賃金表と定昇・ベア | 人事評価のQ&A

賃金表と定昇・ベア

 それぞれの基本給項目に対して、賃金表を作成する必要があります。賃金表を作成するのは、賃金管理をあいまいではなく明瞭なかたちで行うためであり、公正な賃金管理には欠かせないものです。


 賃金表がないと、社員が安心して仕事のできる環境とはいえませんし、企業にとっても、賃金管理を合理的に進めていくことができません。賃金表を整備していない企業は、できるだけ早く、賃金表の整備が必要です。

 よく昇給表で管理している企業がありますが、これもよくありません。昇給表は「差額」を決めているだけであり、賃金総額を管理しているわけではありません。やはり、「絶対額」で示す賃金表が必要です。


 賃金表があると、定昇とベアを分けて考えることができます。
 定昇とは同じ賃金表での位置の移動による差額(昇給)をいいます。たとえば、年齢給表で18歳の金額が1年たって19歳の金額に変更になった場合の、差額が定昇ということです。

 ベアとは、賃金表の金額そのものを、引き上げることを言います。同じ18歳の年齢給であっても、ベアが実施されると、その分上乗せした金額になります。


 定昇をするのかしないのか、するとすればどれくらいするのか、定昇の根拠を年齢や勤続による自動定昇にするのか、能力や業績による査定定昇にするのか、制度設計においては非常に重要になってきます。

 また、ベアについても、どのような根拠で行うのか、ベースダウンもあるのか、なども決めておく必要があります。


定昇の意義

・ 社員の生計費の増加への対応
・ 社員の能力、経験や業績の向上に対する賃金面での配慮
・ 社員の労働意欲の維持・向上
・ 賃金の後払いを可能にする仕組みだった


ベアの意義

・ 物価上昇への対応
・ 他の企業の賃金改定と歩調を合わせるため
・ 初任給の上昇に対応
・ 企業の業績配分の手段