インド人の英語力1 | インド生活記 What's up, Vizag?

インド生活記 What's up, Vizag?

旧ブログ名【インド・大学院留学 〜Hi, ハイデラバード〜(2011.7-2013.6)】
インドHyderabadのUniversity of HyderabadでMA(一応修士号)を修了した筆者が、今度はNGO職員として赴任したVizag(バイザッグ)ことVisakhapatnam(ビシャカパトナム)での生活を綴ります。

政治経済やビジネスという観点からインドに興味を持った人は、インド人は当然英語が完璧に話せると思っているだろう

一方で、文化や旅がきっかけでインドに興味を持った人は、インドで実は英語はあんまり通じなくて、ほとんどヒンディー語やその他の言語だと思っているかもしれない。

おれがインドに興味を持ったのは、ビジネス、経済という面と、なにやらとにかくおもしろそうだという面と両方あったから、どっちとも言えないけど、エリート=英語、ストリート=インドの言語という完全に区別されているんだと考えていた。

だけど、この考えはどれも少しずつ当たっていて、少しずつ違ってるというのが、2週間と少しインドの大学院で過ごした印象。

今日のブログは、現時点でのインド人の英語についてちょっとマジメな話。

今週からいよいよ授業が始まり、どのクラスでもだいたい自己紹介をする。
出身地と出身大学、そこで何を専攻したかを一人一人簡単に紹介するだけなんだけど、それでも教授が学生に何度も聞き返す場面がある。最初は、聞き返されると「あれ、おれの英語通じてない、、、」ってなってショックを受けるけど、よく聞いているとインド人通しでも何度も聞き返す作業が行われて、酷い場合はとなりの学生が単語を言い直して、やっと教授が理解する。(これは50人中3.4人、おれもその中の一人)

今日クラスメートの会話で、インド人同士なのに英語が通じてなくて、
「I don't understand you.」
と普通に言っていた。

それと、クラスに留学生はおれ一人のはずなのに、教授は決まって英語の勉強の話をする。学校の本屋では、英語の参考書がいくつもならんでいる。つまり、それだけ英語そのものを勉強してるインド人も多いということ。

話を聞いてみると、どうやらインドではEnglish Mediumとローカル言語 Medium (この地域ではTelugu Medium)の学校があって、どっちの学校に通っていたかによって相当英語力に差があるよう。小学校から英語で勉強していた人もいれば、大学まで母語で終えた人もいる。だからネイティブレベルの人から、おれと同じくらいレベルの人まで、ほんとに英語力もまちまちで、それがみんな同じクラスで勉強する。おもしろいのは、それが全員同じインド人だということ、日本なら日本語で授業をすれば、津軽弁とか沖縄弁とかをつかわない限り、だいたい同じレベルでコミュニケーションがとれるけど、インドではそうもいかない。

だからおれの考えた「エリート=英語」つまり大学生以上は完璧に英語が話せるというのは、実際は違って、大学生の英語力にも色々あるということがわかった。

それから、インドの公用語のヒンディー語も全員が話せるわけではないらしい。だから結局コミュニケーション手段は英語になって、しかもそのレベルも人それぞれ。

例えばアメリカの多様性が、様々な人種と民族が重なり合ってそれを1つの旗と言語で統一することで成り立っているとしたら、インドの多様性は、それとは全く別もので、多様性というよりはむしろ「ごちゃ混ぜ」に近いんじゃないかと感じる。

インド人のコミュニケーションを見ていると、ほぼ全ての日本人が日本語でコミュニケーションできるというのが大きな強みに見えてくる。これは推測だけど、インド人の学生が母語でない英語のテキストを読むよりもはるかに速いスピードで、おなじ程度の情報を日本語でインプットすることができるんじゃないかと思った。もしそれが可能なら、日本語での情報のインフラが出来ているということは、(英語が出来ないことを埋めるくらい)今後の国際競争で大きな役割を果たすことができるんじゃないかと思う。もちろん、英語でのインプットも重要だけど。(ただこの考えだと母語でインプットもアウトプットも出来る純英語圏の人が相当有利になる)


インドに来る前に心配していたランキング3位の「英語」は、インド人でさえも不安に感じているということがわかった。これから、英語が苦手なインド人と英語が得意なインド人と、英語圏から来てる留学生と(留学生事情は後日)、非英語圏から来ている留学生。色々いるけどとにかく共通言語は英語。おれは英語が出来る留学生に、英語が苦手なインド人は英語が得意なインド人になれるように、一緒に頑張っていけたら最高だと思う。