Thinking every day, every night

夢想家"上智まさはる"が人生のさまざまについてうわごとのように語る


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恒例の2016年4月期のTVドラマ見どころをお送りしようと思いつつ、身辺が異様に忙しく、今クールのドラマも早や折り返し点となってしまいました。

 

ということで、「見どころ」ではなく「中間評」の形でお届けします。

 

毎度しつこく断りますが、当サイトの記事は、青春もの・純愛もの・感動モノ至上主義で、事件ものや軽いノリのエンターテインメント作品が苦手な私の独断と偏見の産物であることにご注意ください。
視聴率とはほぼ確実に反比例します(苦笑)


■期待度別講評

 

全般に、それほど期待していなかった作品に予想外に面白いものが多く、結果として継続視聴する番組を減らすことができず、嬉しい悲鳴状態となっています!


◆期待度A (毎週ワクワク)

 

◎『ラヴソング』(月21 フジ)
  http://www.fujitv.co.jp/lovesong/index.html
見る前は、藤原さくら福山雅治のCD販促番組か、アミューズの新人抱き合わせ売り込み企画なんだろうと高をくくっていたのですが、藤原さくらの女優本気度が予想以上!


吃音で世間にうまく順応できない児童養護施設出の少女の姿をまさに本人がそうなのではないかと勘違いしそうなくらいに上手く演じています。

しかも煙草が離せない結構荒々しい肉食系女子。
こんな迫真の演技をしては、本業の歌手としてのイメージに傷がつくかも…などという躊躇は微塵もない潔さ。

 

ドラマの内容も、タイトルから想像するような単なる純愛ものではなく、3K職場の実態とか、夢が果たせず挫折した人々の心に残るシコリとか、学校や職場での嫉妬やいじめの問題など、現代社会の歪を、社会派ドラマとして突き放すのではなく、当事者の目の前の問題としてうまく掬い上げています。

 

恋愛カップルとして福山雅治藤原さくらの組み合わせはあり得ないと見る向きもあるかもしれませんが、これは敢えて狙っての起用だと思いたい。

つまり、はじまりはあくまでカウンセラーと患者。そこに恋愛感情への片鱗は見えない方がいい。

それが元アーティストと才能ある歌手の卵との関係に発展し、そしてそこに患者のカウンセラーに対するいわゆる「陽性転移」が芽生え、それが本物の恋に発展して…

 


◎『ゆとりですがなにか』(日22 日テレ)
  http://www.ntv.co.jp/yutori/
宮藤官九郎の作品は個人的にはどちらかというと苦手な方なんですが、岡田将生松坂桃李柳楽優弥のトリプル主演とくれば期待しないほうが変。
そして、蓋を開けてみると、期待に違わぬ面白さ。
脚本と演出と役者がマッチすると質の高い作品が生まれるという、ある意味当り前の事実を実感。

 

旧世代 vs いわゆる「ゆとり世代」という単純な対立概念でないところがいいですね。
また、戯画化する対象との距離感が離れすぎず付きすぎず、絶妙の間で描かれているので、視聴者が自分や周りのこととしてドラマの世界を同化しやすい一方で、現実世界で疲弊し袋小路に陥りがちの自分自身を一歩引いた視点で相対化(客観視)することにより、心に余裕をもたらし、明日への活力を蘇らせることができる、そんな作品になっていると思います。

 

岡田将生松坂桃李柳楽優弥がみんなして三者三様のヘタレぶりなところが最高ですね!

 


◎『世界一難しい恋』(水22 日テレ)
  http://www.ntv.co.jp/sekamuzu/
今クールで最も嬉しい誤算がこの作品。

NHK朝ドラでブレイクした波瑠がラブコメディのヒロインに挑戦。
お相手は恋愛物には不似合いな?大野智
どちらも「はまり役」とは言いがたいので、それほど期待していなかったのですが、これもうれしい誤算です。

 

大野智が切れ者のホテル経営者という設定はやはり違和感バリバリですが、恋愛未経験で一目惚れの美人社員にジタバタする様子はむしろ適役といっていいでしょう(笑)

 

あと、見直したのが、秘書役の小池栄子
ときには厳しい恋の指南役として、そして時には不安な心を暖かく包み込む実の姉のように、大野智演じるボンボン社長を健気にサポートする姿が実に自然体で、ドラマ全体に安定感をもたらしてくれています。
初めて演技をした頃は「パッと出のモデルが、見た目の派手さで起用されただけのにわか女優」くらいに思っていましたが、その後の女優としての成長ぶりには眼を見張るものがあり、ここへきてそこにさらに自信と貫禄が出てきた印象です。(上から目線での発言に見えたらごめんなさん)

 


◎『私結婚できないんじゃなくてしないんです』(金22 TBS)
  http://www.tbs.co.jp/watashi_kekkon/

中谷美紀が15年ぶりの主演。
視聴する作品をどちらかというと俳優で選ぶミーハーな私としては、中谷美紀藤木直人が主演という時点で、「とりあえず様子見」の範疇に入れていたのですが(おふたりとそのファンの方々、ごめんなさい)、これも蓋を開けてみるとすこぶる面白く「赤丸急上昇」!

 

何といっても、中谷美紀が3枚目の「行き遅れ」女医を、臆したり怯(ひる)んだりすることなく体当たりで演じ切っていることが成功の第一ポイントでしょうか。
社会的に成功した「意識高い系」のセレブ女医が、こと恋愛とか婚活に関しては、自信も強引さも無くオロオロするばかり。
しかしそのドタバタするところが逆に愛すべきかわいらしさにもなっている、そんなヒロインを中谷美紀が好演しています。

 


◎『火の粉』(土23 フジ)
  http://tokai-tv.com/hinoko/
深夜枠だと侮っていたら大間違い。

ユースケ・サンタマリアはこの手の何を考えているかわからない不気味な隣人役をやらせると相変わらずピカ一ですね。

 

裁判で無罪放免された一家惨殺事件の容疑者が、裁判長の隣に引っ越してきて、家族同然の付き合いをしようと近づいてくるお話。
その過程で次々と失踪事件やら殺人事件やら不審な出来事が発生し、ユースケ・サンタマリアの凍りついたような不気味な笑顔が私たちの心に冷水を掛けます。

 

初回から怪しいオーラ満々で、この先何話も持つのだろうか?と余計なお世話を焼いてしまいますが、目が離せません。

 


◎『僕のヤバイ妻』(火22 フジ)
  http://www.ktv.jp/yabatsuma/index.html
浮気の果てに妻を殺そうとした矢先、妻の誘拐事件が発生し、対処するうちに妻への想いをよみがえらせるも、実は誘拐は妻の自作自演であり、夫への復讐劇の始まりだったというストーリーの心理サスペンス。


初回~第2回までで、早くも誘拐が妻の自作自演であることが分かってしまうという展開の早さに「えっ! これからどんでん返しが何度も待ち構えているってこと?」

 

このドラマの目玉は何といっても、木村佳乃の不気味な良妻?悪妻?ぶり。
すべては伊藤英明演じるダメ男の心を繋ぎ止めたいがための健気な策略なのか?それとも夫のことはとっくに見放していて、その先の深謀遠慮の果ての冷徹な行動なのか?

 

また、単なるお隣さんにしては、キャラ立ちしすぎているキムラ緑子高橋一生の歳の差カップルも、何やら裏がありそうで、事件にも絡んできそうな気配。

回を追うごとに登場人物がすべて悪人に見えてきて、真相は混迷を極めてきます。


◎『重版出来!』(火22 TBS)
  http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/

コミック編集部を舞台にした内幕物って、TVドラマではこれまであまり見当たりませんでしたから、放送開始前から楽しみにしていました。

純粋なドラマとしてではなく、単に業界内幕を覗き見するという意味でも十分見る価値があると思います。

 

出演者の顔ぶれを見ると、松重豊、安田顕、荒川良々、高田純次、生瀬勝久、オダギリジョー、小日向文世、ムロツヨシ、滝藤賢一、要潤、濱田マリ…って、どれだけ曲者(くせもの)を揃えればいいの? これで当たらなかったらどう責任取るんだよ?(笑)って感じで、このラインナップだけでもすでに勝負あり?

 

ただ最大の気がかりが、連続ドラマ初主演の黒木華(「華」と書いて「はる」と読む)。
舞台で鍛えられているだけあって、若いに似ず上手い役者さんなんですが、「昭和顔」というか、家に嫁ぎ夫を陰で支える大人しいお嫁さんといった印象があまりにも強いため、主役には決定的に向かないのでは??と思って見始めました。
が、良い意味で期待を裏切られました。

 

本人もこれまで同じような役どころばかり回ってきてイメージが固定化しつつあることに危機感を持っており、ここは勝負だと心得ていると思います。
若干張り切りすぎで「元気いっぱいさ」が空回りしている節も無きにしもあらずですが、おそらくは元々の原作がそんな感じの女の子なんでしょう。


作中では黒木華演じる黒沢心は日体大柔道部出身とのことですが、何やら『YAWARA!』の柔ちゃんを彷彿とさせますね。
うん、『YAWARA!』の実写映画化があればまさにハマり役かも。(ちなみに『YAWARA!』は過去に一度、浅香唯主演で実写映画化されています)

 


◆期待度B (毎週普通に楽しみ)


◎『コントレール』(金22 NHK)
  http://www.nhk.or.jp/drama10/contrail/
過去に通り魔に夫を殺され現在は小さな飲食店を営む未亡人(石田ゆり子)が、行きずりのトラック運転手(井浦新)と運命的な出会いをし恋に落ちていきます。
そのトラック運転手が、何と、亡き夫を助けようとして、結果として誤って死なせてしまった男だということが分かり…

大人のラブストーリーというと判で押したように、不倫による家庭崩壊、そしてドロドロ愛憎劇になりがちですが、この作品はそういう「汚らわしさ」から逃れ、ピュアさに徹しているところが良いですね!

石田ゆり子井浦新という、ともに透明感のある役者さんが、この大人のピュア・ラブストーリーにピッタリはまっていて、青春映画を見るような何とも切ない気持ちに誘われます。

 

 

◎『早子先生、結婚するって本当ですか?』(木22 フジ)
  http://www.fujitv.co.jp/hayako/index.html

教育現場が舞台になるドラマは久しぶりの感じ。
といっても学校のドラマというよりは、日々の仕事に流されて漫然と生きている、特別な野心も燃えるような恋愛も無関係な「普通の」独身女性の物語ですね。

 

ドラマは松下奈緒演じる早子先生の一人称の独白で進行するのですが、あえて低いトーンでの語り口が、「普通の人」感を出していて、視聴者が等身大の自分に重ねることを容易にしているような気がします。

 

殺伐としたドラマとか逆にドタバタ喜劇が多いなか、ホッと息つけるドラマです。
逆にいうと、インパクトに欠けるところが欠点でしょうか?
そういう意味では同じ婚活ネタで同じクールの『私結婚できないんじゃなくてしないんです』とは好対照ですね。
どちらが良い悪いではなく。

 


◎『99.9』(日21 TBS)
  http://www.tbs.co.jp/999tbs/
「99.9」とは、日本の刑事事件で検察が起訴したもののうち有罪となる確率。

この大きな壁に果敢に挑戦する弁護士たちを描く1話完結の法廷ドラマ。

ちょうど木村拓哉の『HERO』と似たようなドラマですね。

弁護士と検察と攻守ところを変えていますが。


キムタクは良くも悪くも「型破り」な熱血漢で、検察「らしくない」自由奔放さが特徴ですが、松本潤演じる弁護士は何かと妙なこだわりを持つちょっと性格的に怪しげな「草食系変人」?

 

正直、まだ松本潤演じる弁護士の人物像を捉えきれていないところがありますが、この松本潤と、前髪パッツンの爽やか榮倉奈々、そして彼らを軽蔑しながら図らずも手助けする役回りを演じてしまう「不良」弁護士・香川照之のコンビが何とも良い味を出していて、次回も見てみようという気にさせてくれます。

 

 

◎『トットてれび』(土20 NHK)

  http://www.nhk.or.jp/dodra/tottotv/

これはドラマとしての楽しさというより、昭和テレビ史を追体験できることの楽しさから見ています。

おそらく視聴者の年齢層によって受け止め方が異なるのではないでしょうか?

若者からすれば、初めて目にするものばかりで新鮮な驚きの連続かもしれません。

私にとっては子供の頃の懐かしい映像の連続で、ノスタルジーに浸り切っています。

そtれにしても、NHK教育の『チロリン村とくるみの木』や『ブーフーウー』『ひょっこりひょうたん島』黒柳徹子が声の出演をしていたとは知りませんでした。

 

 

◎『毒島ゆり子のせきらら日記』(水24 TBS)

  http://www.tbs.co.jp/busujima/

深夜枠ですが、これは予想外に面白い。

番宣で「二股」だの「深夜の昼ドラ」だのという言葉が飛び交っていたので、どうせお色気体とドロドロ愛憎劇に前田敦子が体当たり演技するという話題性だけの作品だろうと高をくくっていましたが、内容は全然違っていました。

まあ、主人公・毒島(ブスじま)ゆり子の生き方は非倫理的で、決して褒められたものではありませんが。

 

内容は全然違いますが、やはり放送開始後にブレイクした『民王』と雰囲気が似通っていると感じたのは私だけでしょうか?

 

 

◆期待度C (様子見~脱落寸前)

◎『お迎えです。』(土21 日テレ)
福士蒼汰土屋太鳳が、この世に未練を残す幽霊を成仏させてあげるバイトに勤しむ物語。

一話完結で、さまざまな人間模様(幽霊模様?)を描きますが、この手の作品はいかに視聴者を飽きさせないかが最大の課題。

個人的には毎回お決まりの土屋太鳳福士蒼汰の尻に食らわせる強烈なキックが最大の楽しみ(笑)。

 

◎『OUR HOUSE』(日21 フジ)

視聴率的に裏番組のフジ『99.9』に完全に食われた形となりました。

少しだけお姉さんになったセーラー服姿の芦田愛菜がどんな演技を見せてくれるかが第一の興味の的でしたが、残念ながら初回から空回りしている感が否めません。

これがテレビドラマではなく舞台の上でなら、それほど違和感を感じないのかもしれませんが、茶の間からじっくりテレビ画面を見るシチュエーションではもっとナチュラルな演技でなければドラマの世界にどっぷり浸かることができなくなります。

回を追うごとに落ち着いてくれればいいのですが…

 

◎『不機嫌な果実』(金23 テレ朝)

まさに昼ドラ的な深夜ドラマ。

原作の林真理子の同名小説を直接読んだわけではありませんが、そもそも原作の内容そのものが私の好みと相容れないのだと思います。




◆期待度X (未視聴につき判断保留)

 

ブルーレーレコーダに溜め込んだまま、まだほとんど未視聴なため、とりあえず判断保留でここに置きました。

もう少し時間ができたらまとめて視聴しようと思います。

 

◎『ドクターカー』(木24 日テレ)

◎『ディアスポリス』(火25)

 

◎『ナイトヒーローNAOTO』(金24 テレ東)


■曜日別番組一覧

 

【月】
◎『ラヴソング』(月21 フジ)
【火】
◎『重版出来!』(火22 TBS)
◎『僕のヤバイ妻』(火22 フジ)
◎『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』(火25 TBS)
◎『ディアスポリス』(火25)
【水】
◎『警視庁捜査一課9係』(水21 テレ朝)
◎『世界一難しい恋』(水22 日テレ)
◎『毒島ゆり子のせきらら日記』(水24 TBS)
【木】
◎『警視庁・捜査一課長』(木20 テレ朝)
◎『鼠、江戸を疾る2』(木20 NHK)
◎『グッドパートナー』(木21 テレ朝)
◎『早子先生、結婚するって本当ですか?』(木22 フジ)
◎『ドクターカー』(木24 日テレ)
【金】
◎『ドクター調査班』(金20 テレ東)
◎『私結婚できないんじゃなくてしないんです』(金22 TBS)
◎『コントレール』(金22 NHK)
◎『不機嫌な果実』(金23 テレ朝)
◎『ナイトヒーローNAOTO』(金24 テレ東)
◎『その『おこだわり』、私にもくれよ!! 』(金25 テレ東)
【土】
◎『トットてれび』(土20 NHK)
◎『お迎えです。』(土21 日テレ)
◎『火の粉』(土23 フジ)
◎『昼のセント酒』(土24 テレ東)
◎『HiGH & LOW 2』(土25 日テレ)
【日】
◎『99.9』(日21 TBS)
◎『OUR HOUSE』(日21 フジ)
◎『ゆとりですがなにか』(日22 日テレ)

 

以上です。

 

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アメーバブログの新エディタでは長らくYuotubeの埋め込みコードを貼り付けるとエラーになっていたのですが、4/27付のスタッフブログで、ようやくYoutube埋め込みコードに対応した、との朗報が。

 

ところが、喜び勇んで貼り付けてみると、あいかわらずのエラーが…??

 

ネットを見ると、できている人とできていない人が混在しているようで、解決策が見当たりません。

 

そこで自分なりにいろいろ試してみたのですが、原因と回避策が見つかりましたので、ご報告します。

 

 

■エラーの原因と回避方法

 

どうも、Youtube埋め込みコードの一部にハイフン「-」が存在する場合に、これが禁止ワードとみなされるようです。

 

具体的には、Youtubeの埋め込みのパラメータのうち、「プライバシー強化モードを有効にする」という項目をONにする(チェックボックスにチェックする)と、以下のようなコードが生成され、URLにハイフンが現れます。

 

<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube-nocookie.com/embed/XXXX?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

チェックボックスのチェックを外すと、以下のようなコードが生成され、ハイフンはURLに含まれないため、エラーにはならなくなります。

 

<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/XXXXI?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

ちなみに、ハイフンはどこにあっても駄目なわけではなく、NG箇所はごく限定されているようです。

たとえば、".com/"の後ろにハイフンが来てもエラーにはならないようです。

 

 

■そんなに修正が難しい??

 

しかし、ハイフンが入るか入らないかでNGになるというのはおそらくアメーバ自身も自覚していない現象なのではないでしょうか?

だから、どういう条件でエラーが発生するか自体を認識できないでいるのでは?

 

ハイフンを受け入れるよう早急に修正してほしいものですが、おそらくすぐには対応できないかもしれません。

というのも、前回の不具合解消も、2/9に新エディタが公開されてから対応まで3ヶ月近くを要しているからです。

 

そんなにたいへんな修正にはならないと思うのですが…

 

 

■{ご参考)Youtube埋め込み対応前の状況

 

ちなみに、前回のYoutube埋め込みができない不具合の原因と暫定対応方法も私なりに分析済みです。

4/27に不具合が解消されたので、もはや無用の知識ですが、もしも今後、同様の現象が起きたときのために記載しておきます。

 

以下がYoutubeで作成した埋め込みコードの例です。

 

<iframe width="420" height="236" src="https://かくかくしかじか?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

アメブロの新エディタを開き、「HTML表示」タブを選んで、上記のタグをコピペします。

この時点で「表示を確認する」ボタンをクリックして表示できるか確認してみてください。

中身は白抜きになりますが、エラー無く表示できるはずです。

 

その後、「通常表示」タブに戻ってください。

今度はYoutubeの埋め込みが中身までちゃんと表示されます。

 

そして再び「HTML表示」タブに戻ります。

そして「表示を確認する」や「下書き」「全員に公開」などをクリックすると、エラーなく処理されます。

 

ところが、ここで「通常表示」タブをクリックして通常表示にしてから「表示を確認する」や「下書き」「全員に公開」などをクリックすると、何と今度は「記事内容に禁止タグが入力されています」とエラーが出るようになります。

 

では何が悪いのだろうともう一度「HTML表示」タブを開いてみます。

すると埋め込みタグが次のようになっていることが分かります。

 

  <iframe width="420" height="236" src="https://かくかくしかじか?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen="">
  </iframe>

 

比較できるように元のコードを再掲します。

 

<iframe width="420" height="236" src="https://かくかくしかじか?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

違いが分かりにくいですが、新エディタが、インデントなど見た目を整形し、コードに文法不備があったら修正していることが分かります。

 

 ・「allowfullscreen」に「=""」を付加

 ・「</iframe>」を改行

 ・開始の「<iframe ~」の前にSPACEを2つ挿入

 ・最後の「</iframe>」の前にSPACEを2つ挿入

 

この編集後のコードは文法的には間違いないのですが、なぜかこれを(4/27以前の)新エディタは禁止タグ扱いにしていました。

 

つまり、新エディタは、ユーザが入力したコードを勝手に整形し、そのせいで自分のチェックルーチンのトラップにひっかかってしまっていたのです。

なぜ整形後のコードがチェックに引っかかるのかは不明ですが。

 

この不具合の暫定的な回避方法ですが、整形させなければいいのです。

すなわち、「HTML表示」タブのままで「下書き」なり「全員に公開」なりをすればいいのです。

一度でも「通常表示」にしてしまうと裏で整形されてしまいます。

 

ただ難点は、一度「下書き」なり「全員に公開」なりして、エディタ画面を抜けてしまうと、次に(修正しようとして)エディタで開いたときに「通常表示」タブで開いてしまうので、その時点でコードが整形されてしまい、エラーを発してしまう点です。

その際には、また「HTML表示」で整形されてしまったコードを元に戻す作業をする必要があります。

 

以上です。

 

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いやあ、いろいろ忙しくてサイト更新できないでいましたが、おかげさまでようやく戻ってきました!

まずは陸上競技サイトの更新を済ませ、これで完全復帰です。

 

これからもよろしくお願いします。

 

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2016年1月期のドラマも終了し、すでに4月期ドラマも続々スタートしている今日このごろ。

遅ればせながら、恒例のドラマ評をお送りします。

 

いつもはドラマ開始時に「見どころ」記事や、始まって間もない時期に「中間評」など書くのですが、今1月期はタイミング的にいろいろ忙しくて、何も書けないまま、このドラマ評になってしまいました。

 

なお、毎度お断りするように、この評価記事は、青春もの・純愛もの・感動モノ至上主義で、事件ものや軽いノリのコメディに価値を見い出せない私の独断と偏見の産物であることにご注意ください。
視聴率とはほぼ確実に反比例します(苦笑)

 

また、取り上げた作品は地上波に限定しています。
さらにテレビ東京の作品は東京ローカル限定の可能性が高いですが、ご了承ください。

 

■総評

 

今クールのドラマに対する皆さんの評価はいかがでしょうか?

 

完全に成功したかどうかは別にして、意欲作が多い充実したクールだったというのが私の感想です。

一方で「つまらなかった」「早々に脱落した」という感想も多く聞かれそうです。

これらは決して相反するものではなく、意欲作=視聴率が伸びないという現象はしばしば起こりがちな現象ですね。

視聴者の多数派ニーズと制作者側の意図の間にどうしても温度差が出てくるのは否めない事実です。

 

私の中で評価が高かったのは具体的には以下のような作品です。

・『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』

・『わたしを離さないで』

・『逃げる女』

 

また、今クールは、最近には珍しく、純愛もの、求愛ものが多かったですね。
その性格上、幅広い視聴者層には支持されないため、視聴率が低迷傾向になるのは避けられませんが、私としては願ったりのクールでした。
おかげで、観るべき番組が多すぎて嬉しい悲鳴状態でしたが。

 


■各賞発表

 

◆大賞
◎『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』
(月21 フジ)

 

講評:

いまや押しも押されぬCM女王有村架純民放連ドラ初主演作であり、25年前に大ヒットし社会現象にまでなった『東京ラブストーリー』や最近でも『Mother』などで根強いファンを持つ気鋭の脚本家坂元裕二が満を持して送り出す「現代の東京ラブストーリー』とあって、始まる前から期待は極大。

 

まさに王道の月9ラブストーリーかと思いきや、これ、「月9」というより、どちらかというと「木10」のテイストでしたね。
作品の雰囲気があの倉本聰『北の国から』に通じるものがありました。

 

「月9かくあるべし」というルールなどありませんが、ドラマを気楽に見たいという視聴者や月9にトレンディーで華のある都会の雰囲気を期待する視聴者にとっては、週のはじめから重すぎる内容だったかもしれませんね。
この点に関しては個人的には全く無問題でしたが、賛否両論、評価が分かれるところでしょう。

 

それより、私が少し引っかかったのは、まさに倉本聰の作品でもいえることなのですが、脚本家の思い入れやこだわりによる独特のセリフ回しや間(ま)、言動が鼻につく場面がここかしこにあって、それが感情移入の妨げになったところ。

 

具体的な例を示せずに批判だけするのはたいへん申し訳ないのですが、「これ、田舎から上京してきた君らが共通に体験した『あるある』だろ!」とか「この会話は、いつか使いたいと大事に温めてあったものなんだよ」とか「さあ、ここが泣き所だよ!」といった脚本家のつぶやきが、役者の背後から聞こえてくるような明け透けさというか押し付けがましさを感じていまうんですよね。

 

それが脚本の自意識過剰に由来するのか、過剰演出の問題なのか、俳優の表現力の問題なのか、はたまた視聴者としての私が捻くれすぎているだけなのか、その辺の原因分析は難しいところですが。

 

とさんざん文句を言いつつも、この作品を「大賞」に選んだわけですから、そういった違和感を吹き飛ばしてしまうほどの圧倒的な「トキメキ」「ワクワク」「ウルウル」感を与えてくれる極上の青春群像劇であることに間違いありません!

 

田舎から都会に出てきた若者が共通に抱く不安や葛藤や孤独。そして郷里への反発と執着の入り混じった感情のせめぎ合い。これは普遍的なテーマですね。

 

これに加えて、不安定な非正規雇用の拡大、ブラック企業の横行、それを背景に進行する若者の精神的荒廃といったきわめて今日的な問題にも果敢に取り組み、ドラマに奥行きを与えました。

 

「月9最低視聴率を更新」というニュースも流れましたが、この作品が特に失敗だったわけではないと思います。

ただ、最初に述べたように、月9ではなく、木10などの方がふさわしかったかもしれません。(木10だったとしても、視聴率が変わったとは思えませんが)

 

個人的な興味として、これまで女優として今ひとつ弾けきれていない有村架純が主演女優としてどこまで脱皮できるかという点がありましたが、これについては微妙でした。
作中人物になりきれていないというか、どこまでも「アイドルタレント有村架純」の顔が前面に見えてしまうんですよね。

いや、魅力的な女優さんであることは間違いないんですよ! さらなる成長に期待したいですね。

 

 

◆優秀作品賞
◎『逃げる女』
(土22 NHK)

◎『わたしを離さないで』(金22 TBS)
◎『あさが来た』(月-土8 NHK)

 

講評:

『逃げる女』

この作品をひとことで言うと「ドラマ制作の玄人好みのドラマ」といえるのではないでしょうか?

素人の私が言うのも何ですが。

作品としての「品質」という点で評価すれば、この作品が大賞になってもおかしくないと思いました。

ただし、ここではあくまで「私の好み」という点を重視したため、泣く泣く優秀作品賞に挙げるにとどめた次第です。

 

風光明媚な長崎県平戸や佐世保を舞台に繰り広げられる一種の「ロードムービー」ドラマでありながら、このスリルと緊迫感、臨場感といったらどうでしょう!

温かい南国の風景のはずが、主人公や登場人物の不安や絶望を反映して、北国の殺伐・荒涼とした風景にも見えてくる、まさに演出の妙。

とりわけカメラワークの秀逸さには眼を見張るものがありました。

「逃げる女」らしく主人公の走る姿や歩く姿が全編に溢れるのですが、それを手持ちのカメラで追いかけながら撮影すれば臨場感MAX!

またあるときは固定カメラの遠景からズームイン・ズームアウト。

素人の私が説明すると基本中の基本しか説明出ませんが、とにかくさまざまな技術を適材適所に適用して、心理描写を見事に映像表現に昇華できていました。

 

この作品でさらに話題をさらったのは、途中から主人公と行動を共にするようになる殺人犯の若い女性役を演じた仲里依紗鬼気迫る演技

個人的には演技がちょっとオーバーアクション気味かなとも感じられましたが、親の愛情を知らずに孤独のなか、世間から爪弾きにされるように育ってきた人間の、世界に対する憎悪、自暴自棄ともとれる破壊衝動、そしてだからこそ主人公に寄り添って無意識に救いを求めようとする(がそれをうまく表現できない)未成熟な魂の叫びを、存分に表現していました。

 

『わたしを離さないで』

日本生まれで英国に帰化し英国を代表する現代作家として知られるカズオ・イシグロの同名小説のドラマ化とあって、これをどう料理して現代の日本に当てはめることができるのか、興味深いものがありました。


ストーリーとしては、人に臓器を提供するだけのために生まれてきたクローン人間の子どもたちが、生きる意味を模索しながら、その短い生涯を懸命に生きる姿を描く、非常に重いテーマの作品。

 

しかし、この作品を、将来的に現実化する可能性のある遺伝子操作によるクローン人間とその生命倫理の問題に矮小化してしまってはもったいないでしょう。

同じ問題は、単に食すためだけに、牛や豚や馬を大量生産し、「家畜」という免罪符によって、生命を平然と絶つ現代人にもあてはまるはず。

また、人種などマイノリティが差別的な(ときには非人間的な)扱いを受け、それに抗議しても、大多数の人々に声が響かないという現状にもあてはまるでしょう。

 

そういう意味で、私たちは感性のアンテナをより敏感に張り巡らせば、この主人公たちにも、さらには周りの一般大衆たちにも、感情移入できるはずだです。

このドラマはそういうことを考える機会を与えてくれたという点で高く評価したいと思います。


『あさが来た』

これについては以前すでに「2015年10月期TVドラマ 中間評」で解説済み。

久々に「朝ドラ」らしい朝ドラだと感じたとおり、高視聴率に終わりましたね。

 

ただ前半が出色の出来栄えだったのに比べて、やることをやり終えた感のある後半(商売の一線から半ば退き、日本初の女子大設立に向け尽力するあたりから)はやや失速気味だったかな~とも個人的には感じられました。

やはり「ハイカラさんが通る」みたいな型破りなお転婆少女が大人になっても変わらず破天荒な行動で世間を動かしリードしていく、みたいなストーリーを見たいんですよね。

その点、後半は「棘」がとれて、仲睦まじい夫婦的な雰囲気に満たされてしまったところが個人的な不満点でした。

 

 

◆上智まさはる お気に入り賞
◎『ダメな私に恋してください』
(火22 TBS)
◎『スミカスミレ』(金23 テレ朝)

 

寸評:

『ダメな私に恋してください』

アラサーの肉食系・非モテ・ダメ女子が元上司に恋するシンデレラ系恋愛ファンタジーをフカキョンこと深田恭子と今をときめくDEAN FUJIOKAが好演。

深田恭子はどう見ても非モテ女子には見えませんが…

それにしても、気がついたらもう33歳になる深田恭子が、相も変わらぬ「不思議少女」ぶりで「主任ぃ~ん♡」などと「ぶりっ子」しても、そこに少しも違和感や嫌らしさが感じられないどころか、むしろ「ぶりっ子」の円熟味が増し完成形に向かっているとすら感じられるのはどういうことでしょう。

これはもはや他の追随を許さぬ「才能」ですね!

 

というわけで、本当は個人的に今クールで最も楽しく観ることが出来た作品であり、深田恭子最優秀主演女優賞に推したいくらいのところを、「大人の」自分がそれを制したため、代わりに私の名を冠した特別賞を贈ることにしました。

 

『スミカスミレ』

母の介護に明け暮れ、独身のまま60歳を迎えた老婆(松坂慶子)が、屏風に描かれた化け猫(及川光博)の霊力により、女子大生(桐谷美玲)に若返って、キャンパスライフや恋愛を謳歌するという荒唐無稽の現代のファンタジー。

あえて悪人を登場させず、とことんファンタジーに徹した作りがよかったですね。

桐谷美玲が主演ということで見始めましたが、もうひとりの主演(久々の?主演となった)松坂慶子が夜の11時を過ぎて、若い姿から本来の年寄りの姿に戻ってしまうときのアタフタする姿がとても可愛いかったですね!

松坂慶子といえば、1970年代はじめにTVドラマ『おくさまは18歳』『なんたって18歳!』岡崎友紀演じるヒロインのライバル役として出演していたのが当時18歳~19歳のころなので、今回のドラマでまさにそのときと同年齢の役柄を演じたことになります。



◆最優秀主演女優賞
◎広末涼子/内田有紀(『ナオミとカナコ』(木22 フジ))

  ◆次点:水野美紀(『逃げる女』)

  ◆次点:波瑠(『あさが来た』(月-土8 NHK))

 

寸評:

広末涼子内田有紀合わせ技で一本!

『ナオミとカナコ』で、夫のDVに悩む女性とその親友が、止むやまれず夫を殺害し、替え玉を使って隠蔽工作したあげく逃亡を図るという難しい役回りを、ダブル主演の広末涼子内田有紀がよく演じきったと思います。

特に内田有紀は、若い頃はボーイッシュで活発なイメージで熱烈なファンを獲得しながら、歳を重ねるにつれ、その立ち位置からの脱却に苦労していたようですが、2012年の『最後から二番目の恋』あたりから、どこか吹っ切れたような印象を持ちます。

前クールの『偽装の夫婦』では大人しく女性らしい同性に恋する母親役を演じて新たな魅力を発揮し、この『ナオミとカナコ』でも、DVに悩む気弱な若妻が夫の殺害を企て葛藤するさまを見事に演じ切りました。

 

 

◆最優秀主演男優賞
◎遠藤憲一
(『お義父さんと呼ばせて』、『逃げる女』)

  ◆次点:高良健吾(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』)

 

寸評:

数年前までは端役のチンピラの印象しかなかった遠藤憲一が、このところドラマに映画にCMにと引っ張りだこで、今や押しも押されもせぬお茶の間の主役になっています。

2015年の『民王』で主役の総理大臣をコミカルに演じて新境地を開拓したと思ったら、今クールは『お義父さんと呼ばせて』『逃げる女』の2作品に登場。

かたや商事会社の熱血企業戦士、かたや冤罪事件を後悔する刑事。

いずれも味のある迫真の演技でドラマを引き立てました。

 

 

◆最優秀助演女優賞
◎仲里依紗
(『逃げる女』)

  ◆次点:吉田羊(『ナオミとカナコ』)

  ◆次点:高畑淳子(『ナオミとカナコ』)

 

寸評:

上の優秀作品賞の寸評でも書いたように、文句なしに仲里依紗を選出。

演技過剰の嫌いが無きにしもあらずですが、主役をも喰ってしまうほどの無二の存在感はお見事というほかありません。

ヤンキー的な役柄が固定化しつつあるのが今後に向けた課題ですかね。

 

次点はともに『ナオミとカナコ』で老練な演技を魅せつけた吉田羊高畑淳子

吉田羊仲里依紗がいなければ間違いなく最優秀助演女優賞に選出していたところでした。殺された弟の無念を晴らすべく犯人を追い詰めるその鬼気迫る演技は、どちらが殺人犯か分からないほどで、お茶の間の視聴者を凍りつかせ、作品に緊迫感を与えました。

ラストで海外逃亡しようとするナオミとカナコを成田空港で寸前に追い詰めたとき、虚空を見上げて「ウォー」と叫んだ姿がいまだに目に焼き付いています。

 

同じく次点の高畑淳子は、在日中国人社長を片言の日本語で見事に演じて、作品に深みと旨味を出すことに貢献していたと評価して選出しました。

 


◆最優秀助演男優賞
◎DEAN FUJIOKA
(『あさが来た』
              『ダメな私に恋してください』)

 

寸評:

NHK朝ドラ『あさが来た』で明治の実業家、五代友厚を演じてお茶の間の女性たちのハートを鷲掴みにしたディーン・フジオカが、民放ラブコメディ『ダメな私に恋してください』で厳しさと優しさを兼ね備えた先輩を演じて、さらにファンの胸をキュンとさせましたね。

俳優としての出自とか立ち位置が斎藤工にも似たところがありますが、斎藤工がどこか影というかひねたところが見え隠れするのに対して、ディーン・フジオカの場合は裏がなくてどこまでも表という印象。

この透明感はとても貴重ですが、それが今後に吉と出るか凶と出るかはまた別問題。

 


◆ライジングスター賞
◎高畑充希
(『東京センチメンタル』、
        『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』)

 

寸評:

高畑充希といえば、これまで正直、主役というより、ヒロインの職場の同僚とか、親友のフリして嫉妬でヒロインを脅かす役など、どちらかというと脇役やヒール役の印象が強かったのですが、このところ、一皮むけて、堂々と主役を張れるようなオーラを備えてきたように感じています。

若いとはいえ役者としての芸歴は長く、もともと演技力には定評がありましたが、何か転機となるものがあったのか、実績と自信の積み重ねが自ずと役者としての「箔」を形成してきたということか。

今クールは『東京センチメンタル』と『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』に出演し、いずれもいい味を出していました。

最優秀助演女優賞をあげてもおかしくなかったのですが、上で書いたように主演女優としての魅力も兼ね備えてきた昇り龍の女優という意味で「ライジングスター賞」を授与しました。

4月開始のNHK朝ドラの主役が決定しているので、期待大ですね!

 

 

◆優秀音楽賞

 

◎手嶌葵明日への手紙」(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』)
◎aikoもっと」(『ダメな私に恋してください』)
◎EXILE ATSUSHI + AINo more」(『ナオミとカナコ』)
◎Julia ShortreedNever Let Me Go」(『わたしを離さないで』)

 

 

以上です。

 

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今日、日比谷線の秋葉原駅を使ったら、発車メロディーがAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」に変わっていたぞ。

いや、それだけ。

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2月初旬の平日に、東京上野にある東京都美術館で開催されている『ボッティチェリ展』に行ってきましたので、簡単にご報告します。

 

 

・名称  :ボッティチェリ展

・会場  :東京都美術館(東京・上野)
・会期  :2016年1月16日(木)―2016年4月3日(木)  
・開館時間:9:30~17:30(入場は17:00まで)

      毎週金曜日は~20:00(入場は~19:30) 
・休館日 :月曜日、3月22日(火)

      ただし、3月21日(月)、3月29日(火)は開室
・料金  :一般 1,600円 学生(大学、専門学校) 1,300円 

      高校生 800円 65歳以上 1,000円

      中学生以下 無料 

 

東京都美術館HP

展覧会特設サイト

 

■本展の特徴

イタリア・ルネサンス期を代表する巨匠の一人、サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)の日本で初めての本格的な回顧展です。

 

ボッティチェリの作品は、多くが板に描かれ、きわめて繊細なため、これまで、まとまった数の来日は叶いませんでした。

 

今回、日伊国交樹立150周年記念ということでイタリア政府の全面的な協力を得て、フィレンツェはじめ世界各地から20点以上ものボッティチェリの作品を集めることが実現しました。(現存するボッティチェリの作品は全世界でわずか100点くらいといいますから、結構な数を集めましたことになります)

ただし、ボッティチェリの代表作と目される『ヴィーナス(ウェヌス)の誕生』や『春(プリマヴェーラ)』は今回展示されていません。

 

さらに、ボッティチェリの師フィリッポ・リッピや、弟子でありライバルでもあったフィリッピーノ・リッピの作品なども交え、合計約80点を展示して、巨匠ボッティチェリの初期から晩年までの画業と、15世紀フィレンツェにおける絵画表現の系譜をたどります。

 

ボッティチェリの時代背景

ときはルネサンス期。

 

ルネサンスといえば、言わずと知れた14世紀から16世紀にかけて興った古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようという一大文化ムーブメントですね。

14世紀にイタリアで始まり、やがて西欧各国に広まり一大勢力となりました。

 

ルネサンスを定義するのは難しいですが、素人的に分かりやすいのは、主にキリスト教信仰に基づく「硬直化した不自然な人間表現」を是とする時代から、そういう呪縛から解き放たれた「自然な人間表現」へ転換を意図したという捉え方。

 

このふたつの指向性は、有史以来、その時代、時代で主流になったり、取って代わられたりということを繰り返しながら今日に至っています。

 

まあ、政治でも何でも、時代の趨勢が左右の両極端を行ったり来たりして歴史が進むというのは世の常のようです。

 

技法や見た感じから区別すると、中世の絵画が主にテンペラを使った淡く単調ながらも明るい色使いなのに対して、ルネサンス以降は、次第に、表現の自由度が高く、ぼかし表現や透明感のある描写が可能で、モチーフを自然な質感で写実的に描き出すことが可能な油彩技法へと推移していきます。

 

ルネサンス芸術は、美術史上、黎明期(14世紀)、初期(150世紀-15世紀後半)、盛期(15世紀後半-16世紀前半)、そして後期のマニエリスム期(16世紀前半-16世紀末)などと分けて語られることが多いようです。
綺麗に分けられるものではないと思いますが、概ね、レオナルド・ダ・ビンチ、ラファエロ、ミケランジェロの「三大巨匠」以降を「盛期ルネサンス」と呼び、それ以前を「初期ルネサンス」と呼ぶようです。

 

そしてボッティチェリ初期ルネサンスの芸術家に数えられています。

時代的にはほとんど同じだし、ボッティチェリとレオナルド・ダ・ビンチは一時期、同じ工房で仕事をしていたんですけどね。

 

 

 

■ボッティチェリの特徴

ルネサンス期の同時代の芸術家たちが、科学的な遠近法や明暗法を駆使した自然主義的な表現に向かうなか、ボッティチェリは中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式を貫きました。

先ほど挙げたテンペラから油彩への移行という観点からも、ボッティチェリはほとんどの作品をテンペラで制作しています。

つまり、急進的なルネサンス推進派からすれば、どちらかといえば保守勢力なわけですね。

 

このことが、レオナルド・ダ・ビンチらとほとんど同時代人であるにもかかわらず、「初期ルネサンス」画家に分類され、その後も19世紀後半まで西洋美術史の主流から忘れられた存在になってしまった大きな原因のひとつなのでしょう。

 

しかし、当時のボッティチェリは、あのメディチ家から殊のほか寵愛され、注文が後を絶たないほどの当代きっての売れっ子芸術家だったようです。

我が道を行くレオナルド・ダ・ビンチが手記の中で唯一名前を挙げているのがボッティチェリということです。

 

現代的な観点からすれば、中世的な荘厳な美術を継承・追求しつつ、新たなルネサンスの潮流の礎のひとつとなった点で、とても重要な画家のひとりと考えていいのでしょう。

 

■展覧会の構成

展覧会は以下の4つの部屋から構成されていました。

ごく簡単に言えば、年代順にボッティチェリとその周辺を辿っていくわけです。

 

第1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ
第2章 フィリッポ・リッピ、ボッティチェリの師
第3章 サンドロ・ボッティチェリ、人そして芸術家
第4章 フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリの弟子からライバルへ

 

■第1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ

まずはボッティチェリ本人ではなく、その時代背景を語るものとして、ヒスイやアメシストなどで出来た杯、ブロンズ製のメダル、その他工芸品や彫刻、絵画などが展示されていました。

ここは省略。

 

■第2章 フィリッポ・リッピ、ボッティチェリの師

ボッティチェリは、1464年~1467年の間、フィリッポ・リッピ(1406-1469)の工房で修行時代を過ごし、基礎を作り上げました。20歳そこそこの年齢ですね。

師の画風や技法がボッティチェリのその後に多大な影響を与えたのは当然ですね。

 

当時は、芸術作品を芸術家とその弟子らから構成される「工房」で多人数で制作するのが一般的だったようです。

ちょうど日本のマンガやアニメの制作現場に似ていますよね。手塚治虫の作品は手塚プロ名義で弟子たちが分業で制作にあたるというように。

 

ですから画家を志す場合、まずは有名な芸術家の工房に入り、そこで下働きの経験を積みながら、いずれは独立していくというステップを積むのが一般的だったようです。

 

下の絵がフィリッポ・リッピの作品です。

 

フィリッポ・リッピ《聖母子》 1436年頃
板に移されたテンペラ、27.3x21cm、ヴィチェンツァ市民銀行蔵

 

■第3章 サンドロ・ボッティチェリ、人そして芸術家

フィリッポ・リッピが1466年に拠点を移すと、フィレンツェに残ったボッティチェリは、アンドレア・デル・ヴェロッキオ(1435頃-1488)の工房に出入りするようになります。

 

ヴェロッキオは、多くの弟子をとったことで有名です。

あのレオナルド・ダ・ビンチも弟子のひとりでした。

レオナルド・ダ・ビンチ(1452-1519)がヴェロッキオの工房に入ったのが1466年、14歳のときなので、ちょうど同じ頃に21~22歳のボッティチェリも工房に出入りするようになったと考えられます。

 

レオナルド・ダ・ビンチがゼロからのスタートだったのに対して、ボッティチェリは一説では、弟子というより、すでにヴェロッキオの共同制作者的な立場だったとも言われます。

 

下の作品はそのヴェロッキオ工房時代の作品で、母子像としては上のフィリッポ・リッピの『聖母子像』を踏襲しつつも、幼児キリストの描き方はヴェロッキオの影響を色濃く反映しているそうです。

枠いっぱいに広がるアーチとその後方のバラ、そして床面に遠近法を用いて奥行きを描出し、母子のリアリティを前面に押し出そうとするところにルネサンス絵画の特徴の一端が見えます。

しかし、聖母子像そのものにはいかにも中世的な威厳が保たれています。

 

ボッティチェリ《バラ園の聖母》 1468-69年頃

テンペラ・板、124x64cm、フィレンツェ ウフィツィ美術館

 

 

ボッティチェリはその後、1470年に師のフィリッポ・リッピが亡くなると、自らの工房を構え、大々的に大型注文を受けるようになります。

 

下の作品はそうした急速に名声を獲得しつつあった時期の作品です。

右隅にいてこちらを向いているのがボッティチェリ本人。

その後方でやはりこちらを見ている青い服の人物が注文主の商人ラーマ。

そして幼児キリストに手を差し伸べている博士と中央下の白衣の2人の博士、その後方の黒衣の横顔の男、左隅の剣を持った男がメディチ家の一族と言われていて、ラーマをメディチ家と同じ絵に描くことにより、ラーマ家のステータスを世間に示そうとしたものと思われます。

 

「東方三博士の礼拝」はその後、レオナルド・ダ・ビンチも制作を試みますが、草稿の段階で頓挫し、ボッティチェリの弟子でありフィリッポ・リッピの息子でもあるフィリッピーノ・リッピがその後を引き継いで完成させるというエピソードがあります。

 

ちなみにこの頃、ミケランジェロ(1475-1564)が誕生しています。

 

 

ボッティチェリ《ラーマ家の東方三博士の礼拝》 1475-76年頃

テンペラ・板、111x134cm、フィレンツェ ウフィツィ美術館

 

 

下の作品は、メディチの愛人で当時フィレンツェ一番の美人として知られていたシモネッタを理想化して描いたものといわれています。

現代の観点からこれを見ると、ラファエル前派唯美主義の画家たちにつながるものが確かに認められるような気がします。

 

 

ボッティチェリ《美しきシモネッタの肖像》 1480-85年頃

テンペラ・板、65x44cm、丸紅株式会社

 

 

下の作品は本展のパンフレットや図録の表紙にも使われたボッティチェリの代表作のひとつ。

ちょうど『ヴィーナスの誕生』と同時期の作品であり、まさにボッティチェリの最も油の乗り切った時期の作品と言っていいでしょう。

またこの頃、ラファエロ(1483-1520)が誕生しています。

 

 

ボッティチェリ《聖母子 (書物の聖母)》 1482-83年頃

テンペラ・板、58x39.6cm、ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館

 

 

下の作品はギリシャ神話の世界を描いたもので、当時の家具調度品の装飾に好まれて使われた図柄のようですが、この作品がボッティチェリと工房の手によるものと初めて言及されたのは、1949年のことだそうです。

ボッティチェリ作として残された下絵や壁画に、この絵の一部と類似のものが存在することが主な根拠のようです。

 

工房での分業体制は、全体の構図をボッティチェリが決め、工房の弟子たちが各部を分担して描き、主要人物の顔や衣装など重要部分には後からボッティチェリが仕上げの筆を入れるという体制をとっていたと言われています。

 

 

ボッティチェリと工房《パリスの審判》 1485-88年頃 

テンペラ・板、81x197cm

ヴェネツィアチーニ邸美術館(ジョルジョ・チーニ財団)

 

 

下の作品は、ボッティチェリの功成り名遂げた晩年に近い時期のもので、なかなか興味深い作品です。

遠近法を効かせた全体の構図、背景の建物の精緻な描写、登場人物らの三者三様のダイナミックな動きなど、画家の高度な技術を誇って「どうだ!」と言わんばかりです。

 

タイトルにあるアペレスとは古代ギリシャで最も著名だった画家です。

アペレスは友人の画家がエジプト王プトレマイオス4世の前で自分を誹謗したことに抗議する意味で『誹謗』という作品をプトレマイオスに送りました。

ボッティチェリのこの作品は、その『誹謗』の復元を試みたもので、当時、複数の画家たちが自らの技量が古代画家に匹敵することを誇示するべく、同じ主題を手がけていたのだそうです。

 

作品全体が暗喩に満ちていて、中央の青い服の美しい女性が「誹謗」。

彼女に髪を掴まれ引きずられながら手を合わせているのが「無実」。

誹謗の手をとって玉座に向かって手を伸ばしているのが「憎悪」。

玉座に座っているのが「不正」で、両側から耳元に囁いているのが「無知」と「猜疑」。

そして右端にひとり立っている裸体の女性が「真実」を意味するのだそうです。

 

面白いのは、中央から右側の人々の様々な身振りや視線が流麗かつダイナミックな構図を構成している一方で、右端の裸の女性がひとり中世宗教画的な不自然な姿で直立している点。

しかもその女性の姿がどこかで見たような姿だと思ったら、あの『ヴィーナスの誕生』の女性の姿とそっくりなことに気づきます。

違うのは右手を上げているか胸に当てているかという点と容貌だけです。

 

 

ボッティチェリ《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》1494-95年頃

テンペラ・板、62x91cm、フィレンツェ ウフィツィ美術館

 

 

■第4章 フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリの弟子からライバルへ

最後に、フィリッポ・リッピの息子であり、ボッティチェリの弟子でライバルでもあったフィリッピーノ・リッピ(1457-1504)の作品が展示されていました。

フィリッピーノ・リッピはボッティチェリより12~13ほど年下で、1472年、15歳頃からボッティチェリの工房で修行を開始していたようです。

そして1488年ごろにはすでに独立して、ボッティチェリを脅かすような存在になっていたとのこと。

しかし、没年はボッティチェリより早いんですよね。

 

 

フィリッピーノ・リッピ《幼児キリストを礼拝する聖母》 1478 年頃

テンペラ・板、36.5x20cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館

 

 

■最後に

観覧する前、無宗教者の私としては、宗教画や神話の世界を描写するボッティチェリの作品に、正直、食指が動きませんでした。

というか、近代以前の大昔の画家という以外に、どの時代のどんな画家か、全くイメージを持たない状態でした。

 

そういう意味では、この展覧会で多くの作品に接することにより、その画風と技法、時代背景と周辺の画家との関係性のあらましを効果的かつ具体的に把握することができ、ボッティチェリに対する理解が大いに進んだと喜んでいます。

 

ただ、やはり急ごしらえの素人の浅はかな知識だけでは、初期ルネサンス期の画家としてのボッティチェリと、盛期ルネサンス期のレオナルド・ダ・ビンチやラファエロらとの専門的な観点での細かい相違点など、思いも寄りません。(しょぼ~ん)

 

会場内のショップではお決まりの図録を購入。2400円(税込)也。

図録は硬い表紙の豪華な装丁で、全260ページ、フルカラー。

解説や年表がためになります。

 

 

図録

 

 

以上です。

 

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1月末の平日に、六本木ヒルズにある森アーツセンターギャラリーで開催されている展覧会「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展に行ってきましたので、簡単にご報告します。

 

・名称  :フェルメールとレンブラント

        -17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち  
・会場  :森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ)
・会期  :2016年1月14日(木)―2016年3月31日(木) 
・開館時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)

      1月26日(火)~2月23日(火)の火曜日は17:00まで  
・休館日 :1月19日(火)
・料金  :一般 1,400円 高校・大学生 1,100円

      4歳~中学生 400円 

 

TBS公式展覧会サイト 全作品リスト

六本木ヒルズサイト

 

■タイトルについてひとこと

最初に言っておくべきこととしては、この展覧会はタイトルこそ「フェルメールとレンブラント」となっていますが、決して「フェルメールとレンブラント展」ではないということ。

タイトルと副題が逆転していて、本来なら「17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展とすべき内容だということ。

 

主催者も当然それを分かっていながら、興行的な観点からやむなく今のタイトルにしてしまったのでしょう。

 

しかし明らかにミスリーディングだと思いますよ。

正々堂々と「17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展でよかったのに…

それで無問題。

 

というわけで、あえて副題をこの記事のタイトルにしました。

(きっぱり!)

 

■展覧会の概要

本展は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、アムステルダム国立美術館を中心に、個人蔵の作品も多数加え、60点を一堂に展示。

 

目玉は、日本発公開となる、メトロポリタン美術館の傑作、フェルメールの《水差しを持つ女》とレンブラントの《ベローナ》とのことですが、私個人としてはこれら2作品よりも、さまざまなオランダの画家たちの作品を一堂に会して見ることができる点にこそ、価値があると思いました。

 

 

展覧会は大きく4つのエリアに分けられていました。

 

Ⅰ ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム

  オランダ黄金時代の幕開け

Ⅱ オランダ黄金時代

  1.風景画家たち

  2.イタリア的風景画家たち

  3. 建築画家たち

  4.海洋画家たち

  5.静物画家たち

  6.肖像画家たち

  7.風俗画家たち

Ⅲ レンブラントとレンブラント派

Ⅳ オランダ黄金時代の終焉

 

 

時代は1600年代のいわゆる大航海時代。

オランダがスペインからの独立を果たし、東インド会社を設立して世界に進出し、経済的に繁栄を極め、その恩恵として人々が自由を謳歌した時代。

(それと裏返しに、搾取された側の悲惨な現実があるわけですが…)

 

この経済の繁栄と自由の謳歌がそうさせたのか、この時代のオランダの絵画の最大の特徴はその非宗教性にあるように思います。

 

そしてそこに、その少し後に続く日本の江戸文化や現代の日本人の感性と共通するものがあると感じるのは私だけではないでしょう。

 

 

Ⅰ ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム
  オランダ黄金時代の幕開け

ユトレヒトの画家アブラハム・ブルーマールト(1566-1651)は15歳でパリに渡り「マニエリスム」の影響を受けて帰国して、ドラマチックな動きと躍動感溢れる人物描写で、当時のユトレヒトやハーレルムの画家たちに衝撃を与えたそうです。

ただ後年はより静謐で古典的な作風に変化し、その明暗技法と豊かな色彩を融合させた独創的な画風はオランダの画家たちに大きな影響を与えたとのこと。

下の作品もそういった晩年の作です。

 

神話を題材にした作品で、中央の赤い服の女性がラトナ。手に抱えるのが産み落としたばかりの男神アポロと女神ディアナ。右隅に見える農民がラトナを排除しようとしますが、主神ユピテルがラトナを助け、農民をカエルに変えてしまいます。(分かりにくいですが、農民の傍らにすでにカエルに変身させられた農民がいますね)

 

内容的には宗教色が伺われますが、実際には古い農場を描いた美しい風景画の体をしています。

 

アブラハム・ブルーマールト《ラトナとリュキア人の農民》 1646年
油彩・カンヴァス、69.8×100.4 cm ユトレヒト中央美術館

 

 

下の絵の作者ピーテル・ラストマンは(1583-1633)は、レンブラントとヤン・リーフェンスの師で、レンブラントはラストマンの構図に多大な影響を受けたそうです。

 

ピーテル・ラストマン《モルデカイの凱旋》 1617年
油彩・板 52.0×71.5 cm レンブラントハイス美術館

 

 

Ⅱ オランダ黄金時代
1.風景画家たち

一部の貴族や富裕層だけでなく、一般市民が普通に絵画を購入し家に飾って鑑賞するようになったことと、プロテスタントがキリストの偶像崇拝を嫌ったことが影響してか、この時代のオランダでは、自然や田舎の牧歌的な風景を描く風景画が発達したようです。

 

下はエサイアス・ファン・デ・フェルデ(1587-1630)の死の前年の作品。

一見、貧相で冴えない風景ですが、何か心惹かれるものがあり、取り上げました。

 

フェルデはオランダ黄金時代最初期の画家で、若いときはもっと色彩に富んだ絵を描いていましたが、次第に自然主義的な作風を確立していったそうです。

のちに弟子のヤン・ファン・ホイエン(1596-1656)らが1630年代から40年代に完成させたオランダ黄金期のひとつの特徴である単色の風景画の出発点にもなりました。

 

現代的な感覚ではどういうことのない風景画なのかもしれませんが、何か特定のものに焦点が当てられるのではなく、低い地平線の上に広がる灰色の大空が画面の大部分を覆って遠景を形作り、近景にはオランダの砂丘の土色。

これらを筆跡の見える素早い筆の運びで「素描的に」、あるいは「後の印象派的に」描いています。

 

この風景が当時のオランダの「リアル」であり、それを「ありのまま」に描くことができるようになったのがオランダ黄金時代だったのかもしれませんね。(分かったように言っていますが…)

 

エサイアス・ファン・デ・フェルデ《砂丘風景》 1629年
油彩・板 17.7 × 22.7 cm アムステルダム国立美術館

 


この作品を目を近づけてよく見ると、いろいろと描き込まれているのが分かります。

左下に人が猟犬を連れて立っています。猟犬は右方を向いて吠えているようです。その方向を見ると灰色のウサギが全身を伸ばして飛び跳ねています。

中央下に少し離れて2人の人物が佇み、さらにその先には、左の木の下に母子と思われる2人、さらに右側の遠方にも人物の黒い影が見えます。

そして砂丘のずっと先にも複数の人物が歩いていて、彼らは陽の光を浴びているのか白く見えます。そのずっと先にも人影が点々と続きます。

これらが遠近法を形成するとともに自分たちの身近を描いているという現実感をもたらしているのですね。

木の枝葉が左側に大きく傾き、オランダの砂丘の海風の強さを物語っています。

画面右上の大空を列をなして飛ぶ鳥の群れが、風景に奥行き感をもたらしています。

今から400年も前のオランダで、この寂寞とした風景がメジャーでありえたというのは興味深いですね。

 

 

下の絵は、フェルデの弟子のひとり、ヤン・ファン・ホイエンがまだ若かりし時のフェルデからさまざまな技術を習得している時期の作品です。

うん、フェルデの影響が如実に現れていますね。

 

ヤン・ファン・ホイエン《冬》 1623年 油彩・板(円形) 

径11.0 cm 個人蔵

 

 

サロモン・ファン・ライスダール(1600/03-1670)もまた、ひと回りほど年上のフェルデに影響を受けた風景画家ですが、1640年代以降にはこの様式から完全に距離を置くようになり、より明るく多彩な色彩を用いて、旅行者たちが停泊した水場や宿屋のある川風景を好んで描きました。

 

下の作品も後期の作品なので色彩的にもくっきりしていて、とても親しみやすいですね。木々の葉が緻密に描き込まれているのが印象的です。

 

サロモン・ファン・ライスダール《水飲み場》 1660年
油彩・板 61.0 × 85.0 cm アムステルダム国立美術館

 

 

ヤーコプ・ファン・ライスダール(1628/29-1682)は、上のサロモン・ファン・ライスダールの甥ですが、フェルデの系統が素早い筆致で少ない色使いで描写するのに対して、精緻な筆遣いで細部まで緻密に描き込んで表現する、異なるタイプの様式を確立しました。

このヤーコプ・ファン・ライスダールの作風は、逆にサロモン・ファン・ライスダールにも影響を与えているのだそうです。

上に上げたサロモンの作品は1660年作なので、下のヤーコブの作品よりも後の作品ですが、確かに共通したところがありますね。

 

ヤーコプ・ファン・ライスダール《家と鳩小屋のある砂丘風景》

1648年 油彩・板 53.0 × 67.0 cm アールベルト・コレクション

 

 

この時代の風景画家には、ある特定の風景に固執して生涯にわたって描き続ける人々も多くいたそうです。

アールト・ファン・デル・ネール(1603/04-1677)は、冬景色、とりわけ月夜の光景を好んで描き、人気を博したそうです。

 

しかし風景画といえばどちらかというと田舎の明るい牧歌的な風景を想像しますが、オランダ黄金時代の絵画は押しなべて暗くて、なかなか面白いですね。

オランダ人の気質とかオランダの風土がそうさせるのですかね?

 

アールト・ファン・デル・ネール《月明かりに照らされる村》

1645-50年頃 油彩・板 41.3 × 35.3 cm 個人蔵

 

 

アールベルト・カイプ(1620-1691)は牛や牛飼い、あるいは馬を題材にした絵画で人気を博しました。当時のオランダの田舎では牛は一般的で、都会の市民たちは自宅に好んでこのオランダ人の「心のふるさと」ともいえる牛のいる風景を描いた絵画を掛けていたのだそうです。

 

アールベルト・カイプ《牛と羊飼いの少年のいる風景》 1650-60年頃

油彩・カンヴァス 101.5×136.0 cm アムステルダム国立美術館

 

 

メインデルト・ホッベマ(1638-1709)は、水車や水車小屋にこだわった画家です。

彼はヤーコプ・ファン・ライスダールに師事してその手法を受け継ぎましたが、ヤーコプ・ファン・ライスダールにあるどこか憂いを秘めた陰影を感じさせる画風は薄らいで、色彩に富んだ明るい田舎の風景が描かれています。

 

メインデルト・ホッベマ《水車小屋》 1666年頃
油彩・板 62.0 × 85.5 cm アムステルダム国立美術館

(アムステルダム市より貸与)

 

 

この時代のオランダの風景画、私はとても気に入りました。

印象派のようにぼんやりしていないし、かといってバリバリの写実主義のようでもなく、変に理想を追い求めてもいない、枯れた描写というんでしょうか。

地に足の着いた落ち着いた雰囲気がとてもいいですね!

 

 

2.イタリア的風景画家たち

(省略)

 

 

3. 建築画家たち

この時代の建築画、主に教会内部を描いた作品の特徴は、やはりその非宗教性でしょうか。

教会という最高に神聖な場所にもかかわらず、神の威光が宿った特別な場所としてデフォルメすることなく、あたかも建築設計士が建築物の全容を忠実にスケッチし、その様式美を記録にとどめようとするかのようです。

 

その代表的な画家のひとりが下のピーテル・サーンレダム(1597-1665)です。

会場にはそのほか、同じような教会描写の作品を残したエマニュエル・デ・ウィッテ(1617頃-1691/92)と、教会ではなくアムステルダムの日常の風景を描いたヤン・ファン・デル・ヘイデン(1637-1712)の作品が飾られていました。

 

ピーテル・サーンレダム《聖ラウレンス教会礼拝堂》 1635年
油彩・板 45.0×36.0 cm カタレイネ修道院美術館、ユトレヒト

 

4.海洋画家たち

世界に進出する海洋国家であり、運河や川や湖がいたるところにあるオランダで海洋画が盛んに描かれたことは全く驚くにあたりませんね。

会場には4作品が展示されていましたが、中でも印象的だった作品をここに掲載してみました。

 

海洋画家といえば大海の中に浮かぶ帆船(貨物船だったり軍艦だったり)の群団を描くものが多かったようですが、下のリーフェ・フェアシュフイエール(1627-1686)の作品は街や森が見える海岸や岸辺の風景画の趣があり、興味をそそられます。

 

リーフェ・フェアシュフイエール《河口の風景》 1660-70年頃
油彩・カンヴァス 87.3 × 101.8 cm 個人蔵

 

 

下のウィレム・ファン・デ・フェルデ(2世)(1633-1707)の作品は、典型的な海洋画といえますが、戦艦マニアやならずとも、その圧倒的な勇姿、威圧感に圧倒されます。

中央の艦船がイングランドのロイヤル・プリンス号で、それをオランダの艦隊が取り囲み、拿捕しています。

ウィレム・ファン・デ・フェルデ(2世)はやはり当時の画壇でも特筆的な海洋画家だったようです。

 

ウィレム・ファン・デ・フェルデ(2世)《ロイヤル・プリンス号の拿捕》

1670年頃、油彩・カンヴァス 58.5 × 81.0 cm

アムステルダム国立美術館

 

 

5.静物画家たち

一般市民が自宅に飾るようになったという背景から、下のフローリス・ファン・スホーテン(1590-1638)の『果物のある静物』のような静物画の需要が高まり、好んで描かれたようです。

瑞々しくて本当に美味しそうですよね。

 

フローリス・ファン・スホーテン《果物のある静物》 1628年
油彩・板 52.7 × 84.7 cm 個人蔵

 

 

下の作品もリアルといえばリアルですが、光と影の当たり方とか透明なグラスを透過する感じなどに創意工夫の跡が見て取れますよね。

フェルメールではありませんが、何か引きこまれてしまいます。

光の使い方は上の作品の壁の描き方にも感じます。

 

ピーテル・クラースゾーン

《銀器やグラス、皮の剥かれたレモンのある静物》 1660年
油彩・板 64.2 × 48.2 cm 個人蔵

 

 

6.肖像画家たち

 

オランダ黄金時代を代表する肖像画家といえば、真っ先に挙げられるのが、フランス・ハルス(1581/85-1666)。

決して写実的ではないのに、この溢れんばかりの情念のほとばしりは何でしょう!

今にも喋り出しそうな臨場感と緊迫感に圧倒されます。

この200年後に登場するマネの作品なんかと共通したものを感じます。

 

実際、マネ印象派の画家たちは、ハルスの作品に少なからずの影響を受けたようです。

きっと、私たちが美術館でハルスの絵を見入っているのと同じように、マネらも美術館で見入っていたのでしょうね。

 

フランス・ハルス《男性の肖像(聖職者)》 1657-60年頃
油彩・板 37.1 × 29.8 cm アムステルダム国立美術館

 

 

イサーク・リュティックハイス
《女性の肖像 (エリザベート・ファン・ドッベン)》 1655年
油彩・カンヴァス 128.0×102.0 cm ロッテルダム美術館

 

 

イサーク・リュティックハイス
《男性の肖像 (ピーテル・デ・ランゲ)》 1655年
油彩・カンヴァス 128.5×102.5 cm ロッテルダム美術館

 

 

7.風俗画家たち

 

この時代、風俗画が飛ぶように売れたということは、それだけ絵画鑑賞というものが庶民の間に定着したことを物語ると同時に、現代の私たちからすれば、当時の人々の日常生活を知る貴重な資料にもなります。

 

当時の代表的な風俗画家ヤン・ステーン(1626-1679)が描いた下の作品は、体調の不良を訴える女性を、見るからにインチキ医師がへらへらしながら脈をとり、召使の女性も、女性が恋患いのせいで調子を悪くしていることを見透かした上で、心配するふりだけしている様子を描いたもののようです。

ヤン・ステーンはこのように、当時の社会を笑い飛ばす諧謔と批判性に富んだ風俗画を描いて人気を博しました。

 

ヤン・ステーン《恋の病》 1660年頃 油彩・カンヴァス

86.4 × 99.1 cm メトロポリタン美術館、ニューヨーク

 

 

本展のタイトルにもなっているヨハネス・フェルメール(1632-1675)の作品は下の1枚のみ展示されていました。

いくらこの作品が日本初公開とはいえ、これだけでタイトルに名前を載せるのはいかがなものでしょう。

と文句を言いつつ、それにしても、この光と影の使い方は、よく見れば見るほどに、やはりさすがと言わざるを得ませんね。

 

ヨハネス・フェルメール《水差しを持つ女》 1662年頃
油彩・カンヴァス 45.7×40.6 cm

メトロポリタン美術館、ニューヨーク

 

 

Ⅲ レンブラントとレンブラント派

 

このレンブラント・ファン・レイン(1606-1669)の『ベローナ』も本邦初公開だそうです。

この鉄の鎧の質感と重量感にはヨダレが出てきそうです。

 

レンブラント・ファン・レイン《ベローナ》 1633年

油彩・カンヴァス 127.0×97.5 cm
メトロポリタン美術館、ニューヨーク

 

レンブラントは大きな工房を運営し、そこで多くの弟子を抱えていたそうです。

カレル・ファブリティウス(1622-1654)もそんな弟子のひとりで、若くして傑出した才能を開花させましたが、わずか32歳の若さで夭逝しました。

下の作品はその死の間際に描かれた自画像です。

この作品も、上で紹介したフランス・ハルスの『男性の肖像(聖職者)』同様、決して写実的ではないものの、思わず惹きこまれそうになる強烈な自意識を発散していますね。

個人的にとても気に入った作品です。

 

カレル・ファブリティウス《帽子と胴よろいをつけた男(自画像)》
1654年 油彩・カンヴァス 70.5 × 61.5 cm

ロンドン・ナショナル・ギャラリー

 


ヘラルト・ダウ(1613-1675)も、傑出したレンブラントの初期の弟子のひとりで、師事して3年でレンブラントの元を離れ、「ライデン精緻派」と呼ばれるグループの原点として1645年にはすでに多くの弟子を抱えていたそうです。

夜の闇で灯りを持った少女が窓から身を乗り出す構図をダウは好んで描いたそうです。

その筆致はきわめて精緻で、暗闇の中で灯りに照らし出されて、透明な空気の中にぼんやり浮かび上がる少女の姿がとても印象的です。

 

ヘラルト・ダウ《窓際でランプを持つ少女(好奇心の寓意)》
1660年頃 油彩・板 22.0 × 17.0 cm

アムステルダム国立美術館

 

 

アーレント・デ・ヘルデル(1645-1727)はレンブラントの最後の弟子で、師の技術に最も忠実に従いつつ、独自の画風を確立しました。

 

アーレント・デ・ヘルデル《ダビデ王》 1683年頃
油彩・カンヴァス 109.5 × 114.5 cm アムステルダム国立美術館

 

 

Ⅳ オランダ黄金時代の終焉

(省略)

 

 

最後に

「フェルメールとレンブラント」というタイトルにミスリードされないように、と再三述べてきましたが、仮にミスリードされて会場を訪れたとしても、見る価値は十分あると思いました。

むしろ、毎回毎回、有名どころばかり見せられるより、普段まとまって見る機会の少ない同時代の画家たちの作品をこうやって一堂に並べて見ることができたのは貴重な経験でした。

 

会場内のショップでは、フルカラーの豪華な図録が販売されていました。

下の写真のものと、カバーが下半分だけのものの2種類がありますが、中身は一緒です。

 

図録

 

 

以上です。

 

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2月はじめの平日に、東京上野の国立科学博物館で開催中の企画展『渋川春海と江戸時代の天文学者たち』を見てきましたので、簡単にご報告します。

 

 

 

・名称  :渋川春海と江戸時代の天文学者たち

・会場  :国立科学博物館(東京 上野)
・会期  :2015年12月19日(土)―2016年3月6日(日)  
・開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)

      金曜日は~20:00まで 
・休館日 :毎週月曜日
・料金  :一般・大学生 620円 

      高校生以下および65歳以上 無料 

      ※常設展示も観覧可

      ※特別展のチケットがあれば無料で観覧可

 

国立科学博物館HP 当企画展ページ

 

川春海」という名前から受ける印象もあり、何やら「渋い」企画ですが、いかにも科博ならではの企画ともいえますね。

 

渋川春海(しぶかわはるみ)は一般にはあまり馴染みがありませんが、日本の近代的な天文学史における草分け的な存在で、没後300年(1639年~1715年)。

 

江戸時代以前の日本では、平安時代から800年以上もの間、中国の暦(こよみ)がそのまま用いられていましたが、どうしてもズレが生じていたそうです。

渋川春海はこれを正そうとして、実際に天体観測を行い、独自の天文学を築いていきました。

 

この企画展では、この渋川春海の業績と人物像、交流と、その流れを継ぐ江戸時代中後期の天文学者たちについて、さまざまな資料や道具の展示とともに紹介しています。

 

 

 

◆渋川春海とその時代

そういえば、従来、世間的にはあまり陽の目を見てこなかった渋川春海ですが、あの岡田准一主演の映画や漫画にもなった冲方丁の時代小説『天地明察』で取り上げられたおかげで、今では思いのほか広く知られるようになりました。

 

渋川春海の面白いところは、もともと江戸幕府で囲碁の対局や指導をする碁方の家に長男として生まれ、13歳にして父親の一世「安井算哲」が亡くなったため、二代目「安井算哲」を襲名。20歳そこそこで幕府碁方を務め、当時の本因坊らと数々の名勝負を繰り広げたという学者としては異色の経歴。

 

その「本職」の傍らで、若い時分から数学や暦学、天文学をはじめ、儒学、神道など幅広い教養の吸収に努め、その博学多才ぶりから保科正之徳川光圀などの知遇を受けつつ、新たな、より正確な日本独自の暦の制作に執拗な執念を燃やします。

 

その執念が実り、1884年(貞享元年)に日本初の国産暦である「貞享暦」として認められ、約800年ぶりの暦改訂となるわけです。

彼はこの功績により、幕府天文方に任ぜられ、碁方を辞することになります。

 

会場内では、下の写真のようなパネルで分かりやすく解説。

もちろん、パネルでの説明だけでなく、天球儀や地球儀、望遠鏡、暦や各種文献の実物などの展示も多数あり、天文ファンやその道を志す者には垂涎ものの展覧会といえるでしょう。

 

 

 

◆天文学者 徳川吉宗

それから少し時代が進み、享保の改革で知られる8代将軍徳川吉宗(1684-1751)は科学技術に関心が高く、天体望遠鏡や天文台を作り、自ら天体観測に興じていたとのこと。

徳川吉宗は、鎖国政策の一環として禁じられていた書物の輸入制限を緩和するという決断をし、これが後の日本の西洋学問の吸収に大きく貢献することになるわけで、その功績は大きいですね。

 

 

 

 

◆高橋至時と市井の天文学者たち

江戸中期、豊後国杵築藩(現在の大分県杵築市)の麻田剛立(あさだごうりゅう : 1734-1799)は、幼児期から天体に興味を持ち、自力でケプラーの第3法則を発見して、29歳のときには当時日本で使用されていた宝暦暦に記されていなかった日食を予言し的中させたことで有名です。

 

また、最近では、月のクレーターのひとつ「アサダ」の命名の由来となった日本人としても有名です。

 

麻田はその後、大阪に出て医者をしながら、望遠鏡の改良や、オランダから輸入した高倍率のグレゴリー式望遠鏡を使った月面観測図の作成など、天文学の旺盛な研究を続けるとともに、同時代の研究者とオープンな交流に努め、弟子の育成にも力を入れました。

 

その弟子の中で頭角を現したのが、高橋至時(たかはしよしとき)と間重富(はざましげとみ)。

 

当時の江戸の天文方の実力では新しい暦の編纂は難しいと判断した幕府は、大阪からこの二人を呼び寄せ、天文方と暦学御用の職を命じ、二人はこれに見事に応え「寛政暦」を完成させます。

 

江戸中期の大阪(ひいては日本)の市井の文化水準の高さを示す好例といえます。

 

 

 

 

上のパネルを見ると、高橋至時の弟子のひとりにあの伊能忠敬もいますね。

伊能忠敬は1745年生まれなので19歳も年上の弟子ですが(笑)

師事した当時の伊能は何と50歳。

 

 

 

上で「大阪の市井の文化水準の高さ」と書きましたが、一部の人のものだった望遠鏡も18世紀後半にもなるとたくさんの製作者が現れ、一般の人々も手に入れられるようになっていたようです。

その中でも、岩橋善兵衛の望遠鏡は性能や品質が群を抜いていて、天文方や伊能忠敬の測量にも用いられました。

 

◆高橋景保と渋川景佑

その後、高橋至時と間重富の業績は、高橋至時の子孫に引き継がれました。

長男の高橋景保は至時の死後、後継として天文方に任命され、海外文献の翻訳や伊能忠敬の測量事業などにも関わりましたが、シーボルト事件により1829年に獄死しました。
次男の渋川景佑も天文方として天保暦の作成に中心的な役割を果たしたそうです。

 

 

◆最後に

会場は1部屋で、それほど大きなスペースではないので、さらっと展示物だけ見て回ればそれこそ20分とか30分で回ってしまえる規模ですが、パネルをすべてしっかり読もうとすると、それなりに時間がかかります。

 

一部を除き撮影可能なので写真に撮ってうちに帰ってからじっくり見る手もありますが、帰ってからあらためて見ようとはなかなか…。

図録は残念ながら販売していません。

 

本展を見終わったら、常設展も無料で見ることができるので、そちらに足を伸ばすのもいいかもしれません。

そちらにも多くの天球儀や望遠鏡などが展示されています。

 

 

また、3月1日からミニ企画展が開催され、本展のチケットがあれば、そちらも見ることができるので、抱き合わせで見るのもいいかもしれませんよ。

 

◎ミニ企画展「日本の海運博物館 -日本の産業技術-

 

以上です。

 

 

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1月末の平日に、東京駅の東京ステーションギャラリーで開催された展覧会「君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。」(副題:「パリ・リトグラフ工房idemから -現代アーティスト20人の叫びと囁き」)に行ってきました。

 

すでに終了してしまっていて恐縮ですが、足跡を残す意味で簡単にご報告しておきます。

 

・名称  :君が叫んだ

      その場所こそが

      ほんとの世界の

      真ん中なのだ。

      パリ・リトグラフ工房idemから

        -現代アーティスト20人の叫びと囁き  
・会場  :東京ステーションギャラリー
・会期  :2015年12月5日(土)―2016年2月7日(月) 
・開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)

      金曜日は20:00まで
・休館日 :1/11を除く月曜日、12/28-1/1、1/12
・料金  :一般 1000円 高校・大学生 800円

      中学生以下 無料 

 

 

やたら長いタイトルがついていますが、これは本展が原田マハの小説『ロマンシエ』と連動する形になっていて、その小説の中でキーとなる登場人物が発した言葉からとったようです。

 

リトグラフについて、事前知識としては「版画の手法の一種」くらいしか知らなかったので、入門という意味でちょうどいい機会を得ました。

 

◆リトグラフとは

リトグラフは18世紀末にドイツで石灰石に書き記したメモを酸で処理したあと、石鹸で消そうとしたことがヒントになって生まれた技法。

 

その手法をごく簡単に言うと、リトクレヨンや解墨など油脂分が多い描画材で描画した石版石(石灰岩)を化学処理して、油性インクを引き付ける描画部分と、水分を保ちインクを弾く非描画部分に分離し、水と油の反発作用を利用して、描画部分に乗った油性インクだけを専用のプレス機によって紙に転写する版画手法です。

版面に直接描いた絵を、ほぼそのまま紙に刷り取れるのが特徴。

 

もっと詳しい手順については、以下のサイトなどを参考にしてみてください。

MAU造形ファイル・リトグラフ

Wikipedia

 

なお、元来、リトグラフの版には、ドイツのゾルンホーフェン石切場で採掘される石灰石を使用していましたが、版画の大型化や物理的な要因に伴って、金属板(アルミ板)を用いることが多くなっているそうです。
さらには、化学処理された木板を使い、専用の用具で描画する「木版リトグラフ」と呼ばれるものや、シリコンで非描画部分をマスキングして製版を行うことで水を使用しない「ウォーターレス・リトグラフ」などの新たな材料や方法も開発されているそうです。

 

◆パリ・リトグラフ工房 Idem Parisについて

Idem Parisは元は「ムルロー工房」という名で、あのピカソやマティス、シャガール、ミロといった芸術家が1940年代半ばから70年代にかけて数々の名作を生みだす舞台となった工房として知られています。

このブログでつい最近紹介したシャガールの『ダフニスとクロエ』もここで制作されたものです。

 

Idemでは当時のプレス機が今も大切に使われ、アーティストとIdemの協同、あるいはアーティスト同志のコラボレーションの場として重要な役割を果たしているようです。

 

◆展覧会の感想

本展は、Idem Parisの磁力に引き寄せられた気鋭の現代アーティストr20名がIdemで制作した約130点のリトグラフから構成されていました。

 

最初に述べたとおり、私はこれまでリトグラフを意識して見たことがなかったので、こうやって一気に鑑賞する機会を得て、また世界が少し広がった気がします。

 

中でも一番驚いたのは、あの『エレファント・マン』『ツイン・ピークス』『砂の惑星』などで有名な鬼才の映画監督デヴィッド・リンチがリトグラフを制作していること。

あとでネットで調べてみると、彼はもともと画家を志していて、ワシントン美術大学、ボストン美術館付属美術学校、ペンシルベニア芸術科学アカデミーなどで学んでいたんですね。

 

その作品は…たしかにいかにも「彼らしい」ですね。

この展覧会で私が個人的に一番気に入ったのも彼の一連の作品でした。

 

 

デヴィッド・リンチ《頭の修理》 2010年 © Item éditions

 

 

デヴィッド・リンチ《ザムトグ理論実験》 2009年 © Item éditions

 

デヴィッド・リンチ《家にいる虫の家族》 2008年 © Item éditions

 

 

デヴィッド・リンチ《傷だらけの腕》 2007年 © Item éditions

 

また、デヴィッド・リンチは、Idem Parisを紹介するビデオまで制作していて、本展の中でも上映していました。全部で8分。

見る前はリトグラフの入門ビデオかと思いましたが、これを見てもリトグラフの何なのかは分かりません。

ただ実際にどんなプレス機でどんな感じで作家が作品を制作しているかがよく分かります。

まさに「工房」、いや「工場」ですね。

 

Youtubeに転がっていたので埋め込んでおきますね。

どうぞ↓

 

 

JRというアーテイストの下の作品は、本展のパンフレットに起用されているので、おそらくIdemで制作された作品の代表格とみなされているのでしょう。

 

JRはもちろんJapan Railwayではありません。

略歴を見てみると、フランスの写真家であり、ストリート・アーティストであり、2011年に弱冠27歳でTEDが主催するTED賞を受賞しています。

当時、異例の受賞として物議をかもしたようです。

 

JR《「テーブルに寄りかかる男」(1915-1916)の前の自画像、パブロ・ピカソ、パリ、フランス》©JR-ART.NET

 

この作品。

全体がまさに工房Idemの作業場の写真ですね。

中央にあるのが印刷のプレス機でしょうか?

そして中央の壁にある点描のようなもの。よく見ると人の眼です。

これ、パブロ・ピカソの眼を拡大したものなのだそうです。

そしてそのピカソがこの同じ工房で20世紀のはじめに実際にリトグラフ制作に汗を流していた。

そんなこんなに思いを馳せさせてくれる作品です。

 

 

日本人アーティストも何人も工房Idemでリトグラフを制作しているようです。

今回の出品アーティストとしては、南川史門、森山大道、岡部昌生、辰野登恵子、やなぎみわの5名。

 

森山大道《下高井戸のタイツⅠ》 2015年 © Item éditions

 

 

辰野登恵子《AIWIP-8》 2011年 個人蔵

 

 

やなぎみわ《無題Ⅱ》 2015年 ©Miwa Yanagi 2015

 

やなぎみわは1967年生まれ。

2009年に第53回「ヴェネツィア・ビエンナーレ」美術展日本館出展。2012年から京都造形芸術大学美術工芸学科教授。

50になろうとする大家にして初めてのIdemでのリトグラフ制作への飽くなき挑戦。頭が下がります。

 

 

その他、いかにも石版画といえるような質感のものから、商用ポスターのようなもの、抽象画のようなものなど、さまざまな作品が飾られていましたので、ここにいくつか紹介しておきます。

 

キャロル・ベンザケン《伝道の書7章24節, Ⅷ》 2007年 © Item éditions

 

キャロル・ベンザケン《マグノリア》 2015年 © Item éditions

 

キャロル・ベンザケンは、フランスの革新的な現代アーティストに送られるマルセル・デュシャン賞を2004年に受賞した気鋭の作家。

今回は過去の作品とともに和紙を使った最新作を展示。

この「マグノリア」で使用した和紙は世界一薄いとされる「土佐典具帖紙」。

3枚の積層からなり、赤、緑、黒であらわされるマグノリア(モクレン)の花と枝が、互いに透けて重なりあっています。

一番奥の紙のうっすらと透けてみえる黒は、実は一番手前の和紙に印刷された黒を逆さにしたものだそうです。

 


フランソワーズ・ペトロヴィッチ《姉妹》 2014年 © Item éditions

 

フランソワーズ・ペトロヴィッチは「怖かわいい」少女画や人形が特徴的な1964年生まれのフランスのアーティスト。

このリトグラフ作品でも少女や思春期の秘められた脆弱さや危うさを伴う精神性を見事にあらわしていると思います。

 

 

ジャン=ミシェル・アルベロナ《大いなる矛盾Ⅱ みんなで知恵を出しあう》 2012年 © Item éditions

 

 

ピエール・ラ・ポリス 《夜に光る君の巨大なステッカー》 2007年 © Item éditions

 

 

東京ステーションギャラリーは東京駅の歴史の重みを感じさせる赤レンガの壁が独特の雰囲気を醸し出す美術館なのですが、これまでもその特徴をうまく活かすような企画展を次々に打ち出していますね。

 

最近だと「ジャン・フォートリエ展」、「鴨居玲展」などがなかなか雰囲気があって強烈な印象を受けました。

 

そしてこのリトグラフにも赤レンガの壁はよくマッチしていました。

 

以上です。

 

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◆人はなぜ駆け込み乗車をしてしまうのか?

電車の発車間際に駅員さんから、「(発車ベルが鳴った後の)駈け込み乗車はお止めください」という注意喚起がなされます。

 

にもかかわらず、毎回、閉まりかけたドアに無理やり入る、挟まれる、こじ開ける人が後を絶ちません。

こういう行為は危険なばかりか、結局電車が遅れる原因にもなります。

 

しかし、これって必ずしもマナーのなっていない人が多いからというわけでもなさそうです。

 

発車ベルが鳴り終わったあと実際にドアが閉まるまでに猶予のための空白の数秒間があるため、地下鉄でホームに降りてきた人にとっては、目の前の電車の状態が、ベルが鳴った後なのか、ベルが鳴る前なのかを瞬時に判断できないということがあるのではないでしょうか?

 

◆駆け込み乗車を抑止するために

であれば、発車のベルが鳴った後であることを何らかの方法で示すことができれば、このようなトラブルが大幅に削減できるはず。

 

とはいうものの、効果的な告知(警告)方法を具体的に考え始めると、なかなk良いアイデアが浮かびません。

 

ベルが鳴り終わった後に空白の時間があるために間違うのだから、発車ベルが鳴り終わると同時にドアを閉めるという方法が考えられますが、人は「鳴っている間はまだ大丈夫」と思いがちなので、こうすると、やはりドアに挟まれてしまう人が続出すると思われます。

 

あと、最近はホームドアを設けて転落や電車との接触を避ける線や駅も増えてきましたが、電車のドアの開閉とホームドアの開閉のタイミングでうまく制御できないかといろいろ考えてみましたが、良い案が出ませんでした。

 

一番簡単なのは、電車のドアの脇か、ホームドアの脇にランプを設けて、駆け込み乗車禁止の警告として使うという方法ですが、ただでさえ急いで乗り込もうとしている乗客が、入り口ではなく、その脇にあるランプに気がつくかというと、はなはだ疑問です。

 

やはり、入り口の空間そのものにバリケードか何かがあるくらいでないとなかなか気づかないでしょう。

 

◆ひとつのアイデア

そこで思いついた私のアイデアは、電車の入り口の空間いっぱいに、何らかの方法で巨大な「☓」印を映写するというもの。

 

単なる映像なので、仮に人が無理やり入ってきても、何か物にぶつかることはありません。
あくまでも心理的な障害を設けるだけです。

 

ただ、空間に映像を映し出すという技術が実用的に難しいんだろうなと思っていました。

 

◆実現に向けたニュース!

そんな中、一昨日の2/17に、以下のようなうれしいニュースが流れてきました。

 

「三菱電機、空中に映像を映し出せる大型ディスプレイを開発」

 

 

おおっ! こういう技術を待っていたんですよ!

 

前々から大学の研究室レベルでの報告はなされていましたが、いよいよ企業からの製品コンセプトが出てくる段階に至ったというわけですね。


とはいえ、人の混雑している電車の中で、いかにして映像の通り道を確保できるようにビームスプリッターや反射板を設置するかという点でまだまだハードルが高いかも知れませんが、期待は持てますよね。


あっ、あとコストの問題もあります。

こちらの課題の方が大きいかな~ 


ところで、この駆け込み乗車への対処方法は、高速道路の出口からの侵入や逆走の防止にも使えそうです。

高速道路の出口部分の空間に大きく「☓」印なり侵入禁止マークを表示するのです。 

もちろん出る側からは見えないようになっています。

 

以上です。

 

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