また暑い夏が | 宇都宮イサト

また暑い夏が

それからジュリを探し回ってどれ位の時間が経ったのだろう。

まるで時が止まったような午後の暑さの中で、やがて近くの道端で

倒れているジュリを見つけた。いやな予感が当たってしまった。

車にひかれた様だ。やたらと空は青く一面にはりんご畑。

悪い夢であってくれたらと思った。が現実は変わらない。


しかしジュリは生きていた。倒れていたが後ろ足を動かしている。

ジュリを抱き上げた。心臓も動いているし息もしている。

私の白のポロシャツが少しだけ血に染まったが大した量ではない。

ただ目がうつろで意識がもうろうとしているが助かると思った。

ジュリは私に抱かれるとそれまで動かしていた足を止めた。

やっと会えた飼い主に抱っこされて安心したかのように。


明日は青森弘前の斎場に眠るジュリの6回目の墓参りだ。

また長く待たせてしまったね。

ジュリの大好きだったサイコロステーキ持っていくよ。

宇都宮イサト