退職事由係数 | 人事評価のQ&A

退職事由係数

 退職金制度を将来ポイント制等へ移行したいと考えていますが、さしあたって「退職事由係数」を取り入れたいと思っています。退職事由係数について、考え方を教えてください。

 退職事由係数とは、自己都合退職の場合に退職金額を減じるための係数です。通常、定年退職、会社都合退職の場合は100%とし 自己都合退職の場合は、勤務年数に応じて100%以下の係数を設定します。

 この自己都合係数の設定の意味は 「退職して欲しくない」という企業からのメッセージになります。仮に、勤続35年でも係数が60%くらいだと、退職しにくくなり、仕事はしたくないけれど、今やめると退職金が減るからしょうがなく勤める、ということが発生する恐れがあります。

 会社に入って、勉強中または、そのお返しをしている間は やめて欲しくないが、ある程度会社に貢献したら、やめてもらってもいいですよ、退職金は満額払いますよ、という意味で、勤続20年~25年くらいで、100%に設定するような会社が増えてきています。

 導入に際して、勤続20年~25年で100%であれば、その前にやめなければ不利益になりませんし、勤続20年未満で退職することを予定して、勤めている人はいないでしょうから、社員によく説明すれば、理解してくれると思います。自己都合退職でも満額支給する勤続年数を何年にするかが、ひとつのポイントだと思います。 30年未満、できれば20年くらいがよろしいのではないでしょうか。

 ただし、確定拠出型、または前払い型の退職金制度をお考えの場合は、退職事由係数の考え方は適用できません。