人事考課と処遇 | 人事評価のQ&A

人事考課と処遇

 先日、ある会社の人事考課制度の相談を受けた。考課項目は目標管理を中心とした成果に関する項目(複数)と、コンピテンシーなどを活用したプロセスの評価項目(複数)からなっている。それぞれ5段階評価をして、ウエイトを加味して100点満点に換算する一般的な方式である。

 

 驚いたのは、処遇との連動の仕方である。
 その人事考課の点数をそのまま使って賞与や昇給額を計算するらしい。したがって、1点違えば、賞与の額が何万と違ってくることになる。

「そんなシビアにできるのか?」と思っていたら、実は、相談内容というのは、「人事考課の不満が多いので、もっと、公正な評価をしたい。」ということであった。

 

 そんな1点の違いで賞与の金額が違うなんて、説明できるのであろうか。ある程度の幅を持って区分する方式にしないと説明できないだろう。人事考課(プロセスの評価)の1点に違いなんて、完全に誤差の範囲である。その1点で金額が違う根拠をどう説明すればいいのか。普通はムリである。

 

多分、人事考課の点数をそのまま使って金額を決めるという方式を改めない限り、不満は解消しないであろう。
ただ、指導しているコンサルタントは、不満が解消しないおかげで、永久に仕事があるので大満足だろうけれど。