本日、地元で、第4回の自主研修会を行いました。
*BEK(備後英語授業研修会)


内容は、
前回のブログでご紹介した「テスト」について。


昨年度作成した「学年末考査問題」を
各自持ち寄って話し合いました。

テスト問題が集合です。

私たちの会は、
地元の中高の英語の先生で集まっています。
これはいいですね。


1回の研修に参加することで、
中高いろんな学校のテストが集まる。
(公立中学、公立高校、中高一貫、国立)

「こういう機会ってなかなかないのでは」と
参加者同士で話をしました。

といいながら、
今日の参加者は5名。

部活動の大会や他の行事と重なった方々が多く、
いつもより参加者が少なかったのは少し残念でした。

しかし、テストについてじっくりと考え、
学べる機会ってそうはないので、

若手の先生にとって、
テストの実物を見ながら協議する場があることは必要だろうということで、

次回、参加者が増えたときに、
もう一度テストについて取り扱おう、ということなりました。

こうして、
この研修会が、地元の若手の先生方が伸びるきっかけになってくれれば、
うれしいなと思います。


さて、今回の研修内容ですが、
これが学び多きものになりました。

3時間があっという間に過ぎていきました。

会の進み方は、次のとおり。

実際の問題を示しながら、
その目的や指導法について多りあう。

いくつか問題を見た後で、
「テストについて語り合う3つのポイント」を確認しました。

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①つけたい力は?

②「つけたい力」を測るための「テスト問題」は?

③その「テスト問題」ができるようになる「スキルトレーニング」の指導法は?

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これは、前回のブログでもご紹介した、
英検STEP情報誌(5、6月号)の
中嶋洋一先生の記事で学んだことです。


この3段階を意識すると、

確かに「テストが変わると授業が変わる」というのが
認識できるような気がします。

次回も、このような流れで進めたいと思っています。


さて、づづいては、
今回学んだことをまとめておきたいと思います。


テストについては、いろいろな考えがあるでしょうから、
これから書くことが必ず正解というものでは、
もちろんありません。

ゆったりとした意識でお読みくだされば、と思います。



【今日の学びのまとめ】

1 テストの全体像

(1)テストの役割の1つ
 
 テストを通して、力を「測定」すること。
 テストを通して、「学習を促進」すること。

 前者と後者、どちらに力点をおくかによって、
 作成するテストの問題が変わる。

 例えば、前者の「測定」に力点をおくなら、
 学習材と評価材は変えるべきでしょうし、
 (一度学んだものをそのまま出すのでなく、
  別の教材でも同じような力がついているのかを測る)

 後者の「学習促進」なら、
 英作文等の「予告問題」も効果を発揮すると思います。
 (生徒は、テストに出るのなら、しっかり準備しておこうと思う)




(2)観点別テストを作成する意義は?


 観点別テストは、全国の中学校で浸透していますが、
 高校では、なかなか、という国のレポートが依然ありました。

 ということで、「観点別テスト」を作成する意義を考えてみました。
 作成する先生が「観点別のメリット」を感じると、
 観点別テストを作ることができると考えたからです。

 いくつか出てきました。


 生徒側の利点:「自分のの弱みと強みがわかる」
 教師側の利点:「自分の指導の弱みと強みがわかる」

 つまり、学習や指導の結果を「振り返れる」ということ。
 また、分析的なので、結果を次に生かすこともできるということ。
 (「読む」が弱いので、読みを鍛えよう・・・等。
  総合テストでは、どこが弱いかはわかりにくい)


 また、観点別テストを作成することは、
 保護者や生徒に対する「説明責任」を果たすことにもなる、という意見もありました。
 (お子さんは、「理解」の能力のうち、「聞く」はとても得意ですが、
 「読む」のが少し苦手なようです。そのための方策は・・・)

 さらに、「シラバス」を作るには、観点別にせざるを得ないのでは、
 という話もできました。

 このへんのことは、
 また整理してみたいと思います。



(3)作成者が変わっても、テストのスタイルを大幅変更しないためには?

 テストの形式が、作成する先生によって大幅に変わってしまっては、
 学習への波及効果が生じにくいと言えます。

 「何が出るのかわからないのなら、何を勉強すればいいかわからない」
 という生徒が出るからです。

 これについての方策として、

 テストの観点別の割合を決めておくことで、
 人によって、形式が大幅に変わることがなくなる。
 (例)理解(40点)知識・理解(40点)表現(20点)

 というアイデアが出ました。なるほど。



(4)テストをいつ作るか

 テストを授業と有機的に絡めて力をつけていく場合、
 先ほど見たように、次のことがポイントになります。

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 「つけたい力」を考えておいて、
 それに見合う「テスト問題」を考えておき、
 それを達成する「スキルトレーニング」を授業で行う・・・

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 これが、理想的な形です。
 が、
 今日尋ねた中では、やはりテスト作成は、
 テスト前「ギリギリになってしまう」という声もありました。

 こういう状況は、けっこう多いのかもしれないと思いました。
 皆さん、本当にお忙しいですから。

 ただ、テスト問題が先に決まっていると、
 よいことがあります。

 テストに向けて、授業の中で生徒を鍛えることができるからです。

 こう考えると、ある程度、

 「テストの型を統一しておく」ことには意義があるかもしれない、
 
 と思いました。

 毎回テストの型が決まっていると、例えば、
 生徒は、次のような意識になります。


  ○「単語戻し」問題が出るから、「音読」をしっかりしておこう。
  ○「英作」があるから、これはきっと出るな。しっかり覚えておこう。
  ○「発音」問題は先生はいつも出すな。
   じゃあ、この注意すべき語もしっかり頭に入れておこう。


 テストを意識した生徒心理と言えるかもしれません。
 これは、テストの「波及効果」と呼べるものかもしれません。

 ある程度、毎回のテスト形式を統一しておくのは、

 生徒にどの力が伸びて、どれが下がっているのか、 
 を意識させるうえでも、有効と言えると思いました。



2 知識問題について

(1)発音問題を出している学校多し

 みなさんは、テストに「発音問題」を出していますか?

  「発音を測るときは、実際に発音させよ。
 だから発音問題はペーパーテストで出題する必要ない」
 という言葉をよく聞きます。

 が、今日の参加者の中では、

 「発音問題を入れてもいいのでは?」という感じになりました。

 それは、次のような理由からです。

 ○発音問題を入れることで、リピートのときに細かな点を意識するようになった。

 ○「実際に発音させて測れ」と言われても、
  個々の発音だけをテストしている先生は、あまりいないのでは。


 私も、発音やアクセント問題をペーパーテストで出題することについては、
 賛成派です。



3 理解問題について

(1)教科書と同一英文を出す場合

 通常は、理解問題としては、
 授業で使った英文と、テストで出題する英文は変えなければいけない、
 とよく聞きます。

 同じ英文を使っては、純粋な読解力を測ることができない、
 これがその理由です。

 ただ、いろいろな理由があって、学習材(学習した材料・教材)を用いて
 読解問題とする場合もあります。

 そのようなときは、どのような方法をとることができるでしょうか。


 ○会話文をパラフレーズして、モノログ型にする。
 (これで、生徒に合わせて難易度を変更できる)

 ○QAやTFを変える。
 (内容は読んだことがあるものでも、
  測定の方法が異なる)

 ○TF等をした場合、「何行目にその答えが書いてあるか」も
 一緒に答えさせる。(たとえ和訳で意味を理解していても、
  もう一度英文を読み直す必要が生じる)



4 表現問題について

(1)英作文
 
  教科書や問題集の表現そのままでなく、
  一部を変える場合がある。

  そのとき、どのように変えるか。

  「日常生活で使えるフレーズ」にする。

  

(2)英作文での悩み

 「文法ミス」の減点式で採点をしていると、
 「シンプルな文」で「ミスの少ない」英文を書いた生徒の方が、
 「書きたいことをしっかりと複雑に書たけど、ミスが多い生徒」よりも高得点になる。
 
  どうにかならないだろうか、という悩みが出ました。

  それに対して、

 例えば、「表現問題」では、「通じる」という点で採点をし、
 「知識・理解」の問題で「正確さ」を重点しては?という答えがありました。

 また、私の学校では、

 3単現のsや、単複などの「マイナーエラー」は、
 各1点マイナスではなく、「3つまでは1点のみマイナス」としています。
 これも、「文法ミスで大減点」という状態を防ぐのには効果的です。

 教師としては、
 たくさん書こうという生徒の気持ちを大切にしたいですよね。





以上、本日学んだことをいくつかまとめてみました。
また、自分の指導に取り込んで、
考えをまとめていきたいと思います。