闘争心、ライバル、名勝負…五輪の体操からもプロレスと同じ感動が! | 生きているだけで十分 宍倉清則のいまのキモチ

闘争心、ライバル、名勝負…五輪の体操からもプロレスと同じ感動が!

777回…ラッキーセブンだ。


体操は特に興味がない。オリンピックのチャスラフスカ(東京五輪)、ナディア・コマネチ(モントリオール)の10点を覚えているぐらい。その程度の知識しかない。東京五輪は8歳だったが、チャスラフスカは印象が強い。とうていかなわない「ガイジンレスラー」のイメージ。


4月4日、NHKで放送された「ヒーローたちのオリンピック」は、NHK大好きの私にとって、こんな番組を待っていた! というカンジ。30分だったが、引き込まれた。


コマネチは、たけしさんのギャグで知っている人も多いだろう。76年のモントリオール五輪。コマネチで、ルーマニアという国を知った。


電光掲示板は「9.99」と3ケタしか出なかった。「10.00」は出せないのだ。でも、コマネチは10点満点をマークした。掲示板は「1.00」と出た。これじゃあ、1点じゃん! いやあ、やはり、昭和のエピソードは面白い。


コマネチのコーチ、カロリーさんは非常にレスラーっぽい。「コマネチは闘争心がすごい」と身振り手振りで語った。金メダルのコマネチが国の広告塔として練習もできずに「このままでは選手が潰される!」と危機感を持った。まさに、いまの女子サッカーのエース、澤選手のようだ。澤選手なんて、絶対、ストレスでしょ。


政府と対立したカロリーさんは身の危険を感じて、アメリカに亡命。アメリカにはコマネチにあこがれていた少女、メアリー・ルー・レットンという選手がいた。メアリーは当然、カロリーさんのことも知っていて、初めて会ったとき「わー、コマネチさんのコーチだ!」と、ミーハーになった。


そのメアリーはカロリーさんのコーチで大成長を遂げ、84年のロス五輪に出場。大旋風を巻き起こした。メアリーのライバルはサボーという選手。これがまた、カロリーさんのコーチを受けた、ルーマニアの選手だった。なんというドラマか! すごい名勝負となった。


極力、簡単に説明したつもりだが、番組では現在のコマネチ、メアリーにインタビュー。コマネチは50歳になっていた。メアリーは4人の女の子がいて、うち3人は体操の選手。まだまだ「ドラマ」は続きそうだ。


オリンピックを一言でいえば「極限」。これがテーマ、キーワード、だと思う。


番組は11日、第2回。陸上の100メートルだ。これまた興味深い。