人事考課と処遇のズレ
人事考課でAをつけたのに 昇給や賞与ではBになって、部下にフィードバックした内容と異なり返答に困ってしまった。おかしくないですか。
人事考課をするということと、昇給や賞与の査定を決めるということは別問題です。
人事考課は半年間上司が部下の仕事振りを見て、よかった点悪かった点を確認し、本人に伝えるとともに今後の育成に活かしていこう、あるいは今後の仕事の与え方に反映しようということです。
その点を伝えればよいわけです。賞与の評価や昇給の評価は1次考課者が考課した時点ではわかりません。2次考課もあれば、相対区分もあります。全体調整などしている会社もありますから。
面接では、不確実なことはいわないほうがよいです。
1次考課の時点でわかることは、仕事振りに対してどうだったかだけです。
人事考課するときは絶対考課で行いますが、処遇に活用するときは目的に応じて「絶対区分と相対区分」に分けて活用します。考課者は人事考課をするということと、処遇に活用するということは別の問題であると考える必要があります
・ 絶対区分
絶対区分とは、ウエイト計算により算出された点数をそのまま使用する方法で、全員Aとか、全員Dということが起こりうる可能性があります。
・ 相対区分
相対区分は算出された点数で、上から順に並べ分布規制により、総合評価を決めていく方法です。必ず、S何人、A何人と規定の人数(%)が該当します。いくら本人の点数がよくても、他の人の点数がもっとよければ、評価段階は悪くなります。
昇給や賞与などの処遇の段階を決めるとき、どの方法を使うかはその企業の考え方になりますが、私は全体最適のために、絶対区分を採用するのがよいと思います。