フジ)

 

◆期待度D (あまり期待しないが、とりあえず様子見)
◎『神の舌を持つ男』(金22 TBS)
◎『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』(金20 テレ東)
◎『死幣』(水24:10 TBS)


◆期待度E (最初から脱落)
多数につき省略

 

 

 

■作品別コメント

 

◆期待度A (期待にわくわく)

 

◎『好きな人がいること』(月21 フジ) 
http://www.fujitv.co.jp/sukinahitogairukoto/index.html
海辺(おそらく湘南あたり)のレストラン、パティシエ、イケメン3人兄弟、シェアハウスとくれば、本格的な「月9ドラマ」の期待が高まるのは必然。

 

設定的には竹内結子主演の『ランチの女王』によく似ていますが、どうなるでしょう?
竹内結子の場合、役者としてのはち切れんばかりの新鮮な魅力と、ランチが本当に好きなんだなあと思わせる演技力がドラマ成功の決め手だったと思うのですが、桐谷美玲の場合はどうもパティシエに命をかけてきたというふうには見えないところが難しいところ。
そこを無理やり押し込んでいくと違和感のある人物造形になってしまうので、ここは桐谷美玲の軽口でちょっとおっちょこちょい、キュートでツンデレで小悪魔的なところを脚本や演出でうまく活かしていくドラマづくりが問われますね。

 

また、王道月9ドラマという錦の御旗のもとで、手垢の染みついた紋切り型のくさい台詞やどこかから借りてきたような恋の駆け引きやストーリー展開を見せつけられると、それは違うだろう、と目の肥えた月9ファンから反発必至で、月9枠に挑戦する制作スタッフにはつくづく難しい時代になったものだと同情しきり。

この作品も今のところ、ぎりぎりのところを綱渡りしている印象で、これ以上とってつけたような展開を見せられると、いくら恋愛もの好きの私でもついていけなくなる可能性があります。


期待度トップとしましたが、あくまで私の大好きな胸キュンのラブコメ正統派ドラマに対する期待値(願望)であって、今クールで一番のお気に入りになると予想しているわけではありません。

 


◎『仰げば尊し』(日21 TBS)
http://www.tbs.co.jp/aogeba-toutoshi/

高校吹奏楽部の実写ドラマは珍しいですね。
『ROOKIES』の吹奏楽版みたいだなと思ったら、脚本・演出はまさにそのままでした。(演出:平川雄一朗ほか、脚本:いずみ吉紘ほか)
実話に基づき不良グループが更正して部活動で全国大会を目指すというストーリーとしては、かなり古い話ですが『スクール☆ウォーズ』に似ていますね。

 

全国大会初出場にして連続優勝・一躍強豪校へという快挙を達成した実話にもとづくため、最終的には大団円に向かうものと思われますが、「現実世界はそううまく行かないよ」という斜に構えた視聴者の視線にどう応えることができるか?(実話だからというのは応えにはなりません)

 

1話、2話を見る限り、歳をとってずいぶん丸くなった寺尾聰の「のほほん」とした好々爺ぶりがとてもいい味を出していて、この人なら不良グループの暴力を柔らかく受け止め幼稚な反抗心を骨抜きにしてしまうこともリアルに可能かもしれないと思わせるものがありますね。
いいキャスティングだと思います。

 

また、この作品のもうひとつの注目ポイントは、次世代を担うであろう若い俳優たちです。いわゆる二世タレントが何人も出演しています。
真剣佑  ←千葉真一の二世
村上虹郎 ←村上淳、UAの二世
太賀   ←中野英雄の二世
石井杏奈 ←最年少のE-girlsメンバー
北村匠海 ←俳優にして音楽ユニットDISH//のメンバー
佐野岳  ←ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト・グランプリ
などなど

 


◎『はじめまして、愛しています。』(木21 テレ朝)
http://www.tv-asahi.co.jp/hajimemashite/
特別養子縁組を題材に、子どものできない夫婦が本当の親子になろうと奮闘する作品ということで、地味で重苦しい作品になることがあらかじめ予想されました。
しかし脚本が『家政婦のミタ』『女王の教室』などの遊川和彦なのでストーリーとしてしっかり「見せてくれる」ことを期待しています。

 

問題はそれより、尾野真千子江口洋介という、およそ夫婦とか子育てに縁がなさそうな二人をよりによって夫婦役に起用したキャスティング。
1,2話を見た感想としては、夫婦とか家庭といった枠におさまること自体に向いていないピアニストがさらに難しい特別養子縁組に挑むという設定のようなので、尾野真千子はむしろ適役なのかもしれないと思い直しました。

 

いずれにしても、尾野真千子が普通の主婦を演じるこの手のホームドラマでも全然違和感がないというのは意外な発見でした。

というかこれが尾野真千子の俳優としての底力なのかもしれませんね。

 

それに比べると江口洋介が楽天的で飄々とした夫を演じているのですが、江口洋介ってこんなに演技が下手だったっけ?というくらい、夫の脳天気ぶりがオーバーアクション気味で、少し鼻につく感じ。
そう見えて実は頼りがいのある夫なんだよということを強調するために敢えて「狙った」演出をしているのかもしれませんが。

 

それより何より、子役の横山歩くんの名演技が光っていますね。
横山歩くんは前クールの『ドクターカー』剛力彩芽演じる主人公の一人息子役を演じていましたが、一転して、親のDVとネグレクトで笑顔と会話をなくし心を閉ざしてしまった男の子を見事なほどに演じきっていて、その演技力には驚くばかり。

 


◎『時をかける少女』(土21 日テレ)
http://www.ntv.co.jp/tokikake/
見どころ記事を書こうと思ったら、次週が最終回とのこと(苦笑)
言わずと知れた筒井康隆のSFジュブナイルのTVドラマ化。
私の知る限り、これまで実写映画化3回、アニメ映画化1回、TVドラマ化がこれで5回ほど。
1970年代のNHK少年ドラマシリーズ『タイムトラベラー』原田知世主演の角川映画『時をかける少女』で育った世代の人間としては、この作品には抜き去り難いこだわりがあって、ドラマ化や映画化が企画されるたびに、妙な期待と台無しにしないでほしいという警戒心と不安の混在した複雑な心境で見守ることになります。

 

今回はどうだったでしょう?

 

原作の筒井康隆さんの了解を得たうえで、原作とは別の新しいオリジナルのストーリー展開を試みたとのことで、「アナザストーリー」と割り切った方がよさそうです。


実際、SFっぽさはほとんど影を潜め、高校生たちのひと夏の甘酸っぱい恋と友情の青春ドラマが前面に押し出された作品に仕上がっています。

若手女優有望株の黒島結菜の新鮮な魅力が存分に引き出された作品といえるでしょうが、反面、兄弟のように仲良く育ってきた少女と2人の少年にそれぞれ恋心が芽生え、三角関係が生じ、友情と恋の狭間に揺れ動いて…という定番の初恋ストーリーは少々食傷気味というのも事実。
そこに「タイムトラベル」というスパイスがふりかけられているわけでしょうが、スパイスの効果がいまひとつかなあ…という印象です。

最終話にぜひ感動のエンディングを味わわせてほしいものです。

 

 


◆期待度B (かなり気になる

 

◎『家売るオンナ』(水22 日テレ)
http://www.ntv.co.jp/ieuru/
この作品は、見る前は、実は「期待度C」に配置していました。
不動産屋のやり手営業ウーマンの話を何で好き好んで、みたいな偏見がありました。


ところが蓋を開けてみるとこれが実に面白くて、この位置まで上げました。が、実をいうと、もっと上でもいいのではないかとすら感じています。
上で最初に述べた「まじめな作品」にはほど遠い娯楽作ですが、これだけ「突き抜けて」いれば、これはこれで賞賛に値するというものです。

 

脚本は大石静。
大石さん、ナイスです!
よく毎回面白いエピソードをこしらえてくるものと感心しきり。

 

北川景子が感情を表に出さず誰ともつるまずひたすら不動産を売りまくる孤高の鬼セールスウーマンを好演いや怪演しているのですが、手柄をすべて自分のものにしてしまうワンマンプレーぶりにはさすがに閉口。
個人的には、ロボットのようなあの冷血ぶりと能面のような無表情な形相は、演技として少しやり過ぎだと感じていますが、多数派の視聴者を満足させるにはこのくらい極端な人物造形の方がいいのかもしれませんね。

 

あと、毎回、売り主・買い手として登場する一癖も二癖もありそうな豪華ゲスト陣も見どころのひとつ。

 


◎『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(日21 フジ)
http://www.fujitv.co.jp/hope/index.html
韓国でブームになった連続ドラマ『ミセン-未生-』を原作とし日本の文化に合わせて翻案・リメイクしたものですが、主演が俳優として未知数のHey!Say!JUMP中島裕翔であることと、タイトルが全く響いてこないのとで、始まる前は文字通り「期待ゼロ」、期待度Cにランク付けしていました。

 

ところが、蓋を開けてみると、中島裕翔が、特別な知識や技量は持ちあわせないが誠実さとひたむきさと粘り強さとで仕事に真摯に向き合う「平凡な」新入社員の役にぴったりとはまっていて、すごく感情移入できるんですよね。


また、直属上司の遠藤憲一山内圭哉、同期入社の瀬戸康史山本美月桐山照史らもそれぞれ特徴を活かしたぴったりの役柄で、日曜の夜にリラックスした自然体で安心して見ることができます。

インターンから正社員となり、これからどうなりますやら…

 

 

◎『朝が来る』(土23:40 フジ)

http://tokai-tv.com/asagakuru/

→過去記事参照:『水族館ガール』『朝が来る』


 

◎『せいせいするほど、愛してる』(火22 TBS)
http://www.tbs.co.jp/seiseisuruhodo_love/
あのジュエリー・ブランド、ティファニーの広報部、そしてその顧客・マーケットとしてのきらびやかなセレブリティの世界を舞台にした不倫ものということで、私にとっては否定的な要素ばかり。
というわけで見る前は期待度Cにしていたのですが、何回か見るうちに期待度Bに格上げ
しかも実を言うと、トップに挙げた『好きな人がいること』よりも恋愛モノとしてこちらの方が面白いかも…。

 

何だろう、こちらの方がピュアな恋心を抱く主人公により自然な感情移入が可能なんですよね。
少なくとも全然「不倫もの」という感覚はありません。
まあ滝沢秀明演じる副社長の奥さんが意識不明で寝たきりでしかも離婚届を出す寸前での事故だったという背景があるんですけど、それだけが理由ではないだろうと思います。分析できていませんけど。

 

前から思っているのですが、武井咲は若いに似ず、かなりしたたかな役者さんですよね。
役者としての「感覚」が鋭くて、与えられた役柄をよく咀嚼し的確に演じ分けることができる役者さんという印象です。

 

 

◎『水族館ガール』(金22 NHK)

http://www.nhk.or.jp/drama10/suizokukan/

→過去記事参照:『水族館ガール』『朝が来る』

 

 

◎『そして誰もいなくなった』(日22:30 日テレ)
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/
ある日突然、お前はお前ではないと宣告され、社会から抹消され、居場所を失ってしまう。
なにやら安部公房の前衛小説を読んでいるような不条理な世界ですが、マイナンバーカードが現実のものになり、システムが何者かの手によって破られたり改変されたりするリスクが以前にも増して身近なものになりつつある昨今、この主人公のような災難は決して絵空事ではなく、いつ自分に降りかかってもおかしくないものとして、切実な気持ちでドラマの成り行きを見守っています。

 

身近な誰もが信頼できそうで、その誰もが実は自分を陥れている張本人かもしれないとも思えて疑心暗鬼に陥るのはドラマ中の主人公のみならず、視聴者とても同じこと。
元恋人のミムラ、学生時代の親友で総務省官僚の玉山鉄二、上司のヒロミをはじめとする登場人物が、通常のドラマであれば主人公に寄り添う善良で表裏のない役柄を演じることが多いのに、このドラマを見ていると誰もが怪しく思えてくるから不思議です。

 



◆期待度C (気になるが、とりあえず様子見)

 

◎『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(火22 フジ)
http://www.ktv.jp/on/index.html
事件ものは基本的に見ないのですが、これは精神病理的な見地からの興味で見ることに決めました。
「人を殺す者と殺さないものの境界はどこにあるのか?」
「自分は人を殺す者に属し、いずれは殺人を犯すのではないか? だとしたらその契機はどこに?」
主人公である新人刑事はこの問いの答えを知りたいがために刑事になり、事件に過剰なまでに首を突っ込みます。


作品の性格上、毎回、猟奇殺人・異常犯罪の血なまぐさい描写が出てきて、気の弱い私にはなかなか辛いのですが、頻繁に起こるバラバラ殺人事件とかフィッシュピックによる通り魔的メッタ刺し事件とか、つい最近では神奈川障害者施設殺人事件など、常軌を逸したような事件が毎日のように起こる昨今、フィクションとはいえ、とても興味深く見させてもらっています。

 

主演の波瑠は、普通のドラマよりこういった影のある役柄の方がずっと似合っていると思います。こういう役柄をこなせる数少ない若手女優としてとても貴重な存在だと思います。

 

 

◎『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』(金23 テレ朝)
http://www.tv-asahi.co.jp/gurame/
ドラマのねらいというか主題というか、どこに力を入れているかがいまひとつ不明なんです。
シェフとしての成長物語としては、修行の過程や出自や苦悩する姿の描き込みが足りないように感じるし、料理そのものを主眼としているようにも見えません。(原作のコミックについては読んでいないので分かりません)

 

料理にメッセージ性など要らないという守旧派の料理長(高橋一生)と、料理にとってメッセージは重要な要素と考える主人公(剛力彩芽)との料理対決というのがテーマといえばテーマなのでしょうが、やはり主人公がぽっと出の料理人に見えて、総理の新しい料理番として旧料理長と対等に競えるだけの技量とか蓄積とか引き出しの多さがあるようには見えないところが難点といえます。

 

と文句ばかり言いつつ、「剛力彩芽がんばれ!」、「高橋一生め生意気だな」とか「いい気味だ」とか言いながら毎週楽しみに見ているのですが(笑)

あと、エンディングでケツメイシの曲に合わせて踊る出演者のダンスは必見!

 


◎『営業部長 吉良奈津子』(木22 フジ)
http://www.fujitv.co.jp/kiranatsuko/index.html
ごめんなさい、松嶋菜々子の定番のキャリアウーマン的な役どころが何故か昔から苦手なんです。
何がそんなに鼻につくのか自分自身わからないでいるのですが。
でも一応毎回見ています。

 

 


◆期待度D (あまり期待しないが、とりあえず様子見)

 

◎『神の舌を持つ男』(金22 TBS)
http://www.tbs.co.jp/ranmaru_tbs/
最初は料理ものかと思いきや、舌で温泉や空気中の成分を嗅ぎ分ける能力を持つ若い男(向井理)とその同行男女(木村文乃佐藤二朗)が謎の温泉芸者を追って全国の温泉地を巡り、行く先々で事件に巻き込まれ、解決していく物語。
あの堤幸彦が演出をてがけるだけにギャグ・パロディ・オマージュ満載の堤ワールドが炸裂。

 

主人公が伝説の三助の孫でやはり祖父ばりの三助の技量の持ち主で、宿泊するお金を持ち合わせないため、行く先々で無料で三助をする代わりに宿泊させてもらうという設定で、毎週、向井理と若い娘達の入浴シーンで視聴者の目を楽しませ、2時間ドラマ好きの名探偵気取りの骨董品詐欺女・木村文乃や、何故か二人に随行する佐藤二朗とのずっこけコンビぶりで、会社帰りの疲れた心を解きほぐしてくれます。

 


◎『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』(金20 テレ東)
http://www.tv-tokyo.co.jp/yassan/
宿無し・職なし・無一文なのに食の達人という謎の男・ヤッさん(伊原剛志)とひょんなことでヤッさんに弟子入りすることになったタカオ(柄本佑)が築地や都内飲食店を舞台に繰り広げる人情料理活劇。
伊原剛志がやたらかっこいいんですよね。

 


◎『死幣』(水24:10 TBS)
http://www.tbs.co.jp/DeathCash/
SKE48の松井珠理奈が連続ドラマ初主演となるホラーサスペンス。
金に困った人の前に現れる万札の束。しかしこれに手を付けた者は誰もが不可解で残酷な死を迎える。
事件はいつも松井珠理奈の周辺で起こり、死はいつも彼女の目の前で実行され、彼女はそのたびに返り血を浴びる。アイドルにこんなことをさせていいのか?!
死に方がいつもグロいんですが、つい怖いもの見たさに見てしまいます。

 

 


◆期待度E (最初から脱落)

 

多数につき省略

 

 


■曜日別番組表

 

◆月曜~土曜日
◎朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(月-土8 NHK)

 

◆月曜日
◎『好きな人がいること』(月21 フジ)

 

◆火曜日
◎『せいせいするほど、愛してる』(火22 TBS)
◎『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(火22 フジ)
◎『闇金ウシジマくんSeason3』(火25:28 TBS)

 

◆水曜日
◎『刑事7人 第2シリーズ』(水21 テレ朝)
◎『家売るオンナ』(水22 日テレ)
◎『死幣』(水24:10 TBS)

 

◆木曜日
◎『女たちの特捜最前線』(木20 テレ朝)
◎『はじめまして、愛しています。』(木21 テレ朝)
◎『営業部長 吉良奈津子』(木22 フジ)
◎『遺産相続弁護士 柿崎真一』(木24 日テレ)

 

◆金曜日
◎『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』(金20 テレ東)

◎『水族館ガール』(金22 NHK)
◎『神の舌を持つ男』(金22 TBS)
◎『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』(金23 テレ朝)
◎『侠飯~おとこめし~』(金24 テレ東)

 

◆土曜日
◎『時をかける少女』(土21 日テレ)
◎『朝が来る』(土23:40 フジ)
◎『徳山大五郎を誰が殺したか?』(土24:20 テレ東)

 

◆日曜日
◎『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(日21 フジ)
◎『仰げば尊し』(日21 TBS)
◎『そして誰もいなくなった』(日22:30 日テレ)

 

 

以上です。

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

恒例のドラマ評をお送りします。

ただ今回はすでに「中間評」という形で多くを語り尽くした感があるので、内容的に被る部分があることをご承知おきください。

 

また、毎度お断りするように、ここで書く評価記事は、青春もの・純愛もの・感動モノ至上主義の私の独断と偏見の産物です。
事件ものとかエンタテインメント作品は多くの人からすると不当に低く評価していると思われるかもしれません。
視聴率とはほぼ確実に反比例します(苦笑)
 また、取り上げた作品は地上波に限定しています。

■総評

 

今クールは毎週わくわく楽しみにする作品が数多くありました。
特に私の好きな純愛モノが多かったのはうれしい限り。
ただ、いずれも甲乙つけがたい一方で、「これぞ」という図抜けた存在は残念ながらありませんでした。

というわけで、今回は「大賞」無しでもよかったのですが、甲乙つけがたい中なら無理やりひとつだけ「大賞」を選び、それ以外の優秀作品にはそれぞれに個別の賞名を付与することにしました。


■各賞発表

 

◆大賞

◎『ゆとりですがなにか』(日22 日テレ)

 

講評:
人気若手俳優の岡田将生松坂桃李柳楽優弥が三者三様のヘタレぶりで「ゆとり世代」の悲喜こもごもを面白おかしくかつリアルに演じて見せました。

何かと「ゆとり」を強調しながらも、決してよくある「vs 旧世代」という単純な対立構造に落とし込むのではなく、普遍的な個人と組織の問題や、互いに分かり合いたいと願っている者同士が結局分かり合えないもどかしさなど、誰もが現実の社会で向き合わされている問題を、主人公たちのヘタレぶりの中にうまく掬い取って相対化(客体視)し笑い飛ばすことで、視聴者にガス抜きさせてくれる、そんな作品だったと思います。

あまりにもリアルだと「現実世界でさんざん辛い思いをしているのに、ドラマの中で追体験なんかしたくないよ」となりがちですが、戯画化とリアルさ追求のさじ加減が絶妙でした。

 


◆優秀作品賞
〜予想外のピュアラブストーリーだったで賞
◎『世界一難しい恋』(水22 日テレ)

 

講評:
およそ恋愛ドラマとは無縁のように見える大野智が主役ということで、タイトルの「恋」は名ばかりでドタバタコメディーに違いないと踏んでいたのですが、豈図らんや、恋愛ベタな男のせつなすぎるピュアラブストーリーでした。
好きな女に気に入られようとジタバタする姿に図らずも感情移入し、最後まで自分のことのようにはらはらどきどきでした。


◆優秀作品賞
〜アラフォー中谷美紀が乙女かわゆすぎるで賞

◎『私 結婚できないんじゃなくてしないんです』

 (金22 TBS)

 

講評:
15年ぶりの主演となる中谷美紀が、プライドばかり高く男を寄せつけない「行き遅れ」女医を体当たり演技。
ちょうど阿部寛主演の『結婚できない男』と、上で挙げた『世界一難しい恋』の女主人公版、と言ったらいいでしょうか?
『世界一難しい恋』同様、社会的地位のあるアラフォーの美人女医らしからぬ、恋愛に対してまるで十代の少女のようにおろおろジタバタする姿が、嘲笑の対象としてではなく、むしろとても愛らしく、「おいおい、それじゃだめだよ!」「そうそう、もうひと押しがんばれ!」などとついつい応援している自分がいました。


◆優秀作品賞
〜コミック出版業界に興味津々だったで賞

◎『重版出来!』(火22 TBS)

 

講評:
ありそうでなかったコミック出版業界の内幕物。
新人作家と担当編集者の運命共同体的関係とか読者アンケートによる激烈な順位争い、売れっ子作家とアシスタントの関係、有望作家の引き抜き合戦といった比較的有名な業界ネタにとどまらず、出版社内部の部署間の「力学」や、営業と書店との関係などなど、興味深く見せさせていただきました。

夢を追いかける者のほんの一握りが獲得する栄光とほとんどの者が味わう挫折という普遍的な問題についてもあらためて考えさせてくれる作品でした。

また、<主人公を支える和服姿の似合う「昭和顔」の若妻>のイメージが強かった黒木華の新たな一面を開拓した作品としても評価できると思いました。


◆優秀作品賞
〜決してCDプロモ番組とは言わせなかったで賞

◎『ラヴソング』(月21 フジ)

 

講評:
児童養護施設出身で吃音が激しく、社会とうまく折り合いをつけられない女の子が、歌という表現手段を通して、自立し、恋をし、心を開いて、人間として成長していく物語。
これならできる、これなら人生を賭けられるというものをひとつ持つことができれば、人は一歩前に踏み出すことができるし、目の前の巨大な障害を超えようとする勇気も獲得できるということを再認識させてくれるドラマでした。

もちろん、随所に入る福山雅治藤原さくらのギターセッションも楽しみのひとつでしたよ。

これ、当初は当然主演は福山雅治だと思っていましたが、最後は藤原さくら演じるヒロインに振り回されて右往左往する単なる「おじさん」と化していましたね。もちろん良い意味で(笑)


◆優秀作品賞
〜ほっこりとする等身大ドラマだったで賞

◎『早子先生、結婚するって本当ですか?』
  (木22 フジ)

 

講評:
教育現場が舞台になるドラマは久しぶりの感じ。
といっても学校のドラマというよりは、日々の仕事に流されて漫然と生きている、特別な野心も燃えるような恋愛も無関係な「普通の」独身女性の物語でした。

ドラマは松下奈緒演じる早子先生の一人称の独白で進行するのですが、あえて低いトーンでの語り口と松下奈緒の持つ独特のサバサバした雰囲気が「普通の人」感をうまく醸し出していて、視聴者が登場人物を自分に重ねることを助けてくれました。

脇を固める尾藤イサオ松坂慶子、同僚の貫地谷しほり佐藤仁美八嶋智人ら、実力派俳優陣もそれぞれ持ち味を発揮して、ドラマの世界に安定感を与えてくれていました。

殺伐としたドラマとか逆にドタバタ喜劇が多いなか、ホッと息つけるドラマでした。


◆優秀作品賞
〜大人のピュア・ラブも素敵で賞

◎『コントレール』(金22 NHK)

 

講評:
通り魔に夫を殺された未亡人(石田ゆり子)が、行きずりのトラック運転手(井浦新)と運命的な出会いで恋に落ちますが、それが何と、夫を誤って死なせてしまった男だということが分かり…

脚本が大石静ということで、不倫、家庭崩壊、そしてドロドロ愛憎劇などという言葉が思い浮かびましたが、蓋を開けてみると、全くそうではなく、まさに「大人のピュア・ラブストーリー」という言葉がぴったりの作品に仕上がっていました。

主演の石田ゆり子井浦新も、始まる前は「少し弱いかな」と危惧していましたが、ともに透明感のある役者さんで、ナイス・キャスティングでした。

大人の「ロミオとジュリエット」と言ったらいいんでしょうか。
さすがに「大人」は心中を選ばず、社会良識の前に別れを選択しましたが…

 


◆優秀エンタテインメント賞
◎『火の粉』(土23 フジ)
◎『僕のヤバイ妻』(火22 フジ)

 

講評:
『火の粉』
善良な一家が隣人の魔の手にかかり、為す術もなく家庭崩壊していく様を描く心理サスペンス。
隣人のユースケ・サンタマリアが心象的には「真っ黒」なんですが、それでももしかしたら本当に「濡れ衣を着せられた善人」なのでは?という疑念も捨てきれないところが、ユースケ・サンタマリアの持ち味。何を考えているか分からない不気味な隣人役をやらせると相変わらずピカ一ですね。
ユースケ・サンタマリアの凍りついたような不気味な笑顔が最後まで私たちの心に冷水をぶっかけ続けました。

このドラマのユニークだったところは、最後に家族が一致団結するのですが、それがユースケ・サンタマリアを糾弾し打倒する方向に向かうのではなく、むしろユースケ・サンタマリアに寄り添い、魂の救済の方向に向かうところですね!

 

『僕のヤバイ妻』
伊藤英明演じる自分本位のダメ浮気男と、純粋に彼を愛するあまりに偽の誘拐事件やら何やらを仕組んで男の心を引き留めようとする妻(木村佳乃)、そして誰の味方か分からない浮気相手の女(相武紗季)、さらには隣家の偽装夫婦(キムラ緑子高橋一生)が複雑に絡み合って、視聴者を疑心暗鬼にさせ、真相の前に右往左往させられました。

終わってみると、それほど心に残らない内容だったのですが、とにかく毎回どんでん返しや新たな真実の発見の連続で、視聴者を飽きさせませんでした。

 


◆特別文化功労賞
◎『トットてれび』(土20 NHK)

 

講評:
作品そのものに対してというより、テレビ業界黒柳徹子に対する功労賞ということで…。

 


◆最優秀主演女優賞
◎藤原さくら(『ラヴソング』)
  次点:黒木華(『重版出来!』)
     松下奈緒(『早子先生、結婚するって本当ですか?』)
     中谷美紀(『私 結婚できないんじゃなくてしないんです』

 

講評:
見る前は、どうせ福山雅治のバーターか、新人プロモの一環だろうと高をくくっていましたが、蓋を開けてみると、吃音で世間にうまく順応できない児童養護施設出の少女の姿を、まさに本人がそうなのではないかと勘違いしそうなくらいにリアルに演じ切っていました。

しかも見た目の少女っぽさとは裏腹に、煙草が離せない結構荒々しい肉食系女子の役を、こんな迫真の演技をしては本業の歌手としてのイメージに傷がつくのでは?とこちらが心配してしまうほどの迫真の演技。あっぱれです!

 


◆最優秀主演男優賞
◎大野智(『世界一難しい恋』)
  次点:岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥(『ゆとりですがなにか』)

 

講評:
およそ恋愛ドラマとは無縁のように見える大野智がピュアな恋愛ドラマのヒロインを、しかも有名一流リゾートホテルチェーンを築き上げた経営者という役柄で見事に演じ切りました。
「ラブコメ」といってもどうせ「コメディ」ばかりの薄っぺらなラブストーリーになるに違いないと思っていたのですが、どうしてどうして、どっぷり感情移入させてもらいました。

 


◆最優秀助演女優賞
◆最優秀助演男優賞

 

講評:
ごめんなさい、今クールは誰が主演で誰が助演か、なかなか見分けがつきませんでした。
主演のはずの役者さんを助演で讃えてもなあ…ということで、今回はいずれの賞も「該当者なし」とさせていただきます。

 


◆優秀音楽賞
◎藤原さくら「soup(『ラヴソング』)
◎chay「それでしあわせ『早子先生、結婚するって本当ですか?』
◎感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ(『ゆとりですがなにか』)

 


◆残念ながら選から漏れた候補作品

 

◎『お迎えです。』(土21 日テレ)
◎『99.9』(日21 TBS)
◎『ドクターカー』(木24 日テレ)
◎『OUR HOUSE』(日21 フジ)
◎『毒島ゆり子のせきらら日記』(水24 TBS)
◎『ディアスポリス』(火25)
◎『ドクター調査班』(金20 テレ東)
◎『不機嫌な果実』(金23 テレ朝)
◎『ナイトヒーローNAOTO』(金24 テレ東)


以上です。

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

5月末の平日金曜日に、東京・六本木(乃木坂)にある国立新美術館で開催中の『ルノワール展』に行ってきましたのでご報告します。

 

 

・名称  :オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵

      ルノワール展

・会場  :国立新美術館(東京・六本木)
・会期  :2016年4月27日(水)―2016年8月22日(月)  
・開館時間:10時~18時(入場は閉館30分前まで)

      毎週金曜日は~20:00(入場は~19:30)

      ※ただし以下は20時まで。  

       毎金曜日、8月6日、13日、20日
・休館日 :火曜日

      ※ただし5月3日(火)、8月16日(火)は開館。

・料金  :一般 1,600円 大学生 1,200円 

      高校生 800円 中学生以下 無料 

 

公式サイト

 

 

■本展覧会の趣旨と目玉

 

日本人は、いや日本人にかぎらずですが、西洋絵画といえば、印象派の人気が絶大ですよね。

そんな印象派の中でも特に人気が高いのがルノワールモネです。

とりわけルノワールは、難解な抽象性に陥ることなく、心温まるような穏やかな作風で、身近な女性や子どもや自然の風景を描くことで、一般の絵画愛好家に広く親しまれています。

 

本展は、その長いタイトルを見れば分かる通り、世界でも有数のルノワール・コレクションを誇るオルセー美術館オランジュリー美術館から100点以上もの絵画・彫刻・デッサン・パステルなどを集め、初期から最晩年までのルノワールの足跡をたどります。

 

目玉としては初来日の2点

ひとつは、印象派時代の最高傑作として名高い『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』。

もうひとつは死の直前に描いた最晩年の知られざる大作『浴女たち』。

 

また『都会のダンス』と『田舎のダンス』が45年ぶりに揃って来日。

 

 

■当日の混み具合

 

5月下旬の平日金曜日16時に乃木坂に到着。

同日は上野の西洋美術館では伊勢志摩サミットの警戒で手荷物検査やらX線検査をやらされていましたが、ここでは何もなくすんなりと入場できました。

 

「ルノワール」というビッグネームにしてはそれほど混んでなくて、何重にも列ができたり、滞留してイライラしたりということはほぼありませんでした。

比較的すいている金曜日で、会期が4ヶ月と長く、まだ始まって間もなくテレビなどでもほとんど紹介されていなかったというのがその理由だと思います。

 

 

■ルノワールについて

 

◇印象派を中心としたルノワールを巡る年表

 

ピエール・ オーギュスト・ ルノワール(1841-1919)は、仕立屋の家庭に生まれ、幼い頃から画才は認められていたものの、本格的な画家としてのスタートはそんなに早くありません。

13歳で磁器工場の徒弟生活に入り、磁器の絵付け職人を目指しますが挫折。

20歳のときにシャルル・グレールの画塾(私設アトリエ)に入って本格的に絵画を学び始め、翌年に国立美術学校に入学しています。入学時の成績は80名中68番だったそうです。

 

グレールの画塾では、同年代のライバルであり友であり印象派の同志となるシスレーモネバジールらとの出会いと交流があり、後の画業を決定づけることになります。

グレールは生徒に自分の作風を強要せず、自由に個性を伸ばす指導方針だったので、アカデミックな美術教育にあきたらない画家の卵たちが彼のアトリエに多く集まるようになったようです。

 

20代のルノワールや他の「将来の」印象派画家たちは、当初はなかなか芽を出せず、官展(サロン)に応募しては落選を繰り返し、作品で生計を立てるのはきわめて困難だったようです。

とりわけ審査の厳しかった1867年、パリ万国博覧会の年のサロンでは揃って落選し、マネバジールモネシスレーピサロセザンヌらとともに「落選者のサロン」の開催を求める嘆願書に署名しましたが受け入れられませんでした。

 

1870年代に入り、ルノワールが30歳を過ぎてから、後の印象派と呼ばれるようになるグループが集い、さまざまな実験的な試みを重ね、1874年ついに第1回印象派展が開催されます。

 

第1回印象派展は賛否両論を巻き起こしましたが、否定的な見方が大半だったようです。

それでも彼らはめげず、毎年のように印象派展を開催します。

並行してサロンにも応募していますが、やはり彼らの作品は当時のアカデミズムには受け入れられず、落選の憂き目を見ることが多かったようで、その発表の場、不満のはけ口として、印象派展は重要だったのでしょう。

 

ルノワールは第8回まで開催された印象派展の第1回(1874年)、第2回(76年)、

第3回(77年)と第7回(82年)の4回に出品しています。

 

ルノワールは「印象派」の代表的な画家と評されますが、印象派の作風を自分の画業の究極形とか完成形などとは考えておらず、あくまで自分の描きたいものを効果的に描くための有用なツールのひとつであり通過点として、作風を変化させていきました。

初期の1860年代、印象派まっただ中の1870年代、印象派後の1880~90年代、後期~晩年の1900年代以降といったように。

 

上の年表を見ると分かるように、印象派の画家たちはほぼ同年代の生まれですが、ルノワールはその中でもモネに次いで長生きした画家で、多くの画友たちの死を目にしながら、よりよい作品を生み出すための探求を続けていきました。

 

 

■寸評

 

本展は以下のような構成で展示がなされていました。

年代順に並んでいるわけではないので注意が必要。

 

1章 印象派へ向かって

2章 「私は人物画家だ」: 肖像画の制作

3章 「風景画家の 手技(メチエ)」

4章 “現代生活”を描く

5章 「絵の労働者」: ルノワールのデッサン

6章 子どもたち

7章 「花の絵のように美しい」

8章 《ピアノを弾く少女たち》の周辺

9章 身近な人たちの絵と肖像画

10章 裸婦、「芸術に不可欠な形式のひとつ」

 

 

以下、この構成にしたがって、ごく簡単に感想を述べていきたいと思います。

ただし、各章の中での順番は実際には必ずしも年代順に並んでいませんが、ここではあえて各章の中に限り年代順に並べ直して掲載することにします。

 

なにぶん美術愛好家でも何でもなく、ただの門外漢のおっさんなので、もしかしたらお門違いのコメントをしてしまうかもしれませんが、それもご愛敬ということで…

 

 

◆1章 印象派へ向かって

 

 

《猫と少年》 

1868年、油彩・カンヴァス、123x66cm、オルセー美術館

 

この《猫と少年》は、1868年、27歳のころの作品です。

ルノワールにしては珍しい男性裸体像で、歴史や神話的な文脈からの脱却、最小限の陰影による描写など、先輩画家であるクールベ(1819-1877)やマネ(1832-1883)らの影響が見られる一方で、まだ印象派の手法は顕著でなく、どちらかというと写実的な性格が強く見られます。

 

 

《陽光のなかの裸婦(エチュード、トルソ、光の効果)》

1876年頃、油彩・カンヴァス、81x65cm、オルセー美術館

 

うって代わって、この《陽光のなかの裸婦(エチュード、トルソ、光の効果)》という作品は、それから8年ほど経った1876年の第2回印象派展に出品された作品です。

つまり、ルノワールがばりばりの印象派画家として表舞台に立ったころの作品です。

 

印象派の特徴を敢えて強調した挑戦的な作品といえるでしょうか。

「エチュード(習作)」という言葉をタイトルに敢えて付け足したのも、印象派の手法に対する理不尽な批判・こき下ろし・条件反射的な反発に対する予防線を張る意味があったのかもしれません。

 

木陰に佇む裸婦の肌にところどころ落ちる木洩れ陽の光。

影に覆われた肌は灰色や黒ではなく、本来の肌色に緑や紫が混ざった複雑で微妙な色合いと質感として表現されています。

現代的な視点あるいは創作したことのない素人の目からは当り前のようにも見えますが、これは決して当り前の描き方ではなかったのですね。

 

これを当時の批判的な評論家は「死体が完全に腐敗した状態を示すような、緑と紫の色斑による肉の寄せ集め」(ル・フィガロ紙) やら「腐敗した肉体の紫がかった色調によって、われわれを悲しい気持ちにさせる裸婦の大きなエチュード」(ル・コンスティテューショネル紙)などと揶揄したそうです。

 

はっきりいうと、私も似たような感想を持ちました。(ぺこり)

 

 

 

◆2章 「私は人物画家だ」:肖像画の制作

 

彼は若い頃から自らを「人物画家」と自負していたそうです。

とりわけその柔らかい筆致は、女性や子どもの肖像画において、人々を魅了して来ました。

 

《ダラス夫人》 

1868年頃、油彩・カンヴァス、48x40cm、オルセー美術館

 

この作品《ダラス夫人》は、《猫と少年》と同じ時期に描かれた若書きの作品ですが、ルノワールの魅力的な人物造形がすでにここにもほの見える気がします。
彼の描く女性はとてもエレガントで聡明な感じがいいですよね。

 

 

《読書する少女》 

1874-1876年、油彩・カンヴァス、46.5x38.5cm、オルセー美術館

 

この作品《読書する少女》は、第1回~第2回印象派展のころの作品で、印象派の手法の実験的な試みが前面に押し出されていて、個人的にはあまり好きな作品ではありませんが、ルノワールや印象派を語る上では貴重な史料なのでしょうね。

 

 

 

クロード・モネ(1840-1926)

1875年、油彩・カンヴァス、84x60.5cm、オルセー美術館

 

クロード・モネとは20歳のころ、グレールの画塾で出会い、生涯を友としてライバルとして尊敬し合い切磋琢磨し合う間柄になりました。

1869年ごろにはしばしばモネに誘われ野外に出て、河川敷や河港の風景をスケッチして回り、川面に反射する光の描写について二人であれこれ探求したようです。

その後も事あるごとに、二人はお互いの家に行き来してはスケッチ旅行などして、印象派の技法を深めていきました。

 

上の作品《クロード・モネ》は、第2回印象派展に出品された18点のうちのひとつで、モネの新居に訪問した際に描いたもので、私のお気に入りの作品のひとつです。

印象派の作品として極端に走らず、ちょうどいい塩梅に技法を組み合わせて描画している感じがします。

 

 

 

下の作品《ポーラ・ベラール夫人の肖像》は、それから4年後の作品ですが、この作品も上のモネを描いた作品と同様、よく抑制のきいた落ち着いた雰囲気の作品で、やはり私のお気に入りの肖像画です。

技法とか作風がどうのこうのというより、作品の中に生きているこの女性そのものがとても魅力的なんですよね。

 

ポーラ・ベラール夫人の肖像

1879年、油彩・カンヴァス、49.5x40cm、オルセー美術館(ディエップ市立美術館寄託)

 

 

 

◆3章 「風景画家の 手技(メチエ)」

 

ルノワールといえば人物画、肖像画というのがいわば決まり文句ですが、私はむしろ風景画の方が好きだったりします。

今回展示された作品の中では特に下の2つの作品がお気に入りです。

 

 

《イギリス種の梨の木》 

1873年頃、油彩・カンヴァス、66.5x81.5cm、オルセー美術館

 

この作品は、ちょうど2年前に同じ国立新美術館で開催された「オルセー美術館展」でも展示されていて、そのときも当ブログでお気に入りとして取り上げました。

何でもない風景なんですが、じりじりと夏の太陽の照りつける草原(畑)に立つ梨の木の、鬱蒼と茂った葉が、心地よい風にそよいで草むらや自分自身にゆらゆらと陰影を落とすさまを見事に描写していて、写実ではないリアルさをひしひしと感じさせてくれます。

技法的に見ると、葉や樹の幹の細部まで緻密に描いている部分と、いかにも印象派らしくぼやかして描いていいる部分とが意識的に書き分けられていて、そのバランスが絶妙なんですよね。

 

 

 

《草原の坂道》 

1875年頃、油彩・カンヴァス、60x74cm、オルセー美術館

 

上の作品《草原の坂道》は今回初めて見ましたが、これもとても印象に残る作品です。

ルノワールの優しさに溢れる人物画をそのまま風景画にしたらこんな感じになるんだろうなというような作品ですね。

自分の幼いころを思い出すようなこのノスタルジックな感覚は万国共通なんでしょうか。

 

構図が抜群ですね。

中央を貫く小径をこちらに向かって歩いてくる幼子と日傘を差した母親とみられる女性、ずっと後方にはやはり日傘を差した男女の小さな影。

手前には散策の目的地と思しき家屋の垣根か門扉のほんの一部がさりげなく描かれ、

これらが形作る遠近法のもとで、草原を彩る美しい木々や色とりどりの草花が、散策者たちのこの幸せなひとときを祝福しているようです。

 

彼は生前「風景なら、その中を散歩したいと思わせるような絵が好きだ」と語ったそうです。まさにそんな思いを体現したような作品ですね。

 

 

 

◆4章 “現代生活”を描く

 

印象派は作画の技術の面だけでなく、当時の最先端の「モード」、新しい生き方をする都会の人々の活気を積極的に描き出そうとした点でも、時代を先取りしたものだったようです。

 

 

《ぶらんこ》 

1876年、油彩・カンヴァス、92x73cm、オルセー美術館

 

上の作品《ぶらんこ》は、第3回印象派展に出品され、大きな反響を呼んだ作品で、現在でもよくルノワールの、いや印象派の代表作のひとつに数えられます。

時期的にも技法的にも、先に紹介した《陽光のなかの裸婦》と重なる部分がありますね。

当然、同じような批判があったようです。

曰く「陽光の効果があまりに奇妙な感じに組み合わされているので、人間の衣服にちょうど脂の染みのような効果を作り出している」(批評家ルイ・ルロワ)

 

この作品や下の《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》のような作品で、当時の新しい生き方・暮らし方・遊び方を取り入れた都会人の幸せに満ちた様子を切り取って再構成してみせることによって、印象派は、稚拙な若者たちの単なる奇をてらった技法から、現代社会のありようをより的確に表現するための新しい魅力的な道具立てへと、次第にその評価を変え、人々に受け入れられるようになっていったのでしょう。

 

 

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会

1876年、油彩・カンヴァス、131.5x176.5cm、オルセー美術館

 

初来日を果たしたルノワールの代表作と評されるこの《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》《ぶらんこ》とともに第3回印象派展に出品され、好評を博しました。

ルノワールの作品としてはかなり大きな部類に属し、ひとつのコーナーを独占する形で展示されていました。

ネットや本で見るのと実物を見るのとで大違いの作品はよくありますが、この作品もそうですね。

柔らかくぼんやりしたタッチでいかにも印象派らしい作品ですが、細部は他の小品同様、ひとつひとつ緻密に描き込まれていて、作品全体から押し寄せるルノワールの集中力と気迫に圧倒されます。

雑踏の中で人々がざわざわと談笑する声がいままさに聞こえてくるような感覚を覚えるこのリアルさはどこから来るのでしょうか?

 

 

 

《アルフォンシーヌ・フルネーズ》 

1979年、油彩・カンヴァス、73.5x93cm、オルセー美術館

 

上の作品《アルフォンシーヌ・フルネーズ》は、いかにもルノワールらしい作品です。

「フルネーズ」とは、パリ郊外のシャトゥー島にあるレストランの名前で、ルノワールを始め、印象派の画家たちが好んで訪れたので「印象派の島」として今でも有名です。

この作品で描かれている女性はこのレストランの娘アルフォンシーヌです。

 

本展では展示されていませんが、ルノワールの代表作のひとつ《舟遊びをする人々の昼食》はまさにこのレストランの風景を描いたもので、そこにもこのアルフォンシーヌが登場しています。

ちなみにルノワールが愛妻アリーヌ・シャリゴに初めて逢ったのもこのレストランで、《舟遊びをする人々の昼食》にはそのときの愛妻の姿も描かれています。

 

おっと、話が逸れまくってしまいました。

 

 

 

ベルト・モリゾ《舞踏会の装いをした若い女性》

1879年、油彩・カンヴァス、71.5x54cm、オルセー美術館 

 

上の《舞踏会の装いをした若い女性》はルノワールの作品ではありません。

印象派の同志、同い年の女性画家ベルト・モリゾの作品です。

 

同じ印象派の画家の描く女性像とルノワールの描く女性像の違いとして比較すると面白いかもしれません。

ルノワールの描く女性はたいてい柔和でふくよかな笑顔の印象がありますが、モリゾが描いたこの女性は、初めての舞踏会で戸惑いながらも社交界という新たな世界への期待に胸膨らませる少女なのか、あるいはもっと象徴的に、画家という新たな世界に飛び出そうとした若き日の自分なのか? 眼光鋭く、不安と強い意志の入り混じった、きりりと締まった聡明な顔立ちをしています。

 

ただ、誤解のないように断っておくと、モリゾはもっぱらこのようなタイプの女性を描いたわけではありません。

むしろルノワールと同様に、田園の風景や穏やかな表情を浮かべた母子の微笑ましい情景などを好んで描きました。

そういう意味でこの作品はモリゾの作品の中でも異質です。

面白いのは、このモデルの容姿がモリゾ当人によく似ている点です。

モデルは不明ですが、舞踏会で見かけた少女に、未来に向かって夢を追っていた自分の若いころの姿を重ねあわせたのかもしれません。

 

ちなみにこの作品は第5回印象派展に出品され、批評家からも上々の評価を得、すぐに買い取られ、1894年にはリュクサンブール美術館のために国家に買い上げられたとのこと。

 

モリゾはとても興味深い女性です。

貴族の家柄に生まれ、カフェに立ち入るどころか一人で外出することさえ不謹慎と言われ、いわんや画家になるなどもってのほかとされた当時にあって、画家を志し、貴族でない家に嫁ぎ、生涯画家であることを貫きました。

彼女はエドゥアール・マネに見出され、マネの作品のモデルになるとともに、画家としてマネに師事し、早くからサロンに入選するなど頭角を現します。

その後、マネとの男女の間柄も囁かれながら、マネの弟と結婚し、一女を産み育てつつ画家として精力的に活動しました。

夫に先立たれた後、ひとりで一人娘のジュリーを育てましたが、ジュリーが17歳のとき肺炎で死去します。

ルノワールドガと詩人のマラルメは、孤児になったジュリーの後見人となり、ジュリーはその後、画家となりました。

 

おっと、また脱線してしまいました。

モリゾについてはまた別の機会に取り上げたいと思います。

 

 

 

田舎のダンス》 

1883年、油彩・カンヴァス、180.3x90cm、オルセー美術館

 

《都会のダンス》 

1883年、油彩・カンヴァス、179.7x89.1cm、オルセー美術館

 

45年ぶりに揃って来日したこの2つの作品は同時期に描かれており、サイズもほぼ同じことから、もともと対になるものと考えられます。

ちなみに同時期に《ブージヴァルのダンス》という作品も描かれており、これらを合わせて「ダンス3部作」と呼ばれますが、今回は2作品のみの展示となっています。

 

《田舎のダンス》は戸外を舞台にいかにも庶民的な穏やかで暖かい雰囲気に満ちているのに対して、《都会のダンス》のほうは大理石のある優雅な室内を舞台にタキシードとシルクのドレスで決めた、いかにも上流階級の若い男女がドキドキしながら踊っている姿が寒色系の色使いで巧みに表現されています。

なお、《田舎のダンス》でこちらを向いている女性がルノワールの夫人となるアリーヌ・シャリゴです。

 

1870年代末から80年代になると、印象派の手法にこだわり続けることに限界と疑問を感じていたルノワールは、印象派という殻にとどまらず、よりよい高みを目指して古今の、あるいは新たなさまざまな技法を試みます。

1881年のイタリア旅行でラファエロのフレスコ画など古典にあらためて触れることでその思いは確信に変わったのかもしれません。

 

1983年に描かれたこの2つのダンスの絵にもあきらかにその頃の印象派からの脱皮の試みの跡が見て取れます。

それまでの作品がどちらかというと輪郭をぼやかして背景に溶け込んでいく傾向が強かったのに対して、これらの作品では、人物の輪郭ははっきりしており、背景から明確に浮き上がって見えるように描かれています。

 

 

 

◆5章 「絵の労働者」:ルノワールのデッサン

 

省略

 

 

 

◆6章 子どもたち

 

《手を組んで座るブルネットの少女の肖像》

1879年、パステル・紙、61x48cm、オルセー美術館

 

ルノワールはパステル画をほとんど残していないのですが、この《手を組んで座るブルネットの少女の肖像》はその数少ない作品のひとつです。

私は絵を描くということに関して全くの素人ですが、これを見て、「職人」としての確かな技術に裏打ちされているからこそのあの名画の数々なのだということを大いに実感しました。

 

 

 

《ジュリー・マネ あるいは 猫を抱く子ども》 

1887年、油彩・カンヴァス、65.5x53.5cm、オルセー美術館

 

ジュリー・マネは先ほど出てきましたね。

印象派の画家エドゥアール・マネの弟であるウジューヌ・マネと、同じく印象派の女性画家ベルト・モリゾの一人娘です。

 

この作品はモリゾが当時9歳のジュリーの肖像画を古くからの友人であるルノワールに発注したもので、ルノワールのこの作品にかけた熱意は並々ならぬものだったと想像できます。

 

ルノワールらしい作品ですが、往時の「印象派」べったりの作風は超克され、ここにルノワールが到達したある種の完成形を感じるのは私だけではないでしょう。 

ジュリーの落ち着いた透明な愛らしさ、暖かい家庭の温もりを感じさせる赤系統にまとめられた背景、ジュリーと子猫との関係性…。

抱きかかえられた子猫の表情が何とも言えず良いですね。

 

この作品はジュリーのお気に入りで、ジュリーが亡くなるまでずっと手元に置かれていたそうです。その気持ち、よく分かります。

 

  

 

《ガブリエルとジャン》 

1895年、油彩・カンヴァス、63x54cm、オランジュリー美術館、ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム・コレクション

 

ジャンはルノワールの2人目の息子で、ガブリエルは妻の従妹でジャンの世話するためにルノワールの家庭に入っていたそうです。

一見、ピザの表面の溶けたチーズをいじっているようにも見えますが、2人が持っているのはおもちゃなのだそうです(笑)

それにしてもやはり何て微笑ましい情景でしょう。

 

 

 

《道化師(ココの肖像)》 

クリード・ルノワール(1901-1969)、画家の息子

1909年、油彩・カンヴァス、120x77cm、オランジュリー美術館、ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム・コレクション

 

「ココ」とはルノワールの三男クロードの愛称です。

クロードに道化師の格好をさせて描いた一枚です。

後にクロード本人が回想したところによると、白いタイツがチクチクして履くのを嫌がったクロードにルノワールが無理やり履かせて仕上げたとのこと。

我が子を愛する親バカぶりが目に浮かぶようです。 

 

 

上の何枚かの絵もそうですが、1880年代以降の作品は、それ以前の作品と雰囲気が大きく変わっています。

一番分かりやすいのは、その色使い。

それまでは青や緑など寒色系の色使いがもっぱらだったのに対し、後年は赤や黄色など暖色系を好んで使うようになります。

記事の中でこうやって作成年順に並べてみると、一目瞭然で興味深いですね。

 

 

◆7章 「花の絵のように美しい」

 

 省略

 

 

 

◆8章 《ピアノを弾く少女たち》の周辺

 

 

《ピアノを弾く少女たち》 

1892年、油彩・カンヴァス、116x90cm、オルセー美術館

 

この作品もいろいろなところで見かけるルノワールの円熟期の代表作のひとつですね。

この手の題材はルノワールの面目躍如たるところで、ルノワール自身も好んで描いたようです。

 

この作品は1892年にリュクサンブール美術館が購入した最初の印象派の絵画であり、当初から好意的に受け入れられていたことが分かります。

美術館は当初、印象派の作品の中でも最も印象派らしい作品を望んでいたようですが、結果的にこの作品に落ち着いたとのこと。

すでに「典型的な印象派の作品」というにはルノワールは先を行き過ぎていますが、この作品の完成度には代え難かったのでしょうね。

 

 

 

《ピアノを弾くヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》 

1897-1898年頃、油彩・カンヴァス、73x92cm、オランジュリー美術館、、ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム・コレクション

 

上の《ピアノを弾く少女たち》から5年後の作品です。

似たような構図ですが、少し雰囲気が異なって、より古典的な趣を感じます。

モデルはルノワールの友人で人気画家のアンリ・ルロルの娘姉妹です。

ルロルは美術品収集家でもあり、背後の壁に掛けられているのはドガの踊り子と競馬の絵ですね。それをルノワールの手で(一部とはいえ)再描画しているのが面白いですね。

ルロルにぜひ背景に入れてくれと頼まれたのだろうか?などと憶測したりしましたが、この作品はずっとルノワールの手元に置かれていたのだそうで、どういう動機からこの作品が生まれたのかは不明です。

 

 

 

◆9章 身近な人たちの絵と肖像画

 

 

《座る娘》 

1909年、油彩・カンヴァス、65.5x55.5cm、オルセー美術館

 

ルノワールはいわゆる職業モデルを好まなかったそうです。

意図的・作為的に作られたポーズではなく、自然なしぐさや表情の一瞬一瞬をこそ描きたかったからでしょう。

この女性もたまたま街で見かけた郵便配達員の婚約者で、モデルとして恋人の許可が得られず苦労したというエピソードが残されています。

いろいろな条件を飲んだ中でも「ヌードは描かない」という条件は(相手がルノワールだけに)必須の条件だったようです。宜なるかな!

 

それにしても、無造作にさっと引かれたような細かい線の集合体によって、白い服のなめらかで光沢があり、そして肌がほのかに透けて見えるさまを、あたかも目の前で見ているかのようなリアルな質感で描き出す技術は驚嘆の極み。

 

 

 

◆10章 裸婦、「芸術に不可欠な形式のひとつ」

 

裸婦そのものは1960年代からも描いていましたが、晩年になると、さらに熱心に描くようになりました。

いずれも比較的ふくよかな体躯をしていて、ルノワールの好みだったんですかね?

そういえば妻のアリーヌもどちらかというとふっくらとしていましたね。

 

 

《浴女たち》 

1918-1919年、油彩・カンヴァス、110x160cm、オルセー美術館

 

この作品は死の前年から直前まで数カ月を費やして描き上げたルノワールの集大成ともいえる大作です。

個人的には魅力を感じませんが、病の中で死を身近に感じながらの、この生命力と情熱といったら!!

 

印象派として画壇を席巻し、そこにとどまらずに長年研鑽を重ね、そして辿り着いた果てで描いたのが、古典的な、宗教画や中世絵画のような、天国か楽園の風景にも似た理想化された世界だったことが、何とも感慨深く、彼の80年近くの生涯にしみじみと思いを馳せることのできる展覧会でした。

 

最後にルノワール本人のお言葉と敬愛する作家評で締めくくりたいと思います。

 

ー 私にとって絵とは、好ましく、楽しく、きれいなもの…そう、きれいなものでなければならない!

ー 人生には不愉快なことがたくさんある。だからこれ以上、不愉快なものをつくる必要なんかないんだ。 by ルノワール

 

ー 悲しい絵を描かなかった唯一の偉大な画家  by O.ミルボー

 

以上です。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

4月期のTVドラマもほぼ最終回を迎えつつありますが、早めに終了した番組の後番組もいくつか始まっています。

 

4月期として取り上げられず、次の7月期ドラマとしても取り上げられない端境期のドラマになってしまいそうですが、なかなか面白そうなので、ここで取り上げておきます。

 

以下の2つのドラマです。

 

・『水族館ガール』(NHK総合・火22:00) 6/17~
・『朝が来る』(フジテレビ系・土11:40) 6/4~

 


◎『水族館ガール』(NHK総合・火22:00)全7話

 

 

いわゆる「ドラマ10」枠で、大人の純愛ストーリーとして好評を得た『コントレール』の後番組になります。

 

総合商社から左遷で子会社の水族館に出向させられてきた冴えないOL(松岡茉優)が、本気で水族館の動物たちや飼育員たちと向き合い成長していく物語。

松岡茉優は女優として飛び抜けたオーラは感じませんが、こういった自信も誇りも責任感も欠けた現代っ子が崖っぷちに立たされて、職業人として一念発起し、がむしゃらに頑張って成長を遂げていくような作品には、相変わらずドンピシャ、ハマり役といえますね!

 

ちょっと心配なのが、主人公があまりにも簡単に自分の道をみつけることができる「ご都合主義」に陥らないか?という点。

松岡茉優は親しみやすいというか、わりとお調子者的なイメージが強いので、あまりにも簡単にハードルを乗り越えてしまうと、視聴者に共感どころか「現実はそんなに甘くない」とか「結局限られた天才の話かよ」といった反感を招く危険性があります。

初回から、気難しいC1(イルカの名前)がずっと封印していた「C1ジャンプ」を主人公の目の前で見事に演じてしまったので、一挙に心配になってしまいました。

 

共演は、お相手の水族館員に桐谷健太、同僚の水族館員に内田朝陽澤部佑西田尚美石丸幹二、水族館館長に伊東四朗、主人公の両親役に山西惇戸田恵子など。

 

梅雨のジメジメした憂鬱さを吹き飛ばし、初夏の爽やかさを思いっきり感じさせてくれる作品に仕上がっています。

 


◎『朝が来る』(フジテレビ系・土23:40)

 

 

辻村深月の同名小説のドラマ化。


中学生のときに産んだ子どもを特別養子縁組で他人に譲り渡した少女(川島海荷)。
不妊治療の末、出産を諦め、その男児をもらい受け、実子のように育ててきた夫婦(安田成美田中直樹<ココリコ>)。


数年後、少女が居場所を失い、窃盗を犯し、会ってはならない我が子に会いに来て、それまで幸せに暮らしていた家庭に波紋が広がり…。

 

16年ぶりのドラマ主演となる安田成美のあのおっとりと透明感あふれる演技は健在。


しかし唯一の、そして最大の不安材料は、制作があのフジテレビ系昼ドラドロドロ愛憎劇で有名な東海テレビだということ。

いや、東海テレビさんが悪いということではなく、この番組が昼ドラ的な性格をどんどん強めていくことへのごく個人的な警戒心です。

 

フジテレビ系昼ドラは今年2016年の3月末をもってその長い歴史を終えましたが、それが形を変えてこの時間帯に移ってきたとすると、これから主人公夫婦や実母の少女のたどる運命がこれでもかこれでもかというほど悲惨なものになりそうで…。

すでに第3話まで放送されていますが、その傾向が出てきていますよね。

 

実を言うと、原作の小説は読んでいないものの、その書評はいくつか読んでいて、主人公たちがどんどんわるい方向に落ち込んでいって、ラストも救われたようには見えないことへの賛否両論がかなり巻き上がっているのを知っているので、なおさら不安なのです。

 

せっかくのTVドラマ化なので、いい意味で脚色して、ぜひ生きていてよかったと思えるような前向きの作品に仕上げてほしいものと願っています。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

5月末の平日の夜に、ホテル椿山荘東京の庭園を訪れて、ホタルを観賞してきました。

 

椿山荘といえば、セレブや著名人が結婚する結婚式場として有名な、ちょっと敷居の高いホテル。
ここの庭園にホタルが自生していて、毎年この時期になると、ホタルが美しく飛び回る姿を見せてくれます。

しかも料金は無料なんです! 椿山荘さんったら、太っ腹~!!

 

ホテル椿山荘東京HP  庭園  庭園マップ

 

ホタルが最もよく観賞できる時期は5月下旬から6月いっぱいにかけて。

無数のホタルが飛翔する姿を見たければ、風のない晴れた日が最適。

雨の日はあまり飛びませんが、発光はするので、そこそこ美しい姿を見ることはできるようです。

また室内にビオトープも用意されていて、雨に濡れずにホタルを見ることができます。

最適な時間帯は、完全に日没しきって真暗になる午後8時以降。

 

 

◆アクセスは裏門(冠木門)がおすすめ

 

最寄り駅は地下鉄有楽町線の江戸川橋。

東西線の早稲田から行けないこともありませんが。

江戸川橋からは徒歩10分程度です。

 

「だけど天下の椿山荘は敷居が高いなあ」と思っているあなた。

確かに正面玄関から入って庭園まで降りていくのは気後れしますね。

 

しかし安心してください。

裏門にあたる冠木門(かぶきもん)から入れば、バツの悪さを一切感じることはありませんよ。

 

しかも正面玄関だと駅から上り坂をずっと登る必要がありますが、裏からなら神田川沿いの平坦なお散歩コースを歩いていけます。

椿山荘の建物が崖の上にあって、庭園が崖の下(斜面)に広がっているので、このようなことになっています。

ただし、遊歩道は暗く人通りもまばらなので、夜間の女性の一人歩きは注意が必要かもしれません。

また水辺なので蚊が跳んでいる可能性があるのと、暑い日は神田川のドブの臭いが気になる時があるかもしれません。

 

 

 

 

遊歩道を10分ほど歩くと、冠木門に辿り着きます。

 

 

 

入り口脇にパンフレットなど置いてあります。

もちろん無料で自由に出入りできます。

開門時間は午前10時から午後9:30まで。

 

 

◆暗くなるまで庭園を散策

 


門を入ると、きちんと手入れされた広大な日本庭園が広がっています。

三重塔「圓通閣」や茶室「残月」など国の登録有形文化財に指定されている史跡や、神社、石碑など多数のモニュメント、料亭・蕎麦処などが点在し、ここがホテル内とはとても思えません。

 

 

秋の紅葉も、さぞ素敵なんでしょうね!

 

山道のベンチから三重塔を臨む

 

三重塔の丘からチャペルを見下ろす

 

チャペルの脇には滝が音を立てて流れ落ちています。

この滝の裏側に小さなビオトープがあり、雨の日でもホタルを観察することができます。

 

庭園を縦断する広大な池の端からチャペルとホテルを臨む


まだ明るいですが、すでに庭園全体がライトアップ!

 

三重塔も見事にライトアップ

 

近くに寄るとこれまた幻想的です。

 

 

◆幻想的なホタルの舞いに感動!

 

辺りが真っ暗になるのは午後8時ごろ。

ホテル下のほたる沢に弁慶橋というおしゃれな橋がかかっており、そこがホタルの観察スポットになっています。

到着するとすでに多くの人が集まって歓声を上げていました。

まだ5月と、早い時期だったので、それほど混雑もせず、橋の欄干に寄りかかって、思う存分ホタルの飛び交う幻想的な光景を観察することができました。

 

「ホタルを写真や動画に収めるのは難しいよ」とのアドバイスをネットでいただいていましたが、確かに撮れはするものの、残念ながらここに掲載できるほどのものはありませんでした。

 

なお、写真撮影は禁止されていませんが、フラッシュは厳禁ですので事前にOFFにしておきましょう。

 

 

◆至れり尽くせりの椿山荘に感謝!

 

チャペルの脇あたりに建物の入口があって、トイレやフロントへの案内板が掲げてありました。

さっそくトイレを利用させてもらいました。

ふかふかの絨毯を敷き詰めた施設の中は、ポロシャツにジーンズにバックパックのラフなスタイルの身には場違いに感じましたし、もしもフロントの前を通らなければならないとしたら嫌だなあと思っていたのですが、そんなことはなく、すぐに手入れの行き届いたトイレを利用することができました。

 

途中に客室がずらっと並んでいて「XXX家様、YYY家様」などの札が掲げてあるのを見ると、ここが天下の椿山荘だということが実感されます。

 

帰りも冠木門から出てもよかったのですが、せっかくなので社会勉強も兼ねて、正面玄関から帰ることにしました。

 

3Fのフロントまでたどり着くのに結構苦労しましたが、夜も遅いので、それほど宿泊客やスタッフと顔を合わせることもなく、無事帰還しました。

 

 

それにしても、これだけの規模の庭園を毎日きちんと整備して、しかもこれを無料で開放しているのですから、もう驚くばかりです。

 

ちなみに、椿山荘は、元は明治の立役者のひとり、かの山県有朋の邸宅跡で、「椿山荘」という名称も山県有朋が自ら自宅に名付けた愛称なのだそうです。

その後、戦時中に空襲で一度消失し、再建され、ガーデンレストランとなって現在に至ります。

 

以上、都心で幻想的なホタルの舞を存分に楽しむことができて大満足の5月の一夜でした。

 

いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)

テーマ:

5月下旬の平日に国立科学博物館で開催中の企画展『生き物に学びくらしに活かす』を見てきました。

タイトル的に地味で、どちらかというと大人向けの内容でしたが、意外と掘り出し物の企画でした。

 

 

・名称  :企画展『生き物に学びくらしに活かす』

・会場  :国立科学博物館(東京・上野公園)
・会期  :2016年4月19日(火)―2016年6月12日(日)   
・開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)

      毎週金曜日は~20:00(入場は~19:30)

・休館日 :月曜日

      ※ただし5月2日と6月6日は開館 
・料金  :一般・大学生 620円  

      高校生以下および65歳以上 無料  

      ※同時開催中の『恐竜博2016』や常設展の

      入場券があれば、無料  

 

国立科学博物館 企画展公式サイト

 

 

「バイオミメティクス」を具体的な製品や実用技術の展示により分かりやすく紹介する企画展です。

「バイオミメティクス」とは、生物学と工学が連携・協働し、生物に学びながら私たちのくらしをより良くすることを目指す新しい学問です。

 

主催は、科研費新学術領域「生物規範工学」と国立科学博物館。

共催が、高分子学会バイオミメティクス研究会と公益財団法人山階鳥類研究所。

 

取り上げられていた主な生物と応用技術は以下のとおり。

・フナクイムシ … トンネル掘削などのシールド工法

・オナモミ種子(ひっつき虫) … 面状ファスナー

・モルフォチョウの構造色 … 構造色繊維モルフォテックス

               超多層フィルムMLF

・チョウやガのモスアイ構造 … 低反射、撥水性素材

・カジキマグロの皮膚 … 親水性素材と競技用水着

・クジラの胸ビレの構造 … 風力発電回転翼

・魚群の非衝突性 … 日産自動車ロボットカー「エポロ」

・タコの吸盤 … バスケットシューズの靴底

・鳥の飛翔方法 … 省力性・静音性・安定性に富む飛翔

・ハコフグの外形 … バイオニックカーのフォルム

・フクロウの翼前縁のセレーション … 新幹線パンタグラフの静音性

・カワセミのくちばし … 新幹線の形状(トンネル騒音の低減)

・ワシの獲物捕獲時の足の動き … ロボットの動作

・鳥の羽毛のリフレット構造 … 航空機体の空気抵抗低減

・鳥の羽毛の構造色 … ポリドーパミン粒子による構造色素材

・カブトムシの前翅固定装置 … ?(今後の研究)

・カブトムシの後翅のセレーション … ?(今後の研究)

・海綿の体内のガラス質の骨片 … 低コスト高品質の光ファイバー

・ウバウオの吸盤 … 高性能吸盤

・サメの肌(鱗) … 水抵抗の少ない水着や船舶、旅客機

           水中での防汚素材

・トンボの翅の凹凸 … 低風力から稼働する安価な風力発電

・シロアリの巣 … 環境負荷の少ない空調

 

また、これらを研究するための技術として、以下のような技術が紹介されていました。

・SEM(走査型電子顕微鏡)

・ナノスーツ法

・生物SEM画像データベースと画像検索

・オントロジーの整備と

 異分野間の意思疎通可能なデータベースの実現

 

 

■バイオミメティクスとは

 

「バイオミメティクス」という言葉は通常、生物の形態や構造、能力などを模倣し、モノづくり、すなわち高額技術に応用することをいいます。

日本語では「生物模倣技術」などと訳されます。

この用語は1950年代後半に、米国の神経生理学者、オットー・シュミットによって提唱されました。

しかしその源流は15世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチにまでさかのぼることができるそうです。

 

バイオミメティクスの歴史

 

バイオミメティクスの過去の代表的な実用例として、トンネル掘削工事におけるシールド工法が挙げられます。

掘削機の先端がフナクイムシの丸く開いた口の形状をヒントに考案されています。

 

フナクイムシ

 

また、ゴボウやオナモミ(ひっつき虫)の種子がセーター等にくっつくことにヒントを得て、面状ファスナーが開発されました。

オナモミの表面のSEM写真を見ると、先端がU字に曲がったカギ状になっており、面状ファスナーでは、輪になった細い糸とカギ状の太い糸とが混じって植え付けられています。

 

 

■昆虫とバイオミメティクス

 

◆昆虫のモスアイ構造

 

モスアイ構造とはその名の通り、ガやチョウの複眼表面にある微細構造で、光の透過、低反射性、超撥水性などの、複合的な機能を備えています。

これは直径150~200ナノメートルほどの突起が規則的に配列する「ナノパイル」または「ナノニップル」という微細構造によって実現されています。

最近ではモスアイ構造が、昆虫の複眼だけでなく、トンボやセミの翅などの透明な部分にもあることが分かってきました。

 

セミやトンボの透明翅、不透明翅のモスアイ構造

 

ジョナスキシタバ(ガ)の複眼と

アサギマダラ(チョウ)複眼のSEM写真

 

ベニスカシジャノメの透明翅表面のモスアイ構造

 

 

モルフォチョウの翅が青く輝く原理を応用して、2003年に日本で、世界初の構造色繊維が開発されました。

それが帝人(株)の「モルフォテックス」という繊維です。

モルフォテックスは一見ただの白い繊維ですが、太陽光や室内照明を受けて、モルフォチョウのような独特の青い光沢を発します。

 

同じ原理は繊維だけでなく、さまざまな樹脂製品にも応用されており、最近の注目すべき成果として、

超多層のフィルム「テイジンテトロンフィルム MLF」

三菱レイヨン(株)の透明フィルムモスマイト」などが発表されています。

 

 

透明フィルム「モスマイト」(三菱レイヨン)のSEM写真

 

 

微細構造の解析を促進させた技術が、SEM(走査型電子顕微鏡)と、ナノスーツ法です。

ナノスーツ法とは、界面活性剤の薄い皮膜にプラズマ処理を施すことにより、試料の完走や真空による変形や液分の逸失を防ぎ、軟弱な生物の組織や生体ですら、SEM観察を可能にした技術です。

このナノスーツ法の発明自体も、無処理でSEM観察可能な昆虫を研究することによって実現したバイオミメティクスの成果なのだそうです。

 

 

■海洋動物とバイオミメティクス

 

◆高速遊泳する魚の表面構造

 

ミズノ(株)は、カジキの高速遊泳を支えているのが皮膚表面の粘液と考え、表面にジェル加工を施した親水性素材「マーリンコンプ」を開発。(「マーリン」はカジキの英語名)

水着の表面に、それまでの水着に採用されていた撥水性素材とこの新しい親水性素材を並べると、それぞれの表面での流れの違いでたて渦が発生し、水流が乱れず、水の抵抗を8%減らすことに成功したそうです。

 

マーリンコンプの表面に発生するたて渦のイメージ

(親水性素材と撥水性素材を並べて水抵抗低減)

 

 

◆衝突を避ける魚たちの動き

 

魚類の群れはお互いや障害物や捕食者を巧みに避けて移動します。

これを自動車に応用すれば、渋滞や交通事故をなくせるのではないかと考えられます。

会場では日産自動車(株)のロボットカー「エポロ」(EPisode O RObot:エピソード・ゼロ・ロボット)が展示されていました。

入場者が前を通ると、レーザー光でそれを感知し、ロボットが向きを変えます。

 

日産自動車のロボットカー「エポロ」のデモ

 

この他、クジラの胸ビレを風力発電機に応用した例も紹介されていました。

ザトウクジラは胸ビレ前縁にあるコブで、ヒレの上に小さい渦を発生させることにより、大きな抵抗となる大きな渦の発生を抑え、低速遊泳での大きな揚力を可能にしています。

これを風力発電の回転翼に応用することで、風を効率よくとらえることに成功しています。

 

 

■鳥類とバイオミメティクス

 

さて、そろそろ息切れしてきたので、あとはざっと流しますね。ご了承ください。

 

鳥の応用としては、航空機そのものがまさにバイオミメティクスの成果といえます。この他にもこの分野の研究成果は多いですね。


たとえば、フクロウの翼前縁部の「セレーション」と呼ばれるノコギリの歯のような構造が羽音を消すのに役立っており、これが500系新幹線のパンタグラフに応用され騒音防止に役立てています。

また、カワセミのくちばしの形状を新幹線の先端の形状に応用することで、トンネル突入時の騒音の低減に役立てています。

 

 

■その他

 

工業的にガラスを作るためには高炉が必要ですが、深海に棲む海綿の一種、ヤマトカイロウドウケツは、体内を構成するガラス骨片(二酸化ケイ素)を深海の低温環境で作り出しています。

しかもそのガラス繊維は断面が層状になり、光ファイバーと同等の光伝送性能があり、強度も高く、より柔軟であるといわれています。

この方法を解明し利用することができれば、低コストで高品質の光ファイバーが期待できます。

 

ヤマトカイロウドウケツ

 

 

■最後に

 

なかなかハードな内容の企画展でしたが、産業での具体的な応用例を展示するなど、ビジュアルにも力を入れていて、とても興味深い仕上がりになっていました。

何より、先端的な研究分野って、夢があってワクワクしますよね。

 

科学博物館の企画展では大抵の場合、1枚ぺらのパンフレットがあるだけですが、今回はフルカラー22ページの冊子が入り口の脇に設置・配布されていて、力の入れようが伺われました。

 

同時開催の『恐竜博2016』の入場券があれば、この企画展は無料で入れるので、抱き合わせて訪れてみるといいかもしれません。

 

もちろん、常設展の観覧がてら足を伸ばしてもいいでしょう。

 

以上です。

 

 

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

 

 

・名称  :日伊国交樹立150周年記念

      カラヴァッジョ展

・会場  :国立西洋美術館(東京・上野公園)
・会期  :2016年3月1日(火)―2016年6月12日(日)  
・開館時間:9:30~17:30(入場は17:00まで)

      毎週金曜日は~20:00(入場は~19:30)

      ※ただし以下の期間は~20:00まで時間延長  

       6月1日~4日、6月7日~11日
・休館日 :月曜日

・料金  :一般 1,600円 大学生 1,200円 

      高校生 800円 中学生以下 無料 

 

展覧会公式サイト

 

5月下旬の平日金曜日の昼過ぎに、東京上野公園の国立西洋美術館で6月12日まで開催されている『カラヴァッジョ展』に行ってきました。

 

当日はG7伊勢志摩サミットの警備の一環で、持ち物の中身を晒しての手荷物検査および金属探知機による身体検査があり、入り口に渋滞が発生していましたが、会場内の混雑度はそれほどでもありませんでした。

 

かの若冲展(5時間待ち)が終了した直後の平日だったことが功を奏したのだと思いますが、これから会期末に向けて、入場者は増えていくものと思われます。

 

 

■カラヴァッジョについて

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)は、バロック期を代表するイタリアの画家です。

 

時代としては、ルネサンス期の少し後にあたります。


ルネサンス盛期のミケランジェロやラファエロ、レオナルド・ダ・ビンチらの圧倒的な成果は、人々に「ミケランジェロ以前の芸術はもはや超克された」という意識をもたらし、ミケランジェロが到達した理想的な芸術的手法(マニエラ[maniera])を原点にして、それを模倣あるいは発展させることこそ、これからの芸術のとりうる姿だとする「マニエリズム」の潮流をもたらしました。
しかし「マニエリスム」は次第に形式主義に陥り、語源ともなったいわゆる「マンネリズム」の状況を迎えます。

 

そこに風穴を開けて、バロック絵画の時代を切り開き、同時代およびその後の絵画史にも多大な影響を与えたのがカラヴァッジョだと考えられています。

 

 

カラヴァッジョの絵画の特徴は、

徹底した写実性叙情性あふれるドラマティックな構図

そして、のちに「テネブリズム」という絵画スタイルに発展する

光と陰の明暗を強烈に対比させる表現(キアロスクーロ)にあるとされます。

 

理想化された世界や夢物語ではなく、現実世界で目の前にあるものを見たままに写しとるという、現代的な視点からは至極当り前の写実主義・自然主義を、絵画の世界で初めて確立したのが、このカラヴァッジョだということで、本国イタリアでもその功績は非常に高く評価されており、硬貨や紙幣にもカラヴァッジョの姿が描かれたことがあるそうです。

 

 

■本展覧会の見どころ

 

本展では、カラヴァッジョの11作品に、同時代あるいは少し後の時代の熱烈なカラヴァッジョ追従者、いわゆる「カラヴァジェスキ」たちの作品40点を加えて、合計51点が展示されています。

 

「な~んだ、本人作はたったの11点か」と嘆くなかれ。

カラヴァッジョの現存する真作とされる作品は60点強ですが、移動不可能な作品が多数あるため、そのうちの11点が集まる本展は日本で過去最多世界でも有数の規模なのだそうです。

 

最大の見どころは、本邦のみならず世界初公開となる『法悦のマグダラのマリア』でしょうか。

 

さらには、キアロスクーロの典型を提示した晩年の『エマオの晩餐』、3人の画家が同じテーマで競作したとされる『エッケ・ホモ』など、数は少ないですが、西洋美術史に顕著な影響を与えたという解説が頷けるような印象的な作品がずらりと顔を揃えています。

 

 

■展示作品の振り返り

 

展示は以下のセクションに分かれていましたが、ここでは敢えて年代順に並べて振り返ろうと思います。

 

 I  風俗画:占い、酒場、音楽
 II 風俗画:五感

 III 静物

 IV  肖像

 V 光

 VI  斬首

 VII  聖母と聖人の新たな図像

 

 

1590年代(カラヴァッジョ20歳代)の初期の作品には、個人的にはあまり惹かれません。

下の3枚の作品『果物籠を持つ少年』『トカゲに噛まれる少年』『バッカス』にはいずれも何やら男色的な雰囲気の漂う、ぽっちゃり・むちむち型の中性的な男子が何か物言いたげな顔をしてこちらをじっと見つめています。

男の子たちの顔がみな似通っているのは当時のカラヴァッジョの好みなのか、それともカラヴァッジョ自身を描き出そうとしたのか…

 

好き嫌いは別にして、ここには確かに、聖書の世界や理想化された人物造形ではなく、現実世界で息をし情念を発露する人間が生き生きと描かれており、手に抱えた果物は妙にリアルです。

 この頃の作品にはまだ写実性はそこまで徹底・追求されておらず、ドラマチックな一瞬の場面の切り取りな注力しているように見えます。

 

カラヴァッジョ《果物籠を持つ少年》 1594年頃 油彩・カンヴァス
70x67cm ローマ・ボルゲーゼ美術館

 

 

下の『トカゲに噛まれる少年』 もそのいかにもギャグっぽい構図が当時の人々にはさぞかし斬新だったでしょうね。

漫画のひとコマに「イテッッ!!」などと擬音つきで出てきそうなショットです。

 

カラヴァッジョ《トカゲに噛まれる少年》 1596-97年頃
油彩・カンヴァス 65.8x52.3cm
フィレンツェ・ロベルト・ロンギ美術史財団

 

 

 下の『バッカス』と名付けられた作品は、その名が示す通り、神話の世界に依拠するはずですが、描かれているのは、背徳的な匂いのする、男とも女とも判じがたい現代の若者の半裸像です。

 

カラヴァッジョは生前すでに時代を変革する革新的な画家として名声を得ていたようですが、その反面、あまりの斬新さ故に、しばしば教会などの依頼主から受け取りを拒否されたり、描き直しを要請されたりしたようです。

 

カラヴァッジョ自身の素行の悪さも、世間のそういう取り扱いの大きな要因になっていたようです。

会場でも、眼を見張るような作品の合間合間に、カラヴァッジョの人となりを紹介するパネルがいくつも挿入されていましたが、食堂で店員に皿を投げつけて訴えられるは、乱闘騒ぎをおこすは、果ては殺人事件で逮捕されるなど、まともな市民生活を送っていたとは到底思えない状況に、思わず苦笑してしまいました。

 

カラヴァッジョ《バッカス》 1597-98年頃
油彩、カンヴァス、フィレンツェ・ウフィツィ美術館

 

 

下の「女占い師」は後にカラヴァジェスキのひとりであるシモン・ヴーエも同一タイトルで作品を描いています。

女占い師は親密そうに男の手をとり手相を占っていますが、そこに注意を逸らしておいて、指輪だのポケットの中身だのを盗もうとしている一瞬を剥ぎとって描いています。

 

2つの絵を比較するといろいろ面白いですね。

 

写実性の観点からはシモン・ヴーエの方が徹底しているように見えます。

しかし物語性というか、人物の心の交歓とか感情の表現という観点から見ると、むしろカラヴァッジョの作品の方がこちらに訴えかけてくるものがあると感じるのは私だけでしょうか?

 

また、シモン・ヴーエの作品が、カラヴァッジョがその画風を確立して死んだずっと後の1617年に制作されていることに着目すると、カラヴァッジョが後に確立した手法を使って自身の若描きの『女占い師』を後に描き直したとしたらどうなっていたか?という観点から比較してみてもいいかもしれませんね。

 

カラヴァッジョ《女占い師》 1597年頃 油彩・カンヴァス
ローマ・カピトリーノ絵画館

 

シモン・ヴーエ《女占い師》 1617年 油彩・カンヴァス
97.5x134.5cm フィレンツェ・ピッティ宮パラティーナ美術館

 

 

下の作品『ナルキッソス』は、上に挙げた初期の作品より2~3年あとの作品ですが、初期の作品にあまり顕著ではなかった光と陰の明暗を強烈に対比させる表現(キアロスクーロ)が見事な芸術性として結実しているのが見て取れますし、カラヴァッジョの作品の特徴がすでにすべて備わっています。

 

ギリシャ神話のナルキッソス(ナルシス)に題材をとりながら、そこに描かれたのは現代の日常服を着た少年。

暗い背景の中に向かって右側から差す一条の光に照らされて光る少年の上半身と両腕と片足の膝小僧。

それらが透明な湖面に反射してうっすらと浮かび上がるさま。

絶妙の構図といえます。

 

カラヴァッジョ《ナルキッソス》 1599年頃
油彩・カンヴァス 113.3x94cm
ローマ・バルベリーニ宮国立古典美術館

 

 

これ以降は、カラヴァッジョ円熟期以降の作品。

(といっても、30代半ばの作品ですが)

 

下の作品『エッケ・ホモ』(よく「この人を見よ」と訳されますね)は、聖書「ヨハネの福音書」の一説で、処刑される前のイエス・キリストを描いた作品ですが、まさに見るものの目の前でドラマが繰り広げられているような生々しい臨場感があります。

宗教的な偶像性は感じられませんね。

 

カラヴァッジョ《エッケ・ホモ》 1605年頃
油彩・カンヴァス 128x103cm
ジェノヴァ・ストラーダ・ヌォヴァ美術館ビアンコ宮

 

 

下の作品『エマオの晩餐』は、イエスキリストが処刑の3日後に復活を果たし、2人の弟子とともに晩餐に招待されたという聖書「ルカの福音書」の一説を主題にした作品で、カラヴァッジョの特徴が最もよく現れた代表作です。

 

同じ主題を古今の多くの画家が描いていますが、そのほとんどが全体に一様に明るいか、イエスキリスト自身から神々しい光が放たれて周囲を照らすような作品になっていますが、カラヴァッジョのこの作品では、真っ暗な背景のなか、あくまで一方向の遠い先にある光源からの光を受けて、イエスキリストもその他の人々も、その他の静物も分け隔てなく同じような陰影で自然な形で描かれています。

 

この作品の構図も、先に挙げた『ナルキッソス』と同様、絶妙ですね!

 

ちなみに、この作品もそうですが、カラヴァッジョは晩年、デッサンなしに直接カンヴァスに筆を入れるのを信条としていたそうです。このエピソードも彼の卓越した技術力を物語っています。

 

カラヴァッジョ《エマオの晩餐》 1606年 油彩・カンヴァス
141x175 cm ミラノ・ブレラ絵画館

 

 

そして最後を飾るのは、世界初公開となる本展覧会の目玉『法悦のマグダラのマリア』

この作品は、長いこと行方不明とされていた作品で、2014年に個人蔵されていたところを見出され、その後の科学調査や鑑定の末、真筆と認定されました。

 

晩年のカラヴァッジョが手元に残し、旅先でもいつも携えていた数少ない作品のひとつで、彼がイタリアのポルト・エルコレで不慮の死を遂げた時、彼の荷物に含まれていた「1枚のマグダラのマリアの絵」がこれであると考えられています。

ちなみに、この作品が制作されたのは、彼が殺人を犯してローマから逃亡し近郊の町で身を隠していた時期だそうです。

 

「展覧会の目玉」と言われると天邪鬼の私はその時点で一歩も二歩も引いてしまいます。

今回もそうで、ほとんど期待せずにこの作品の前まで足を運んだのですが、この作品を見るや足が動かなくなってしまいました。

それほどの衝撃、感銘でした。

 

どう表現したらいいのでしょう。

 

今にも死にいりそうな、身悶えするようなエクスタシー。

抑制された情景描写の中で強烈に発散されるエロティシズム。

それはもはや宗教的か官能的かという判断を拒んで私の心に突き刺さります。

 

展覧会に出向く前にインターネットで画像を見ていたのですが、そのときは何の感動も受けなかったのです。

ところが、この目で実物を見たとたん、鳥肌が立って何分もの間その場を立ち去ることができませんでした。

カラヴァッジョ自身がずっと手元においていたというのも、きっとそれだけお気に入りだったのだろうと容易に想像できました。(本当のところは分かりませんが)

 

これを生で見ることができたというだけで、この展覧会を見に来てよかったと心底思いました。

 

カラヴァッジョ《法悦のマグダラのマリア》 1606年
油彩・カンヴァス 個人蔵

 

 

カラヴァッジョは殺人罪の許しを請うためにローマに向かう道すがら、熱病にかかって、38歳という短い生涯を閉じます。

この若さでその後の西洋美術の進展に多大な影響を及ぼしたというのですから、もしもっと長生きしていたらと思うと実に残念な気がします。

 

そういえば、会場のところどころにカラヴァッジョの発言集みたいなものがパネルとして貼り出されていたのですが、ことごとく、唯我独尊というか、自信過剰というか、大言壮語の連続で失笑!

 

しかしそれくらいでなければ、たったひとりでルネサンスや当時のアカデミズムの権威に風穴を開け、革新することなどできないですよね。

 

 

以上です。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

恒例の2016年4月期のTVドラマ見どころをお送りしようと思いつつ、身辺が異様に忙しく、今クールのドラマも早や折り返し点となってしまいました。

 

ということで、「見どころ」ではなく「中間評」の形でお届けします。

 

毎度しつこく断りますが、当サイトの記事は、青春もの・純愛もの・感動モノ至上主義で、事件ものや軽いノリのエンターテインメント作品が苦手な私の独断と偏見の産物であることにご注意ください。
視聴率とはほぼ確実に反比例します(苦笑)


■期待度別講評

 

全般に、それほど期待していなかった作品に予想外に面白いものが多く、結果として継続視聴する番組を減らすことができず、嬉しい悲鳴状態となっています!


◆期待度A (毎週ワクワク)

 

◎『ラヴソング』(月21 フジ)
  http://www.fujitv.co.jp/lovesong/index.html
見る前は、藤原さくら福山雅治のCD販促番組か、アミューズの新人抱き合わせ売り込み企画なんだろうと高をくくっていたのですが、藤原さくらの女優本気度が予想以上!


吃音で世間にうまく順応できない児童養護施設出の少女の姿をまさに本人がそうなのではないかと勘違いしそうなくらいに上手く演じています。

しかも煙草が離せない結構荒々しい肉食系女子。
こんな迫真の演技をしては、本業の歌手としてのイメージに傷がつくかも…などという躊躇は微塵もない潔さ。

 

ドラマの内容も、タイトルから想像するような単なる純愛ものではなく、3K職場の実態とか、夢が果たせず挫折した人々の心に残るシコリとか、学校や職場での嫉妬やいじめの問題など、現代社会の歪を、社会派ドラマとして突き放すのではなく、当事者の目の前の問題としてうまく掬い上げています。

 

恋愛カップルとして福山雅治藤原さくらの組み合わせはあり得ないと見る向きもあるかもしれませんが、これは敢えて狙っての起用だと思いたい。

つまり、はじまりはあくまでカウンセラーと患者。そこに恋愛感情への片鱗は見えない方がいい。

それが元アーティストと才能ある歌手の卵との関係に発展し、そしてそこに患者のカウンセラーに対するいわゆる「陽性転移」が芽生え、それが本物の恋に発展して…

 


◎『ゆとりですがなにか』(日22 日テレ)
  http://www.ntv.co.jp/yutori/
宮藤官九郎の作品は個人的にはどちらかというと苦手な方なんですが、岡田将生松坂桃李柳楽優弥のトリプル主演とくれば期待しないほうが変。
そして、蓋を開けてみると、期待に違わぬ面白さ。
脚本と演出と役者がマッチすると質の高い作品が生まれるという、ある意味当り前の事実を実感。

 

旧世代 vs いわゆる「ゆとり世代」という単純な対立概念でないところがいいですね。
また、戯画化する対象との距離感が離れすぎず付きすぎず、絶妙の間で描かれているので、視聴者が自分や周りのこととしてドラマの世界を同化しやすい一方で、現実世界で疲弊し袋小路に陥りがちの自分自身を一歩引いた視点で相対化(客観視)することにより、心に余裕をもたらし、明日への活力を蘇らせることができる、そんな作品になっていると思います。

 

岡田将生松坂桃李柳楽優弥がみんなして三者三様のヘタレぶりなところが最高ですね!

 


◎『世界一難しい恋』(水22 日テレ)
  http://www.ntv.co.jp/sekamuzu/
今クールで最も嬉しい誤算がこの作品。

NHK朝ドラでブレイクした波瑠がラブコメディのヒロインに挑戦。
お相手は恋愛物には不似合いな?大野智
どちらも「はまり役」とは言いがたいので、それほど期待していなかったのですが、これもうれしい誤算です。

 

大野智が切れ者のホテル経営者という設定はやはり違和感バリバリですが、恋愛未経験で一目惚れの美人社員にジタバタする様子はむしろ適役といっていいでしょう(笑)

 

あと、見直したのが、秘書役の小池栄子
ときには厳しい恋の指南役として、そして時には不安な心を暖かく包み込む実の姉のように、大野智演じるボンボン社長を健気にサポートする姿が実に自然体で、ドラマ全体に安定感をもたらしてくれています。
初めて演技をした頃は「パッと出のモデルが、見た目の派手さで起用されただけのにわか女優」くらいに思っていましたが、その後の女優としての成長ぶりには眼を見張るものがあり、ここへきてそこにさらに自信と貫禄が出てきた印象です。(上から目線での発言に見えたらごめんなさん)

 


◎『私結婚できないんじゃなくてしないんです』(金22 TBS)
  http://www.tbs.co.jp/watashi_kekkon/

中谷美紀が15年ぶりの主演。
視聴する作品をどちらかというと俳優で選ぶミーハーな私としては、中谷美紀藤木直人が主演という時点で、「とりあえず様子見」の範疇に入れていたのですが(おふたりとそのファンの方々、ごめんなさい)、これも蓋を開けてみるとすこぶる面白く「赤丸急上昇」!

 

何といっても、中谷美紀が3枚目の「行き遅れ」女医を、臆したり怯(ひる)んだりすることなく体当たりで演じ切っていることが成功の第一ポイントでしょうか。
社会的に成功した「意識高い系」のセレブ女医が、こと恋愛とか婚活に関しては、自信も強引さも無くオロオロするばかり。
しかしそのドタバタするところが逆に愛すべきかわいらしさにもなっている、そんなヒロインを中谷美紀が好演しています。

 


◎『火の粉』(土23 フジ)
  http://tokai-tv.com/hinoko/
深夜枠だと侮っていたら大間違い。

ユースケ・サンタマリアはこの手の何を考えているかわからない不気味な隣人役をやらせると相変わらずピカ一ですね。

 

裁判で無罪放免された一家惨殺事件の容疑者が、裁判長の隣に引っ越してきて、家族同然の付き合いをしようと近づいてくるお話。
その過程で次々と失踪事件やら殺人事件やら不審な出来事が発生し、ユースケ・サンタマリアの凍りついたような不気味な笑顔が私たちの心に冷水を掛けます。

 

初回から怪しいオーラ満々で、この先何話も持つのだろうか?と余計なお世話を焼いてしまいますが、目が離せません。

 


◎『僕のヤバイ妻』(火22 フジ)
  http://www.ktv.jp/yabatsuma/index.html
浮気の果てに妻を殺そうとした矢先、妻の誘拐事件が発生し、対処するうちに妻への想いをよみがえらせるも、実は誘拐は妻の自作自演であり、夫への復讐劇の始まりだったというストーリーの心理サスペンス。


初回~第2回までで、早くも誘拐が妻の自作自演であることが分かってしまうという展開の早さに「えっ! これからどんでん返しが何度も待ち構えているってこと?」

 

このドラマの目玉は何といっても、木村佳乃の不気味な良妻?悪妻?ぶり。
すべては伊藤英明演じるダメ男の心を繋ぎ止めたいがための健気な策略なのか?それとも夫のことはとっくに見放していて、その先の深謀遠慮の果ての冷徹な行動なのか?

 

また、単なるお隣さんにしては、キャラ立ちしすぎているキムラ緑子高橋一生の歳の差カップルも、何やら裏がありそうで、事件にも絡んできそうな気配。

回を追うごとに登場人物がすべて悪人に見えてきて、真相は混迷を極めてきます。


◎『重版出来!』(火22 TBS)
  http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/

コミック編集部を舞台にした内幕物って、TVドラマではこれまであまり見当たりませんでしたから、放送開始前から楽しみにしていました。

純粋なドラマとしてではなく、単に業界内幕を覗き見するという意味でも十分見る価値があると思います。

 

出演者の顔ぶれを見ると、松重豊、安田顕、荒川良々、高田純次、生瀬勝久、オダギリジョー、小日向文世、ムロツヨシ、滝藤賢一、要潤、濱田マリ…って、どれだけ曲者(くせもの)を揃えればいいの? これで当たらなかったらどう責任取るんだよ?(笑)って感じで、このラインナップだけでもすでに勝負あり?

 

ただ最大の気がかりが、連続ドラマ初主演の黒木華(「華」と書いて「はる」と読む)。
舞台で鍛えられているだけあって、若いに似ず上手い役者さんなんですが、「昭和顔」というか、家に嫁ぎ夫を陰で支える大人しいお嫁さんといった印象があまりにも強いため、主役には決定的に向かないのでは??と思って見始めました。
が、良い意味で期待を裏切られました。

 

本人もこれまで同じような役どころばかり回ってきてイメージが固定化しつつあることに危機感を持っており、ここは勝負だと心得ていると思います。
若干張り切りすぎで「元気いっぱいさ」が空回りしている節も無きにしもあらずですが、おそらくは元々の原作がそんな感じの女の子なんでしょう。


作中では黒木華演じる黒沢心は日体大柔道部出身とのことですが、何やら『YAWARA!』の柔ちゃんを彷彿とさせますね。
うん、『YAWARA!』の実写映画化があればまさにハマり役かも。(ちなみに『YAWARA!』は過去に一度、浅香唯主演で実写映画化されています)

 


◆期待度B (毎週普通に楽しみ)


◎『コントレール』(金22 NHK)
  http://www.nhk.or.jp/drama10/contrail/
過去に通り魔に夫を殺され現在は小さな飲食店を営む未亡人(石田ゆり子)が、行きずりのトラック運転手(井浦新)と運命的な出会いをし恋に落ちていきます。
そのトラック運転手が、何と、亡き夫を助けようとして、結果として誤って死なせてしまった男だということが分かり…

大人のラブストーリーというと判で押したように、不倫による家庭崩壊、そしてドロドロ愛憎劇になりがちですが、この作品はそういう「汚らわしさ」から逃れ、ピュアさに徹しているところが良いですね!

石田ゆり子井浦新という、ともに透明感のある役者さんが、この大人のピュア・ラブストーリーにピッタリはまっていて、青春映画を見るような何とも切ない気持ちに誘われます。

 

 

◎『早子先生、結婚するって本当ですか?』(木22 フジ)
  http://www.fujitv.co.jp/hayako/index.html

教育現場が舞台になるドラマは久しぶりの感じ。
といっても学校のドラマというよりは、日々の仕事に流されて漫然と生きている、特別な野心も燃えるような恋愛も無関係な「普通の」独身女性の物語ですね。

 

ドラマは松下奈緒演じる早子先生の一人称の独白で進行するのですが、あえて低いトーンでの語り口が、「普通の人」感を出していて、視聴者が等身大の自分に重ねることを容易にしているような気がします。

 

殺伐としたドラマとか逆にドタバタ喜劇が多いなか、ホッと息つけるドラマです。
逆にいうと、インパクトに欠けるところが欠点でしょうか?
そういう意味では同じ婚活ネタで同じクールの『私結婚できないんじゃなくてしないんです』とは好対照ですね。
どちらが良い悪いではなく。

 


◎『99.9』(日21 TBS)
  http://www.tbs.co.jp/999tbs/
「99.9」とは、日本の刑事事件で検察が起訴したもののうち有罪となる確率。

この大きな壁に果敢に挑戦する弁護士たちを描く1話完結の法廷ドラマ。

ちょうど木村拓哉の『HERO』と似たようなドラマですね。

弁護士と検察と攻守ところを変えていますが。


キムタクは良くも悪くも「型破り」な熱血漢で、検察「らしくない」自由奔放さが特徴ですが、松本潤演じる弁護士は何かと妙なこだわりを持つちょっと性格的に怪しげな「草食系変人」?

 

正直、まだ松本潤演じる弁護士の人物像を捉えきれていないところがありますが、この松本潤と、前髪パッツンの爽やか榮倉奈々、そして彼らを軽蔑しながら図らずも手助けする役回りを演じてしまう「不良」弁護士・香川照之のコンビが何とも良い味を出していて、次回も見てみようという気にさせてくれます。

 

 

◎『トットてれび』(土20 NHK)

  http://www.nhk.or.jp/dodra/tottotv/

これはドラマとしての楽しさというより、昭和テレビ史を追体験できることの楽しさから見ています。

おそらく視聴者の年齢層によって受け止め方が異なるのではないでしょうか?

若者からすれば、初めて目にするものばかりで新鮮な驚きの連続かもしれません。

私にとっては子供の頃の懐かしい映像の連続で、ノスタルジーに浸り切っています。

そtれにしても、NHK教育の『チロリン村とくるみの木』や『ブーフーウー』『ひょっこりひょうたん島』黒柳徹子が声の出演をしていたとは知りませんでした。

 

 

◎『毒島ゆり子のせきらら日記』(水24 TBS)

  http://www.tbs.co.jp/busujima/

深夜枠ですが、これは予想外に面白い。

番宣で「二股」だの「深夜の昼ドラ」だのという言葉が飛び交っていたので、どうせお色気体とドロドロ愛憎劇に前田敦子が体当たり演技するという話題性だけの作品だろうと高をくくっていましたが、内容は全然違っていました。

まあ、主人公・毒島(ブスじま)ゆり子の生き方は非倫理的で、決して褒められたものではありませんが。

 

内容は全然違いますが、やはり放送開始後にブレイクした『民王』と雰囲気が似通っていると感じたのは私だけでしょうか?

 

 

◆期待度C (様子見~脱落寸前)

◎『お迎えです。』(土21 日テレ)
福士蒼汰土屋太鳳が、この世に未練を残す幽霊を成仏させてあげるバイトに勤しむ物語。

一話完結で、さまざまな人間模様(幽霊模様?)を描きますが、この手の作品はいかに視聴者を飽きさせないかが最大の課題。

個人的には毎回お決まりの土屋太鳳福士蒼汰の尻に食らわせる強烈なキックが最大の楽しみ(笑)。

 

◎『OUR HOUSE』(日21 フジ)

視聴率的に裏番組のフジ『99.9』に完全に食われた形となりました。

少しだけお姉さんになったセーラー服姿の芦田愛菜がどんな演技を見せてくれるかが第一の興味の的でしたが、残念ながら初回から空回りしている感が否めません。

これがテレビドラマではなく舞台の上でなら、それほど違和感を感じないのかもしれませんが、茶の間からじっくりテレビ画面を見るシチュエーションではもっとナチュラルな演技でなければドラマの世界にどっぷり浸かることができなくなります。

回を追うごとに落ち着いてくれればいいのですが…

 

◎『不機嫌な果実』(金23 テレ朝)

まさに昼ドラ的な深夜ドラマ。

原作の林真理子の同名小説を直接読んだわけではありませんが、そもそも原作の内容そのものが私の好みと相容れないのだと思います。




◆期待度X (未視聴につき判断保留)

 

ブルーレーレコーダに溜め込んだまま、まだほとんど未視聴なため、とりあえず判断保留でここに置きました。

もう少し時間ができたらまとめて視聴しようと思います。

 

◎『ドクターカー』(木24 日テレ)

◎『ディアスポリス』(火25)

 

◎『ナイトヒーローNAOTO』(金24 テレ東)


■曜日別番組一覧

 

【月】
◎『ラヴソング』(月21 フジ)
【火】
◎『重版出来!』(火22 TBS)
◎『僕のヤバイ妻』(火22 フジ)
◎『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』(火25 TBS)
◎『ディアスポリス』(火25)
【水】
◎『警視庁捜査一課9係』(水21 テレ朝)
◎『世界一難しい恋』(水22 日テレ)
◎『毒島ゆり子のせきらら日記』(水24 TBS)
【木】
◎『警視庁・捜査一課長』(木20 テレ朝)
◎『鼠、江戸を疾る2』(木20 NHK)
◎『グッドパートナー』(木21 テレ朝)
◎『早子先生、結婚するって本当ですか?』(木22 フジ)
◎『ドクターカー』(木24 日テレ)
【金】
◎『ドクター調査班』(金20 テレ東)
◎『私結婚できないんじゃなくてしないんです』(金22 TBS)
◎『コントレール』(金22 NHK)
◎『不機嫌な果実』(金23 テレ朝)
◎『ナイトヒーローNAOTO』(金24 テレ東)
◎『その『おこだわり』、私にもくれよ!! 』(金25 テレ東)
【土】
◎『トットてれび』(土20 NHK)
◎『お迎えです。』(土21 日テレ)
◎『火の粉』(土23 フジ)
◎『昼のセント酒』(土24 テレ東)
◎『HiGH & LOW 2』(土25 日テレ)
【日】
◎『99.9』(日21 TBS)
◎『OUR HOUSE』(日21 フジ)
◎『ゆとりですがなにか』(日22 日テレ)

 

以上です。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

アメーバブログの新エディタでは長らくYuotubeの埋め込みコードを貼り付けるとエラーになっていたのですが、4/27付のスタッフブログで、ようやくYoutube埋め込みコードに対応した、との朗報が。

 

ところが、喜び勇んで貼り付けてみると、あいかわらずのエラーが…??

 

ネットを見ると、できている人とできていない人が混在しているようで、解決策が見当たりません。

 

そこで自分なりにいろいろ試してみたのですが、原因と回避策が見つかりましたので、ご報告します。

 

 

■エラーの原因と回避方法

 

どうも、Youtube埋め込みコードの一部にハイフン「-」が存在する場合に、これが禁止ワードとみなされるようです。

 

具体的には、Youtubeの埋め込みのパラメータのうち、「プライバシー強化モードを有効にする」という項目をONにする(チェックボックスにチェックする)と、以下のようなコードが生成され、URLにハイフンが現れます。

 

<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube-nocookie.com/embed/XXXX?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

チェックボックスのチェックを外すと、以下のようなコードが生成され、ハイフンはURLに含まれないため、エラーにはならなくなります。

 

<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/XXXXI?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

ちなみに、ハイフンはどこにあっても駄目なわけではなく、NG箇所はごく限定されているようです。

たとえば、".com/"の後ろにハイフンが来てもエラーにはならないようです。

 

 

■そんなに修正が難しい??

 

しかし、ハイフンが入るか入らないかでNGになるというのはおそらくアメーバ自身も自覚していない現象なのではないでしょうか?

だから、どういう条件でエラーが発生するか自体を認識できないでいるのでは?

 

ハイフンを受け入れるよう早急に修正してほしいものですが、おそらくすぐには対応できないかもしれません。

というのも、前回の不具合解消も、2/9に新エディタが公開されてから対応まで3ヶ月近くを要しているからです。

 

そんなにたいへんな修正にはならないと思うのですが…

 

 

■{ご参考)Youtube埋め込み対応前の状況

 

ちなみに、前回のYoutube埋め込みができない不具合の原因と暫定対応方法も私なりに分析済みです。

4/27に不具合が解消されたので、もはや無用の知識ですが、もしも今後、同様の現象が起きたときのために記載しておきます。

 

以下がYoutubeで作成した埋め込みコードの例です。

 

<iframe width="420" height="236" src="https://かくかくしかじか?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

アメブロの新エディタを開き、「HTML表示」タブを選んで、上記のタグをコピペします。

この時点で「表示を確認する」ボタンをクリックして表示できるか確認してみてください。

中身は白抜きになりますが、エラー無く表示できるはずです。

 

その後、「通常表示」タブに戻ってください。

今度はYoutubeの埋め込みが中身までちゃんと表示されます。

 

そして再び「HTML表示」タブに戻ります。

そして「表示を確認する」や「下書き」「全員に公開」などをクリックすると、エラーなく処理されます。

 

ところが、ここで「通常表示」タブをクリックして通常表示にしてから「表示を確認する」や「下書き」「全員に公開」などをクリックすると、何と今度は「記事内容に禁止タグが入力されています」とエラーが出るようになります。

 

では何が悪いのだろうともう一度「HTML表示」タブを開いてみます。

すると埋め込みタグが次のようになっていることが分かります。

 

  <iframe width="420" height="236" src="https://かくかくしかじか?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen="">
  </iframe>

 

比較できるように元のコードを再掲します。

 

<iframe width="420" height="236" src="https://かくかくしかじか?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

違いが分かりにくいですが、新エディタが、インデントなど見た目を整形し、コードに文法不備があったら修正していることが分かります。

 

 ・「allowfullscreen」に「=""」を付加

 ・「</iframe>」を改行

 ・開始の「<iframe ~」の前にSPACEを2つ挿入

 ・最後の「</iframe>」の前にSPACEを2つ挿入

 

この編集後のコードは文法的には間違いないのですが、なぜかこれを(4/27以前の)新エディタは禁止タグ扱いにしていました。

 

つまり、新エディタは、ユーザが入力したコードを勝手に整形し、そのせいで自分のチェックルーチンのトラップにひっかかってしまっていたのです。

なぜ整形後のコードがチェックに引っかかるのかは不明ですが。

 

この不具合の暫定的な回避方法ですが、整形させなければいいのです。

すなわち、「HTML表示」タブのままで「下書き」なり「全員に公開」なりをすればいいのです。

一度でも「通常表示」にしてしまうと裏で整形されてしまいます。

 

ただ難点は、一度「下書き」なり「全員に公開」なりして、エディタ画面を抜けてしまうと、次に(修正しようとして)エディタで開いたときに「通常表示」タブで開いてしまうので、その時点でコードが整形されてしまい、エラーを発してしまう点です。

その際には、また「HTML表示」で整形されてしまったコードを元に戻す作業をする必要があります。

 

以上です。

 

いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)

テーマ:

いやあ、いろいろ忙しくてサイト更新できないでいましたが、おかげさまでようやく戻ってきました!

まずは陸上競技サイトの更新を済ませ、これで完全復帰です。

 

これからもよろしくお願いします。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。