昨日、黒猫がベッドで横たわっている時、灰猫がテーブルの上を探検していた。

すると、テーブルの上に置いてあった紙で足を滑らせ、テーブルから落ちた。

それを見た黒猫は「ニャニャニャ」と叫びながら一目散に灰猫に駆け寄り「大丈夫だった?」と言わんばかりに灰猫の顔を舐めていた。

お兄ちゃんしてるぜ~!

同じく、昨日の夜明けの事だ。
黒猫が寝ている私を起こしに来た。

枕元でウンニャラウンニャラ鳴き、私は目が覚めた。
すると黒猫は、ドアの枠で爪を研ぎながら私を見つめる。

これは「ドアを開けろ」の仕草だ。

私がドアを開けてやると、黒猫は尻尾をアーチ状にして屋上の階段まで駆けて行く。
そして階段の上り口で止まり、私を見つめて待っている。

これは「付いて来い」と言う意思表示だ。

そこで眠い目をこすりながら屋上へ言ってみると、物凄く綺麗な朝焼けの空が広がっていた。

黒猫はこれを見せたかったのか?


夜、私がエアコンの聞いた部屋にいると、時々同じ様に屋上に誘いに来る。
黒猫に誘われて屋上に行くと、エアコンの効いた部屋よりも涼しい。

まるで、「こっちの方が涼しいよ」と教えに来てくれているみたいだ。



黒猫は常に私の傍らにいる。
しかし、灰猫は今やUMAと化している。

夜は私の部屋にいることが多いが、昼は何処を探しても見つからない。
そんな時は黒猫と屋上に行く。

すると何処からとも無く現れて、屋上に来る。
黒猫がいつも私の傍らにいるのと同じ様に、灰猫は黒猫の気配を感じられる所にいる。

しかし、人間から隠れていると言うわけではない。
極端に狭い所が好きで、少しでも狭い所があれば入り込んでいるので見付けられないだけだ。

そんな灰猫はだが、美少女アニメで例えるなら天然系ドジッ娘キャラだ。
何かに付けドジと言うか、天然をかましてくれる。

例えば、テーブルの脚に頭をスリスリする時、黒猫や前の猫は額から後頭部にかけて上手にこすり付けるが、灰猫は額の中心からテーブルの脚に突進し「ゴツン」と言って止まる。

そして、首をひねる事無く、額でぐいぐい押している。

手すりの支柱の間をジグザグに歩く時、黒猫は軽やかにジグザグにすり抜けるが、灰猫は全ての支柱に頭をぶつけながら、ゴンゴンゴンと衝突音を立てながらすり抜け?て行く。

私の足にスリスリする時も、黒猫は額から後頭部にかけて擦り付けながら、そのまま回転してコロンコロンに入るのだが、灰猫は頭で突進してぐいぐい押しながら、バタット倒れてコロンコロンに移る。

高い所から飛び降りる時も、黒猫は着地の音がしないのだが、灰猫は「ドスン」と落ちてくる。

屋上の手すりの上を歩いていて足を滑らせるのも灰猫だ。


黒猫も灰猫もそれそれに個性があって可愛い。




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