「アナゴ〜人類滅亡の危機」第三話 | パチスロブログ跳梁跋扈の全突っぱ上等♪

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これは、2.24アナザーゴッド襲来までの記録です


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第二話はコチラ

一章 決裂

何がアナゴだ・・・

昔は切れのあるいい漢だった
エージェントA・・・
久しぶりに会ってみれば挨拶もまばらに、必死にコートを掴みながら懇願する情けない男に成り下がっていた

考えさせてくれと言ったのも俺なりの愛情表現だ
たしかに世話になった
だがわかったと一つ返事ができる案件ではない
そこらの老いぼれた奴なら蹴り飛ばしてアスファルトの染みにしてやるところだ

世間知らずの蕨一辺倒で暴れまわっていたあの頃とはもう違う
戦場に顔を出せばもう知られた存在だ
それが守るべきものと言えばくだらない鎧にすぎない
だがあの頃とは違うのだ

帰路につく途中の二本目の煙草に火をつけたところで
跳梁跋扈は進路を変えた

腑に落ちない
メンツ

J

Aの口から出たJのコードサイン
俺が知る限りJは一人しかいない
そんなはずはない・・・

二章 懐疑

もう何年も訪れる者はいなかった
外界ではすでに忘れられた存在なのだろう
いいんだ
この世界で僕は生きていくんだ

怪異

突然、病魔は僕を襲った
全てを、何もかもを失った

厨二病

戦場のヒーローだった僕は戦うことに飽きた
いや、疲れただけだったかも

孤独

嫌いじゃない
一人の時間も皆といた時間もすべて楽しんでいた

孤立

気付かなかった
僕のいる世界は本当の世界ではなかった
気付いてしまったんだ
もう戻る気はない

僕は外界との関係を断ち切った

PC一つあれば世界を動かせる時代だ
自分の足で歩くことすらナンセンスに感じる
僕は10本の指さえあればモニターから世界を動かせるんだ

そっとしておいてほしい

静寂

音のない世界に響く静かな無音
流れることのない凍った川
熱のない太陽

そっとしておいてほしい
僕の病気はもう治らないんだ・・・

三章 罠

インターホンは壊れているのか、わざとなのか使用できない
だが知っている
見ている・・・はず・・・
これはフェイクだ

ジク兄、通称 J

厨二病に係り、忽然と姿を消した孤高の天才

あり得ないんだ、彼がメンバーにいることなど

「何の用だ?」

「入れてくれ」

「なぜ来た?」

「聞かなければならないことがある」

「話せ」

「久しぶりなんだ、顔くらい見せてくれ」


一瞬、破壊的な電子音が聞こえ物々しい鍵が解除された

「変わらないな」

「このアジトを知っているのは跳梁だけだ
顔をみたいなんて馬鹿馬鹿しい、病気が移るかもしんないよ?」


「移らんさw」

「手短に話してくれ」

”アナゴ”聞いたことは?」

「知ってるよ、話だけはね」

「Aにさっき会って来た」


手短に話せと言った割には随分と香りがいい紅茶が差し出された
大きめの灰皿には一片の曇りもない

「RBばかりはダメだぞ、たまにはお茶も飲みなさい」

「アナゴをやるチームを編成しているらしく
その中にJのコードネームが出た、ジク兄ではないのか?」


「さっきも言った、この場所は君しか知らないんだよ
Aとは連絡すら取っていなーい」

おかしい・・・
なら”J”とは誰なのだ・・・

「久しぶりに会えてうれしかった、またあの頃のように・・・」

「行きなよ」


言葉を遮るように兄はうつむいて俺を見送った

一体、Jとは誰なのか・・・

雨は止んだのに心に雲が残る結果になった
蕨についても寝れそうにないな・・・

四章 選択

「まったく、彼も腕が鈍ったなー!もう!
そうだろう、A、いるでしょ?出てきなよ」


どこにその大柄な体を隠していたのか謎なほどの隙間からAが現れた

「久しぶりだなジク」

「跳梁を躍らすとは・・・、変わっていないね~」

「気を悪くしたらすまない、だがこれしか方法がなかった」

「僕はやらないよ、アナゴなんて、そもそもハメられた事を跳梁が知ったら
ただでは済まないよ~」

「報告するのは・・・、これを見てからにしてくれ」

おもむろにクラッチバッグから取り出したカプセルをジクの眼前に
人差し指と親指でつまんで差し向けた

「こ・・・これは・・・」

「そう、厨二病特効薬、開発に成功した」

「く、くれるの!?」

薬を手のひらに握りしめAは囁いた

「条件がある」

「なに!何でも聞くよ!くれ!その薬をよこせ!」

”アナゴ”

ジクは目を見開いて動かなくなった、葛藤している
Aは静かに拳をさらに突き出した

「手のひらに鍵は掛かっていないよ」

「あ・・・アナゴ・・・」

膝をついて崩れたジクは天を掴むように両手でAの手のひらから薬をもぎ取った

「やってくれるんだな」

「やるよ・・・、病気さえ治れば・・・
僕は・・・、あの頃のままなんだ」

「連絡する」

「くっくっくっく・・・」


泣いているのか、笑っているのか
振り向かずにAはアジトを後にした