種籾の選別と殺菌(PCCJ実習コース2より)
http://ameblo.jp/jikyuujisoku/entry-10088728298.html
からのつづき


パーマカルチャー・センター・ジャパン
2008年度パーマカルチャー塾実習コース 3回目
5月10日(土)~11日(日)

テーマ「循環づくり2ーエネルギーの循環」
・見学「富士エコパークビレッジ」「PICA山中湖ヴィレッジ」
・講義「パッシブソーラーシステムの基本と装置」
・農作業「稲の種まき」
・講義と実習「土作り」「ぼかし肥作り」
・実習「製作物のデザインの把握」

 今回もいい出会いがありました。「富士エコパークビレッジ」の今井さんやリンゴ、建築家の山田貴宏さん、土壌コンサルタントの四井真治さんです。
 この2日間の内容を、ご紹介したいと思います。

■見学 パーマカルチャーを実践している「富士エコパークビレッジ」「PICA山中湖ヴィレッジ」へ行きました。こちらは、
別ページで 紹介しています。



■お風呂(やまなみ温泉)
■夕食
・おからハンバーグ
・いんげんとブロッコリーとエンドウの寒天よせ
・ベイクドポテトのローズマリー風味
・ほうれん草のおひたし
・蒸しブロッコリー
・トマトのスープ柑橘風味
・セリごはん


 お料理もどんどんグレードアップしています。
 いろいろな工夫や冒険(?)もあって、それがまた美味しく変化しています。
 飾りに、ハルジオンの花を散らしたりして、とてもきれいです。
 私のお料理心もくすぐられます。


■講義「パッシブソーラーシステムの基本と装置」
 講師:山田貴宏さん 建築家
 最近では、足立区のエコアパートを手がけたそうです。
エコアパート(エコアパート建築プロジェクト)
http://blog.canpan.info/eco-apa/
◎2008年5月12日 自然食通信社
『畑がついてるエコアパートをつくろう』発売 

 


 大きな問題として『ピークオイル』のお話をされました。塾生の中でも『ピークオイル』という言葉を知っているのは半数。実は私も石油の埋蔵量は半分のピークをすぎた、とどこかで聞いたことはありましたが、さらっと流して、意識していませんでした。
 『ピークオイル』については、昨日、
Genさんが記事 を書いてくれました。

 山田さんが教えてくださったDVDと文献
「ジ・エンド・オブ・サバービア」
カナダで制作された52分のドキュメンタリー
車に依存する郊外型生活は終わるよ、という内容。
http://www.endofsuburbia.com/
「he Party's Over_Oil, War And The Fate Of Industrial Societies」
石油を使った生活は終わるよ、という内容
http://www.amazon.co.jp/Partys-Over-Fate-Industrial-Societies/dp/0865715297
 
 私たちの生活の水準は、“右肩上がりしていく”と言い張る経済家や、必要最低限の生活水準で、“持続する”というサステナビリティ(持続可能なしくみ)という考え方もありますが、パーマカルチャーの創始者の一人、デビット・ホルムグレンは、下がって持続する“優雅な下降”を提唱しているそうです。
 それは、“いやいや下がるんじゃなくて、エネルギーを使わないライフスタイルを楽しもう”というものだそうです。
 今の時代に合う、ライフスタイルの行く先は“優雅な下降”が最適なのかもしれません。
 パーマカルチャーの創始者、ビル モリソンの
『パーマカルチャー~農的暮らしの永久デザイン』 で、デビット・ホルムグレンの考え方が紹介されているようです。 

 自然エネルギーには、

・地球上のどこにでもある

・タダである

・カーボンニュートラル(炭素の排出量が中立である。CO2を出さない。)である

・観光汚染が少ない

などのメリットがたくさんあります。


 それに対して、デメリットとしては、気まぐれである、均一でないなどがあげられます。
 

 しかし、たとえば風車を複数作ると、どれかが動きます。ネットワーク化するとクリアできます。
 エネルギーを取り込む装置は、“小規模分散型”がいいそうです。
 いままでの大規模なしくみは、リスクが大きく、コストが高く、複雑で脆弱です。
 小規模分散型は、ハンドリングしやすく、メンテナンスしやすい。冗長性があります。
 このことは、『ブリトルパワーから現代社会の脆弱性とエネルギー』(時事通信社、87年)、『ソフト・エネルギー・パスから永続的な平和への道』(時事通信社、79年)にも書かれてあるそうです。
 参考URL:
第6回幸田シャーミンのエコインタビュー
 http://www.ecostation.gr.jp/interview/1996/6.html

 エネルギーには質があるそうです。

 たとえば、100℃のお湯を置いておくと40℃になります。

 100℃での使い方と40℃での使い方ができます。

 利用価値が多いほど質がいい、と言えるそうです。

 多段階に、資源を何度も使うことを、“パッシブシステム”といいます。
 

 電気は、いろんなものに変換できるので、使い勝手がいい。現在では一番質がいいと言えます。
 しかし、火力発電所では、800℃に温めた水蒸気でタービンを回して発電しています。冷却するために使った水はお湯になり海へ流れ、海を温めてしまっているそうです。無駄以外の何者でもありません。
 

 最後に、演習問題を計算しました。

 自分が生活でどのくらいのエネルギーを使うのか、どのくらいのエネルギーが必要なのかを計算し、そのために必要なエネルギーを生産するにはどれだけのシステムが必要なのかを計算することが大切だと教わりました。
 自分にはどんなシステムが必要なのかを考えてほしい。
 計算するというセンスを身につけてほしい。
 とおっしゃっていました。


 エネルギーのことを考えると、原子力発電所や、値上げや、戦争などのキーワードが浮かびます。

 先行きを考えて不安になったり、反対を提唱していると、どんどん悲観的に、感情的になってしまうこともあります。
 たしかに、石油がなくなることは明らかであるし、それにもっと危機感をもつべきだと思います。報道されないのなら、私たち一人ひとりが発信するべきだと思いました。
 太陽や風力などの自然エネルギーは、補助的なものだという印象がありました。でも、実際に見学したり、理論的にエネルギーのことを考えたりすると、自然エネルギーを使うのが、適正な方法なのではないかと思います。
 山田さんがおっしゃるように、計算をすることや、論理的にシステムを考えることもとても大事だと思いました。とてもわかりやすく説明をしていただいて、とても勉強になりました。

 早く、実践していきたいです。


■農作業は、「稲の種まき」 のページで紹介しています。

■朝ごはん
・大根の玄米粥
・ごぼうの胡麻和え
・豆とひじきのサラダ
・温やっこ
・フキの塩漬け
・長いもとえのきのお味噌汁

 

つづきは、パーマカルチャー実習コース 3(土壌編)

(Mik)