10年前の今日(2002年11月6日):福島県白河の関~栃木県黒羽(約27キロ:36854歩 曇
岩手→東京 徒歩による路上ライブツアー600キロ(2002年9月10日~12月8日) その43
猫が家の階段を走り回っている音で目が覚めた。布団の脇に置いていたペットボトルの水を飲むとキンキンに冷えていて、一気に目が覚めた。外に出ると軽トラのフロントガラスには霜がビッシリつきワイパーには雪のようなものがたまっている。気温0度。昨夜はマイナス2度だったらしい。
7時。白河の関のラーメン屋「やたべ」に行くとすでにマスターが仕込みをしていた。矢田部さんは29年間東京の郵便局に勤め4年前に退職し店を開いた。白河ラーメンというブランドがあり「うちのラーメンはとら食堂よりコクがある」と言っていた。
「寒いし、栃木まで長いから、これ食っとけ」
と出された玉子入りの味噌汁を飲む。体に染みこむようにうまい。今日は約30キロのロングロードだ。
高度を稼いで行くと頂上になり、そこが福島県と栃木県の県境だった。県境を越えると雪がちらつき一層寒さがこたえる。足も手も冷えて唾を吐くと鼻血の塊が出た。
294号線近くになると圏内となり一斉にメールが飛び込んできた。その中には東京でバックアップしてくれているマイカからのメールがあり、今夜の宿をプレゼントしてくれると書かれていた。
朝、8時に出発して山を越え、黒羽スプリングスというリゾートホテル風の宿についたのが17時。心身共に疲れた。広い敷地にはプールやテニスコートがあり夏場は賑わっているのだろうが、今夜の客は僕一人のようだった。
「お部屋の暖房は消さないでくださいね。すんごく冷えますから」
露天風呂に入り体を温め部屋に戻るとすぐに寝てしまった。22時だった。
画像:地面も車も霜でびっしりの朝だった
画像:福島県と栃木県の県境には追分明神という神社がある
画像:山の中をウロウロしていた野良犬。僕にエサをせがむが、まったく何ももっておらず困った