323.フランス土産~なぜなんだチェギョン どうして俺よりもあの女を信じる? | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→322.不本意ながら交渉成立~シンくん…カッコ良かったよ?…に次ぐシン目線です

 


「よく笑うであろう?」
父上とおばあ様が代わる代わる奪い合うように腕に抱くのは この国の皇位継承第三位の王子イ・ソン 19も年の離れた俺の弟

「あ~」
「おお!シンを見て笑ったぞ 兄上の帰還が嬉しいのか?」
くっ そんなはずはない
笑ったソンの顔がたまたま俺の方を向いていたが ソンはまだ生後二ヶ月にもならない
それなのに父上はソンの小さな手に御自分の指を握らせて満足そうに頷いている
「う~」
「おおそうかそうか」
「ふむ シンが解るようだ」
おばあさままで…
あぁあ しょうがないな… まだ俺を兄だと認識するどころか覚えてもいないだろうに

「ええ そのようです」
俺は父上に調子を合わせる
「妃宮も早く会いたいと ソンにまで土産を買いました」
「おお…妃宮 ソンに何を買ってくれたのだ?」
「父上 期待しない方が良いですよ コイツの趣味は…」
「えぇっ?!なんてこと言うのよっ」
チェギョンの振り上げた拳をキャッチして 土産物をテーブルに並べるようチェ尚宮に合図する

俺は 並んだ土産物の中から透明の包みにリボンの掛けられた件のぬいぐるみを拾い上げる

「やっぱり悪趣味だな…カエルとカタツムリなんて… あれ?ひつじも買わなかったか?」
「ああ ひつじと…馬もね あれはファンくんのとこのミネと 従妹のスミに…」
ファンの娘リュ・ミネが産まれたのはソンの産まれる十日前だ
従妹のスミ…キム・スミはチェギョンの叔母夫婦の娘だからチェギョンの従妹になる
「そうか 暫く会ってないが…一歳半くらいか?」
「ええ…そうなの」
暫くもなにも 産まれた翌月にたった一度会った切りだよな…
本来ならもっと頻繁に会える筈の従妹なのに…
おそらくスミは チェジュンを覚えていても チェギョンは覚えていないだろう
チェギョンは 寂しそうに微笑む

そんな俺達の空気を感じてか おばあ様が仰った
「妃宮 実家の家族にも土産を買ったのであろう?里帰りしてはどうだ?」
「お言葉に甘えてそうしたいところですが…
夏休みの課題で 秋の全国美術展に出展する作品を準備しなきゃならないのに取りかかってもいなくて…無理そうです」
この夏も随分多忙だった
「そうか…
ならば… 来て貰えば良い
土産を渡したい者を皆呼んで たまには東宮殿でホームパーティーでもしてはどうだ?」
おばあ様!
少し前なら 歯を見せて笑うなんてはしたないとされていたが おばあ様ときたら 楽しい遊びを思いついた子供のように笑っている
「い いいんですか!?」
チェギョンの表情も パァッと華やぐ

嗚呼… また厄介な事が起こらなければ良いが…
もう既にやる方向に進み始めた話を 無かったことに戻すのは難しそうだ

なぜそう面倒くさがるのかだって?!
違う!
ただ面倒くさがってるわけじゃない!
東宮殿に人を招待する許可が下りれば おそらくチェギョンはあの女を呼ぶ
その件については フランスから帰国する機内で口論になったんだ
ユル夫妻と共にキム・ミニョンを東宮殿に招待しても良いか なんて言いだすから…
却下だと即答したのに

「ねえどうしてそんなにミルとミニョンさんを嫌うの?」
「お前はあの女に騙されてるんだ
あの女は俺を嫌っていて 俺の神経を逆撫でする為に 意図的にお前に取り入ったんだ」
「何を根拠にそんなこと… 初めからユル先輩を好きだったミルはともかく
ミニョンさんはシンくんに好意を寄せていて… あの時の事は本当に…
もういいのよ 忘れよう?」

あの時の事は お前が忘れたいのならとあれ以上口にしなかったが
いったい何故お前はあの女にこうも気を許してしまったんだ?
「まあ確かに シンくんとお近付きになりたくても シンくんはバリアが凄いから
隣のあたしから落として…ってのはあるかもしれないけど…」
「そんなんじゃない!違うんだチェギョン…」
だがそれに続く言葉が出て来ない
いっそ話してしまえたら… だが…それは無理だ

「とにかく…このままではあの女はいつかお前に危害を加える
あのパーティーでの事は あの場をお前が目撃するようタイミングを見計らって意図的にやった事 お前を傷付け 俺達の関係を壊そうとしたんだ
俺がアナフィラキシーを起こした原因はあの女に手渡された桃のシャンパンだったんだぞ!」
「そんなの!あたしだってシンくんがピーナッツや桃にアレルギーが有ると知らなかったのに ミニョンさんが知ってるわけないじゃない!」

ミニョンさんが知ってるわけないじゃない…
ミニョンさんが知ってるわけ…ナイんだ…本来ならな
そう…おそらく ソ・ジュヨンが俺のピーナツアレルギーを知っていたのも恵政殿皇太后からの情報で あの女が俺の桃アレルギー情報を得たのも…恵政殿皇太后によるもの
やっと積み重なりつつあるチェギョンとの信頼関係を壊そうと意図的にあんな…

一旦は誤解が溶けたと感じたのに…
春休みに東宮殿に押しかけてきたあの女はうまいことチェギョンと二人きりになり 何か言い訳をしたんだろう その後 何故だか俺はチェギョンの中でやっぱり悪者に逆戻りしているようだ
あの女は いったいどうやってチェギョンに取り入ったんだ?
俺の方から無理やりされたとでも言ったのか?
なぜなんだチェギョン どうして俺よりもあの女を信じる?
嵌められて チェギョンの目の前で他の女にしてしまったキスが こんなにも俺たちの間に爪痕を残すなんて…

 

 

 

 

 

 

今日もありがとうございますカムサハムニダ

 

 

 

 

大変申し訳ないのですが
やっぱりゆっくりお話を書く時間がとれません
恐縮ですが 更新を週一ペースにさせてください

 

 
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