海の中心で、真っ青な空を見上げながら叫ぶ。「オレは生きてるぞー!」
このアーチ、いいでしょ。千葉県いすみ市大原町のビーチは初めて。この空の色を見せたかった! っていうか、毎日、そうだとは思うけど。
海の家は2軒だけ。海の家で「パラソル、貸しましょうか?」「いえ、いいです」「パラソル、あった方がいいんじゃないですか?」「いらないです。ずっと海に入っているので」。
実際、私はずっと海の中にいた。1度も出ない。海に入って、真っ青な空を見上げたときは、うつ病の私が「そう状態」に変わる瞬間。海の中心で叫ぶ。愛ではなく「オレは生きてるぞー!」。
自分では3時間ぐらいいた気になっていたが、実際には半分。2時半に入って、4時のアナウンスが。「4時以降は遊泳ができません」。それを聞いて、まだ4時か、って。
上空を飛行機がかなりの低空で飛んでいた。みんな「あんな低空で大丈夫?」と心配している。でも、乗っている人、気持ちいいだろうなあ。
私の海デビューは遅い。たぶん、高校生。都会のもやしっ子なので。
この日は3、4歳ぐらいの女の子に釘付け。浮き輪があるとはいっても、ぜんぜん水を怖がっていない。すごく楽しそう。
「かわいいですね!」。父親に話しかける。「ありがとうございます」「水、ぜんぜん怖がってないですよね。今日だけで、すごく慣れたんじゃないですか」「帰ろうといっても、まだいたいって。すっかり気に入っちゃったみたいで」。
私とほぼ同じ時間、中にいた。恐るべし、3歳か4歳。