ニュースで報道されたことを話題にすることが続きますが、職場の人間関係についての問題を取り上げたいと思います。

私は団塊の世代の方々に育てられた人間で、最初に「新人類」と呼ばれた世代です。

この頃の上下関係と言いますか、それは、職場に限ったことだけではなく、親と子、教師と生徒、部活の先輩・後輩、どれも今とは比較にならないほど、厳しいものでした。

学生時代の部活の先輩方、新卒で勤めた会社の先輩方は、厳しいだけではなく、怖い方が多く、「逆らう」ということが難しかったのを覚えています。
それでも、私は尖がった性格でしたので、随分刃向ったりもしたものです。

振り返って思うことは、それでもコミュニケーションが取れていたという点です。

職場では、先輩方と飲む機会も多く、社内行事や職場旅行も当たり前にありましたので、職場以外でも接する機会が多かったのです。

そういう意味では、随分と時代も変わって来たと思います。

その頃のような指導方針・教育方針だと、現在は問題があるのは確かです。

私のかつての直属の上司は、新卒の私にとっては「鬼」とも思えるほどの厳しい方でした。

例えば、分からないことを質問しに行くと、第一声は「マニュアルを見たのか?」という怒号で、まともに教えてもらえませんでしたし、どんなにお客様にお叱りを受けていても、すぐに助けてはくれませんでした。書類を提出しても、ただ「やり直し」とだけ。どこが悪いとも、教えて頂けず、自分で考えて、何度もやり直しをしたりしたものです。

しかし、そのお陰で私は誰よりも早く仕事を覚えましたし、仕事に対する考え方、責任、姿勢、あらゆる面で成長することが出来ました。ですから、感謝の気持ちの方が大きい訳です。後の血の自分にとってプラスになる事ばかりでしたので。やはり厳しさもコミュニケーションが取れていれば、愛情だということも分かりました。

今は、コミュニケーションを拒絶する若者が増えているのがとても残念です。

若者世代の方と、お仕事をご一緒させて頂く機会があると、つくづく思うことは、

「怒られる・叱られること」

「自分の思い通りにならないこと」

「自分の意見を否定されること」

「ミスを指摘されること」

「してもらえないこと」

に免疫が無さ過ぎることです。


時代背景も教育も、私達の頃とは違い過ぎますので、当然の結果かなと思います。

今の時代に必要なことを教わってない彼等にどこまで罪があるやら…と思います。

それで、報道されていたことは何かというと、職場の上司の苦悩です。

上司が部下に対して、コミュニケーションを取ろうと思っても、

「叱る・怒る」と → パワーハラスメント

「からかう・嫌味を言う」と → モラルハラスメント(いじめと捉えられたりして)

「性的発言・行為」で → セクシャルハラスメント

「叩く・小突く」程度で → 傷害事件

挙句、部下が上司の言うことを全く聞かず、上司が「鬱病」になるケースも多発しているといいます。


若者の現代型鬱病の問題は問題でまた別に書きたいと思っていますが、これだけ聞くと、職場での人間関係は完全に崩壊してると思いますよね。

実際そうだと思いますし。

特に、部下が上司を虐めるようなケースは、私は擁護出来ません。

部下はあくまで、会社の一雇用者に過ぎず、雇用者が会社が選任した上司に対して、命令・指示に従わないという行為自体、本来なら許されません。

立場が違います。

また、業務命令・指示を放棄したら、会社に逆らうのと同じ行為です。


自分の立場というものが何であるかを、分かった上での行動が鉄則で、上司を「鬱病」に追い込むのは、やり過ぎであって、超えてはならない一線はあると思います。

もちろん、こういったケースでは上司の側にも問題はあるのでしょう。
部下の方だけを一方的に攻めようとは思いません。

問題なのは着目すべき点で、どの様な問題起ころうが、その原因の殆どはコミュニケーション不足によるものに他ならないのです。

人間関係は、コミュニケーションによって育まれます。良くも悪くもです。

上司 = 疎ましい存在 と、決めつけてしまうと、たとえそれがどんな言葉であっても、右から左に抜けてしまうようになってしまいます。

そして、負のスパイラルに陥って行きます。

きっかけ自体はきっと(上司にとって)大したことない・たわいもない一言だったりします。
それがたまたま、良い印象を与えなかった。ただそれだけ。

実際に自分が上司になり、部下を育てる立場になれば自然と分かることですが、上司であっても完璧な人間なんかじゃありませんし、人格者でも何でもありません。間違い・ミスだってします。自分の事で手一杯になって、他の人の事など目に入らなくなることだってあります。

そんな自分が部下を育てるとなると、面倒臭いことだって、ウザいことだって山程ある訳です。

でも、人生経験は積んでますし、仕事だって部下よりは出来るでしょう。

ただそれだけなんです。

未熟者が未熟者の自覚もなく、自分より立場の上の人間をどうこうするという発想自体間違っていて、だったら、仕事で・実力で張り合え・出張れ・見返せ! と思いますね。

飲み会や職場旅行、社内イベントが減少している現代は、よりコミュニケーションの機会を得る為に双方が工夫しないといけなくなっているのは事実です。
向井以上に、双方の歩み寄りが必要なんです。

仕事面だけしか見えていない状態で、相手の人格を決めつけてはいないでしょうか?

上手く行っていない関係程、コミュニケーションをとるのが必要で、且つ、それは仕事のうちだと思うのです。


だからこんな問題が起こる事時代が私には言語道断なのです。


最後に、「人は嫌いな人程、自分に似ている」と言います。

もし、職場で嫌悪感を抱くような上司が居たとしたら、その嫌いな部分は自分で自覚していない自分の性格・考え方・特徴だと思った方が正解です。

人は「見たいものだけ見る」「自分の都合のいいように解釈する」というズルい特性があります。

単に見えていない・分かってないだけなのではないでしょうか?

誰かの所為だと思っている内は、成長はないと思います。
特に仕事では、基本全部自分の所為です。

だから、このような問題が無くなる様に、訴えていきたいと思います。