これもまた発言小町なのだが、集団ストーカー妄想が伝播して行く様子が手に取るように分かる相談 がある。


それがこれだ。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/0331/232530.htm?o=0&p=0


これが、ネットの恐ろしさである。


最初の人は、医師の診断を薦めているのだが、次の人は「盗聴」を口にする。

それは真っ当な意見かもしれないが、その事で相談者の不安を増大させてしまう。


そこから、回答者達が聞き及んだ「だけ」の事を書き出す。

「~だそうです」「聞きました」「~のようです」


それらはどれも「不確実な情報」であり、さらにそれが相談者の不安を増大させて行く。


そして4/1のトビ主は、「自分で調べられる器械を買ってみます」と書いている。

それは、更に不安を増大させる事になりかねない。


盗聴発見器として売られている物は主に二種類で、レシーバーと電界強度計である。

盗聴発見器として売られている物は、電界強度計であるのだが、それは単なる電波キャッチャーでしかなく、盗聴器だけに反応する代物では無い。


そんな物を、何も知らずに使えば至る所で反応して、家中に盗聴器が付いていると思いこんでしまう事になりかねない。


そして、4/2に「はな」と言う人が「集団ストーカー 」と言う言葉を使い、同じ日に「カナキョ」と言う人が、同じような精神状態の人の相談にリンクを貼る。


そのリンク先を見た事で、相談者は類似点を見出して行く。


そして同じ4/4に「善意」と言う自称被害者の影響を受けた人が登場し、相談者は自称被害者のサイトを見て自分の境遇と同じと言う認識を満ってしまう。

その境遇とは「被害」ではなく「同じ病気」なのだが・・・

まだこの時点では、自分を見直す方向に向きかけているが・・・


そして、4/11に「ちょっと」と言う人が「ご主人さんもストーカーに関わってるってことないですか?」などと余計な事を言い出し、家族に対する不信感を煽り、家族の信頼を壊していく。


それまで精神的な事を全否定していた相談者だったが、4/12の「続き」の書き込みで、引っ越してきた時に「鬱状態」だった事を自分で書いている。


そしてもう一つの「続き」で、自称集団ストーカー被害者のサイトを読んで、恐怖を感じている事が書かれている。

つまり「不安」が「恐怖」に変わったのである。


そして4/15に「キタノマコ」なる人物が、集団ストーカー妄想に追い討ちを掛け、4/22の相談者は自称被害者の仲間入りを果たす。


こうなったら、自称被害者の話しか耳に入らないだろう。


なぜなら「不安」は理性を縛り、不安が「恐怖」に変わった時、正常な思考が出来なくなり、世界を正常に認知する事が出来なくなる。


こうなっては、手遅れだろう。

そして、この様な事態になった一番の原因は、引越しの時の「鬱」を軽く考えていた事だろう。

恐らく治療もしていないと考えられる。

それは「私がうつ状態(PMDDの時)」と言う所に窺い知る事が出来る。

PMDDとは「月経前不機嫌性障害」の事で、鬱病をPMDDと解釈して適切な治療をしなかったのだろう。


また、もう一つの手遅れが「自称集団ストーカー被害者」のサイトを読んでしまった事。

恐らくこれから読み続ける事になるだろう。

そこには「精神病に仕立てられる」「医者もグル」等と書いてあり、医者を頑なに拒み始め、旦那が無理に連れて行こうとすれば、すでに主人共犯説が意識に埋め込まれている為、主人も共犯と確信してしまう。

そして、治療を強制しても薬を飲まなかったりして、治療の効果は上がらなくなってしまう。

こうなると、入退院を繰り返し、何時までも治らなくなってしまう。

そして、その人と住む事自体が家族のストレスとなり、家族は関わりを持とうとしなくなってしまう。


少なくとも、集団ストーカーと言う言葉に出会う前に治療を始めていたら、比較的早く回復しただろう。

そして、ネットなどしていなければ・・・







集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都