さて四国編の続編になります。
高知県のコインスナックプラザです。
ここにはうどんそば自販機とラーメン自販機、そして西日本で唯一のトーストサンド自販機が稼働しております!
四国の他店舗はうどんばかりなので自販機ラーメン、そばが食べられるのも四国ではここだけ。
四国の他のレトロ自販機スポットからも離れているのでここを訪問するには丸一日費やすことを覚悟しなければならなりません。
朝に横田自販機コーナーを出発し、プラザに着く頃には日も暮れかけていた。
想像していたよりこじんまりとした建物だった。
ラーメン自販機、うどんそば自販機、トーストサンド自販機が一列に並んでいる。
市街地の中のゲームセンターに併設されている、平成以降の新しい雰囲気のコインスナックだ。
ゲームセンターも近くの高校生でにぎわっていた。
PLAY PLANはさらに隣の建物にもうひとつあるゲーセンで、駐車場はプラザと共用になっている。
都内のお店にもありそうだ洒落た表示がしてある。
他のレトロ自販機スポットにはないような今風の看板。
なんと入口は自動ドアだ!笑
自動ドアのあるレトロ自販機スポットなんていくつあるだろうか!?
こんなきれいな椅子とテーブルでレトロ自販機グルメを楽しめる店も、なかなか少ない。
うどんそばは230円。
そばには小さな天ぷらと三角のきつね、小ねぎ。
大久保自販店でも天ぷらうどんにきつねが入っていて、四国はそういう文化なのかと一瞬思ったが、コインスナック御所や横田自販機コーナーは天ぷらうどんときつねうどんは別だし、めん処かねかはきつねだけなので違うみたいだ。
でも全国的に見ても天ぷらときつねが一緒に入っている自販機のうどんやそばは四国以外にはない。
よく見るとPP丼の形状が普通のと少し違う。
フチが補強されているような、浜松のPAPAグループで使われているものと同じかもしれない。
他では見たことがない。
しばらく故障が続いていたラーメン自販機も復活していた!
ラーメンは250円。
ハムとかまぼことメンマ、小ネギが入ってる。
こちらのPP丼は良く見るタイプのものだった。
夜に寄った時のラーメンはフチ補強タイプだったので特にどちらを使うかの決まりはないのだろう。
一杯頂いてもうひとり購入したら売り切れになった。
タイミングを間違ったら危うく食べられないところだった。
ちなみにカウントダウンはどちらも7セグデジタルで500円玉も使える。
西日本でたった一台しか稼働してないトーストサンド自販機!
こちらは500円玉は使えない。
押しボタンが丸いタイプで、四角いタイプもあるがこちらの方が古そうだ。
ハム、チーズともに200円。
取り出し口、オートパーラーageoみたいに「引く」の文字が逆さになっている筐体あるけど。
こう開くのが正解。
実は私もちょっと驚いた。笑
こういう開き方する自販機少ないから戸惑いもあったのかもしれない。
たぶんこれより新しめの機械は普通に開くようになっているのだろう。
取り出し口の下の通風孔にはファンが追加されているのか、丸く加工がされている。
あまり見ない改造だ。
焦げ目は均一だったが端っこは焼けてない。
まん丸のハム!
汎用機にはお菓子のほかにいなりやおむすびなども売られている。
ハムサンド、天ぷらそば、ラーメンをいただき一旦PLAZAを後にする。
そのあとコインスナック和へ御所でお会いしたフォロワーさんに教えていただいたカップライス自販機を見に行き。
改めてブログ書きますがこの自販機もレアでした!
その後温泉に入って。
ビールと定食をいただいて仮眠。
そのあとで夜遅くなってから再度プラザに寄ってみた。
売り切れになっていたラーメン自販機は補充されていた。
うどんをいただきます。
チーストーストも。
チーズがたっぷりで贅沢感抜群!
アルミは市販のものだったがチーズとわかるように「チ」と書かれている。
さっき食べたハムはどうだったかな?
確認し忘れてしまった。
オーナーさんが飲料の補充に来て、色々お話を聞くことができたのでここからはその話も交えて書きたいと思います。
ラーメン自販機が半年近く故障していたが、うどん自販機を修理した時、ついでにラーメン自販機も修理したらしい。
修理業者を呼ぶことなく、オーナーさん自ら修理したそうだ。
その努力の甲斐あって無事復活!
うどんそば自販機の内部。
ラーメン自販機の回転湯切り部。
そして特別にラーメン自販機の調理中の様子を自販機を開けた状態で撮影させていただいた!
お金を入れるとらせん状のストックかごが動いて湯切り部に丼が落ちる。
その後お湯が注がれ回転湯切り!そしてもう一回湯切りされて、最後に汁が注がれて完成!となる。
この一連の動作がたった25秒!
アツアツの自販機ラーメンが出てくるのだ!
驚くことに調理の様子を見せるための取り出し口代わりになる鉄板と、湯切りが見えるようにアクリル板まで用意されていた。
しかも実演で調理したラーメンをごちそうになってしまった。
オーナーさんありがとうございました!
サービス精神に頭が下がります!
ちなみにこの時のラーメンのPP丼はフチ補強タイプ。
自販機の中のものはここで作ってるのか聞いてみたところ、麺類は地元のうどん屋さんに、トーストはパン屋さんに注文してるとのこと。
特にトーストサンドのチーズはたっぷりで儲けは数十円しかないとのこと。
本当にこの値段でこのクオリティなら納得ですよ!
ハムより全然原価は高いらしい。
ちなみにオーナーさん曰く、純正のアルミは去年半ば頃まで使用していたが、手持ちの在庫がなくなったので市販に変えたとのこと。
現在のアルミに比べると厚みがあったと。
なんと今でも注文すれば印刷して製造できるとのこと!
個人的には、もう全国的に純正アルミは消滅しているので無理なのではないかと思うのだが、オーナーさんの話が正しければもしかしたら突然純正アルミが復活することもあるのかもしれない。
「トーストサンド自販機はもう西日本にはこの一台しかないですよね。群馬とかにはまだいっぱいありますけど。」
と話してみると、群馬にはいっぱいあるというのが意外だったようで驚かれていらっしゃいました。
このトーストサンドも全国で稼働しているのはたった17台になってしまいました。
ここ以外は群馬、埼玉と新潟に集中しているのが不思議だ。
他の県には稼働機は現存しない。
ちなみにオーナーさんの話では麺類自販機は最後に製造されたものでも平成5年製とのこと。
麺類自販機は一番新しい機種だとしても、最低でも20年は稼働していることになる。
PLAZAの麺類自販機も500円玉が使えてカウントダウンがデジタルなので昭和57年以降、平成5年以前製造ということになる。
ニキシー管からデジタルに変わったのがいつ頃なのか特定できれば年式ももう少し限定できるのだが、500円玉が使えてニキシー管のものも存在するので平成になってから製造された筐体かもしれない。
ちなみに500円玉が使える表示があるのに使えない筐体が多いが、新500円玉は平成12年からなので、コインメックが新500円玉対応のものに交換されたものと交換せずに今日まで残っているのが存在するためであろう。
また元々500円玉が存在しない時代の昭和57年以前の筐体は、500円玉対応にすら改造されず現在に至るものも多く残っている。
旧500円玉を見つけたときには500円玉が使える表示が消されている筐体に入れてみて認識するかどうか、調査してみたいものだ。
珍しい自販機でもないと思ってきちんと撮ってないけど、トーストサンド自販機の隣のコーヒーの自販機も故障中となってるが、比較的新しい機種にも関わらず部品がないのだとか。
台数が少ないのと次々と新しい機種が出てくるのですぐ部品が揃わなくなって、今のところ修理できないらしい。
レトロ自販機を眺めながらオーナーが話し始めた。
「今は3Dプリンタなんかもあるから、現代でもこういう自販機作れないものかね?」
やはりこういう人間味のあるアナログな機械の自販機に愛着があり、それがどんどんなくなっていってしまうのはさみしい様子だった。
でも、2014年バージョンのうどんそば自販機とかトーストサンド自販機とか存在したら、それはとても夢のある話のように思えた。
2~3分経ってやっと食べられる冷凍から温められる食べ物の自販機はあるけれども、現代の技術をもってしても25秒でアツアツのうどんやそば、ラーメンが食べられる自販機なんて作られていないのだから。
「自販機が先に逝くか、私が先に逝くか。」
なんておっしゃられていたが、オーナーさんも自販機もずっとお元気で活躍していただきたいものです。
私が東京から来たとお話していたので
「また来ます!」
というと
「ご冗談を。」
と返してくださいましたが、必ずまたお伺いしたいと思います。
必ずもう一度、西日本最後の自販機のトーストサンドと高知県唯一のおいしい自販機のうどん、そば、ラーメンを食べに。
それまで自販機もオーナーさんもお元気で!
営業時間午前6時~午前0時。
(2014.1.8訪問)
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