「どうして、あんな『ブス』が!」
木嶋佳苗被告の「容姿」をマスコミが連日連夜報道していた。
どうしてこんな不細工な人に騙されるの?
誰もがそんな風に思ったのではないかと思う。
でも、私は、今・・・
状況証拠だけしかない中での裁判員裁判によって下された「死刑」の判決に疑問を持ち始めた。それは、この1冊の本を読んでからです。
- 毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記/北原 みのり
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悪趣味だな。
そう思ったのですが、どうして、木嶋佳苗という人がここまで「男性」を引き付けることができたのか、私も一応女性なもので、女として興味があったというのが正直で、興味本位でこの本を読んだのです。
でも、この本から見えてきた、木嶋佳苗という人は、これまでの報道からイメージしていた人とは、180度変わりました。そして、この裁判の裁判員に、被告人と同年代の女性、20代、30代の女性がいたら、この裁判の結果はちょっと違ったように思います。
そして・・・
何より、私の職業柄でしょうけれど、木嶋佳苗という人のコミュニケーション能力の高さに驚いたというか、これは、彼女に夢中になる男性がいるのは当然だと思い始めました。決して被害者をバカにするわけではありませんが、そうじゃないのです。この被告人は動物本能的に非常にコミュニケーション能力に長けた人だと思わずにはいられないのです。無感情で、決して多くを語る人ではない人のようですが、ですが、被告人は常に「目的」を明確にしてから被害者とコンタクトを取って来たことが伺え知れます。そして、相手の目的を常に達成させようと努力しているように見せていた・・・ように感じるのです。
私のセミナーや講義で受講をされた方なら覚えていらっしゃると思いますが、「ビジョンとコミュニケーションの関係」を理解できている方なら、なるほど・・・と思っていただけると思いますが、
そう、そもそも、未来(時間設定はないです)に向けた共通した目的・目標を持った人としか、人はコミュニケーションを取らないのです。どうも話が合わないのはそれが短期的でも、長期的でも、情報共有のための「目的」の違いがあるからなのですが・・・。
一般論ですが、コミュニケーション能力の高さを評価する際には、「話法」や「表現」よりも、目的の達成のためにどのような情報を共有していくべきかという、その目的と情報の質を評価すべきなんですよね。日本はそこが非常に誤解されている点です。
木嶋佳苗という人が、対人関係において、その相手によって、コミュニケーションの取り方を変えているところが非常に興味深く思いました。そして、この被告を本当に愛していた人がいる事も、これもわかる気がするのです。
もちろん、木嶋佳苗被告が犯した罪を肯定するわけではありませんし、人としても評価しているわけでもありません。
しかし、動物本能的にもっているコミュ力の高さ・・・
それを裁判で暴こうとしても無理なことだったのだと思うようになりました。
裁判員裁判の難しさなのでしょうけれど・・・
女性目線と男性目線だと全く違った感想になるかもしれませんが、この裁判にもっと女性が参加していたらもしかしたら残虐というイメージではなくなるように思うのです。
マスコミの印象操作・・・
裁判も印象操作なんでしょうけれど・・・
報道されていた時とは全く印象が変わりました。
死刑が妥当なのか…
私は少しわからなくなってきました。
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