384.密談Ⅱ~すべてうまくいけば 君は後からでも東宮殿に戻ることは可能だ | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→383.密談~イ・シンは偉大な皇帝に成る その邪魔をしないように 君は今 身を退く必要が有るに次ぐチェギョン目線です

また電話するという言葉通り 翌々日ジテさんはもう一度電話を掛けてきた
あたしは…
”ずっと考えてた””殿下に打ち明けようかと思ったけど 言えなかった””離婚以外に手は無いのか”と訊ねた

「ああ…確かに しばらく姿を消すだけでも充分だろう 正式に離婚する必要までは無いよ」
ほっ
「だが 結婚記念日が来る前に君が離婚を望んでると公にする必要は有る」
どうして…?どうしてもシンくんを傷付けなきゃならないの?
「君がただ姿を消すだけでは 何者かに攫われたと騒ぐだけだ
勿論彼に事実を打ち明ければ計画は即アウトだ 許しはしない だろう?
君が彼に皇太子で居て貰う為に 彼のお荷物にならない様 自ら東宮殿を去ったんだって事を納得させなければ この計画は少しもうまく行かない」
そうか…
「君が行方を眩ませば勿論 君を探し求めて もしかしたら暫くは弱くなるかもしれない
だが皇帝の臣下として決してぶれない皇太子のイ・シンなら 皇太子派の王族達がその足元にひれ伏せば 必ず目覚める
彼が自ら覚醒し その地位を確立しさえすれば皇室は安泰だ
現状の敵は恵政殿皇太后だけで 将来的にユルはイ・シンの傍に欠かせない人材だ
だがこのままイ・シンが廃位に追い込まれ 大君に降格されでもすれば 今のユルよりも遙かに弱い 何の力も持たない位置付けに… それだけは避けたい
色々手を尽くしたようだが 今回皇太子が巫女を買収した件を公にした事で 皇太后さまは最も有力なカードを手放したところだ
彼女が次に何を使ってヤツを追い込もうとお考えか…概ね見当がついてるが…彼はそれを絶対にしくじらないと僕は踏んでる
そこで力を誇示してくれれば…
すべてうまくいけば 君は後からでも東宮殿に戻ることは可能だ
今は身を隠しても 無事に皇孫を産みさえすればね」
ジテさん…知ってたの?
「でもシンとユルの順位が入れ替われば 戻ることなど二度とは無い
君に こうまで苦しい選択をさせる僕を…恨んでもいい
どうか正しい選択をしてくれ」

「皇太后さまは皇太子夫妻を一気に潰したがってる でも僕が違う提案をした
君はまず 結婚二周年の生放送で離婚したいと言うんだ
妃の発言に傷ついた皇太子は 妃宮が姿を消せば正常では居られなくなるし…
まずは東宮妃を引き摺り下ろし 外国へ送って始末しては?と言って置いた」
っ!?
「勿論君は僕の用意した別の便で皇太后の手の及ばないところへ身を隠し 安全に暮らす
そして無事に出産するんだ
正式に離婚しないまま 身を潜めて… 出産したら戻れるように 僕が協力しよう」

解ってるの…無事に産めなければ廃妃なのはほぼ決まってる
あの方にとって 東宮妃のお腹に居る子は邪魔な存在でしかない
流産させるか…あたしと一緒にこの子を消すつもりなんだもの…
東宮妃のままでは タイの宮殿でだって襲える人から身を守る術が無い
共倒れを避けるには 確かにこの提案を飲む方が間違いないのよ
でも戻れる条件もただ一つ やっぱり”元気な赤ちゃんを無事産む事”になるのね…

「結局僕の言う通り 君はその道を選ぶと思うよ? それが最善の策だと 君も思うだろう?」

自分本位に 離れたくないと縋った結果 共倒れなんかしちゃったら…
ジテさんの言う通り国が崩壊するなんて事は信じがたいけど
訓育がその身に染み込んでるシンくんは 皇太子として生きて来たシンくんは…
あたしの為に東宮殿を追われたりしたら…きっと壊れてしまうわ?
そんなの絶対ダメ
難しい事は解らないけど…シンくんを嫌ってる素振りを隠さないあのジテさんが シンくんの覚醒を願って皇太后さまを欺いてまでこの計画をあたしに提案してくれたんだもの


何度も… シンくんに打ち明けようかと迷った
妊娠の事実と 誰も知らない筈のその事をネタに脅迫する手紙
厳重に警備され 安全なはずのタイの宮殿で襲われたこと
あたしにJiJiを殺させたのも おそらくあの方の仕業で…あたしと赤ちゃんを守って欲しいと…
でも シンくんはあたしの事になると見境ないらしいから… 何が起こるか解らない
”怨”に染まった皇太后さまと 今の皇室との確執を 明るみに出すわけには行かない
先の陛下と奸臣達による過去の過ちを白日の下に晒すことにでもなってしまったら…
そんなのダメ

赤ちゃんは…必ず守って見せる 皇室も シンくんの皇位継承権も…
そしていつか シンくんの元に戻って来る
それがあたしの出した答えだった そしてあの日…


「ってチェギョン?聞いてる?」
ジテさんの声に ハッとする
「ん?ああ…ごめんなさい」
あたしってばまた…もう何度も東宮殿を出てくることになった経緯を思い返しては 間違ってなかったんだと言い聞かせようとしてる
何度そうしたって シンくんの事恋しくなるだけなのに…
溜息を吐くジテさん
「アイツ…ほんっとムカツクよな
まさかのキム・ミニョンって…どういうつもりだよ!
この女が蛙に驚いてチェギョンにぶつかった時の事 今でもはっきり覚えてるよ
まるで君が穢されたみたいにさ… あんなに毛嫌いしてたのに なんでだよ!?
何この幸せそうなツーショット 有り得ないダロ!」
「あ~!悔しい!けどやっぱりなぁ~!
シンくんって 自立してる美女に目が無いんだよね~」
「こんなの絶対嘘だ!だっておかしいダロ?
君を愛して あんなにも執着して 他の王族の令嬢は勿論だが この女からも例外なく 有り得ない程過敏に 君を守ろうと必死だったじゃないか!」
「前にミニョンさんを嫌ってたのは あたしに対する立てまえだったんだよ
色々あってね…必死で 無理してあたしを守ろうとしてくれてたからね…ふふふ
あんなにあの女を信用するなってあたしの携帯からアドレスを削除してまで遠ざけたのは 寧ろあたしに義理立てして 彼女に惹かれる気持ちから逃れるためだったんだわ
やっと素直に認めたんだ ミニョンさんの事… 良かった…
今度は 彼女の夢を奪うとか悩まずに なんでも話せるといいけどな…」
「いいもんか!こんなの間違ってるって」
「ふふ ジテさん ありがとう」
「チェギョン…ホントにもう平気か?無理するなよ?」


今日もありがとうございますカムサハムニダ
突然の更新でみあねよ
ジテの説得に応じるしかなかったチェギョンは マカオでどうくらしていたのか…
マカオにも継妃がキム・ミニョンに決まった事が報道されたようです

続きは2/3(金)を変更して2/1(水)にUPします
385.妃宮さまの隠し事~妃宮さまが… これまで只の一度だって無かった事
初登場のあの方目線です

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