261.19時の報道番組~あそっか あんたの友達ってみんなボンボンだもんな | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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皇室警察に拘束された男は 芸術高校演劇映画科2年の生徒だった
勿論チェギョンに接点は無い
科ごとの縦割り授業もある芸術高校だが…
記憶力には自信が有る 俺とも 同じグループで活動した事など無い筈だ
なのに何故?

その男の周辺を探ってすぐに明らかになって来たのは その男が普段からアンチ皇室で有名だった事
それから 本人の事情聴取によって
教唆した者との接触は卒業式の朝
駅で声を掛けられ 金と小麦粉を渡されたのだという事が解った

小麦粉と一緒に金を貰い 残りはコインロッカーにと鍵を貰ったらしい
皇太子と皇太子妃に振り撒くよう指示されたが 演劇映画科よりも美術科が先に退場した為 チェギョンに粉を掛けた時点でイギサ達に取り押さえられ 皇太子に掛けることは叶わなかったのだとか

「初めて会った男で マスクとサングラスをして黒い帽子を被っていて 顔は全く解らなかったというのです」
つまり アンチ皇室で有名な程 独り善がりに俺を嫉む(ソネム)男の感情に付け込んで 自分の目的を果たしたい何者かが その男に金を握らせ実行させたと言うんだな?!
コン内官の報告を聞いているうちに 俺は怒りを抑えられなくなってきた
「俺が直接尋く!」
「お待ちください! お待ちください殿下…なりません!…殿下…」
コン内官の制止を振り切り 皇室警察の聴取室を目指す


「お前は自分が何をしたか解っているのか?」
硝子越しに話しかける事を半ば強引に黙認させて そう問いかけた俺をチラリと見て鼻で嗤う
「さあね あんたやあんたの嫁さんがどんだけお偉いかは知らない
そりゃ 断りも無く粉をかけられりゃ驚きはするかもしれないけどさ
別にたいしたことじゃ無いだろ?みんなやってんじゃん
今頃街中粉まみれの高校生が歩いてるんじゃないの?
あんたの友達もどっかでやってるさ」
「俺の友人はそんな低俗なことはしない」
「あ そっか あんたの友達ってみんなボンボンだもんな~」
ふざけやがって
ガラス越しじゃなかったら殴ってるぞ!

「なんだっていいけど 俺未成年だし
人を殺したわけでも無いから 24時間以上拘束できないんでしょ?」
恐らくコイツは 捕まった場合の逃げ道も教わっているんだろう
「悪いがお前には皇室侮辱罪を求刑する」
「できないって 未成年なんだから」
「生憎だが 俺はお前を許す気は無い 如何なる手を使ってもお前を裁いて見せる」


翌日の昼が拘留期限だったから 一応拘束は解いたが その男に接触を図る物は徹底的に調べるよう指示した
停学になったというのに平気で出歩いているらしい
だが金を渡した男との接触は無い
コインロッカーの金は当然没収した
あんな端金で終りでいいのか?
どうやらヤツの背景を見ても 金が必要だったわけでは無い
ヤツは映画配信会社や映画館をいくつも経営するグループの御曹司だ
ちっ おまえだってボンボンじゃないか

だが俺はこのま終わらせはしない
世間は粉を被ったのが俺では無く チェギョンでも無く チェギョンの母上だったから そこまで騒ぎを大きくしないかもしれないが
実は逆だと まだ誰も気付いていないようだが
違うぞ?
相手が俺ならまだ良かったろう
チェギョンが先に退場したばかりに お前は人生を棒に降ったんだ


焦れる気持ちを抑えて その夕方 俺はひとまず今回の事件に関する見解を発表することにした

チェギョンと夕食を摂ったのち リビングのカウチに誘う
19時の報道番組で 公式発表するよう皇室広報部を通じて各報道機関へ通達して置いた
「此処に…」
俺はチェギョンの手を引いて隣に座らせた彼女の頭を 自分の肩に凭せ掛ける


TVの画面には今月 韓国の各地の卒業式で見られた小麦粉や卵を掛け合う卒業生の映像が流れた後 今日の夕方撮影したのであろう芸高の校門前が映し出され リポーターが昨日の卒業式後に起きた出来事を 一通り説明する
アンチ皇室であることが知られる生徒に 何者かが金を渡して理も無く皇太子妃に向かって小麦粉を撒くと言う極めて悪質な行為だったと

スタジオに切り替わり 朝鮮史の第一人者が 韓国には卒業式にこの日で卒業する制服に小麦粉を撒くという風習が存在するその由来や意味を改めて説明し…
元々は決して 悪ふざけなどでは無かったこの風習に付いて 今一度冷静に考えて欲しいと締めくくり アナウンサーがバトンを受け取る

「はい それではここで 皇太子殿下から その見解を公式発表として 皇室広報部よりお預かりしておりますので 僭越ながら私が代読させて頂きます
『昨日の出来事は 妃宮と それを守ろうとなさって被害を蒙った妃宮の母上であられる府夫人は勿論 皇室にとっても また国民の皆さんにとっても 真にショッキングな出来事だっと感じています
更には今回 是まで深く考えずに見過ごしてきた好ましくない風習を見直す事を 皇室と政府に問題定義されたのだと感じました
昨日 卒業式の答辞で私が述べた通り 卒業式は 諸先生方に保護者の皆様方に また支えてくださった多くの方々に 感謝の意を示す場であり
決して解放感に飲み込まれて悪ふざけすることを許される日などでは有りません
禍転じて福と為す
妃宮は
私との結婚により 不本意ながら疎遠となっていた母上様の 穢された髪を自らの手で洗い清める事で 府夫人様に大変喜ばれ 親孝行を果たすことが出来ました
どうか皆さんも妃宮を手本に 感謝の心を伝える行いをなさってください』
皇太子殿下は 妃殿下と府夫人様を思いやるお心で このような事件さえも 卒業式の風習について改めて考える機会と前向きに捉えると仰られて居ます………」

読み上げられた公式発表を聞きながら 俺の顔を伺い見ていたチェギョンがポツリと言った
「シンくん…ありがとう」
「俺は何もしていない 事実を伝えただけだ」
「でも ありがとう シンくんのお陰だよ
シンくんのお嫁さんにして貰って無かったら
あたしだってオンマに感謝の気持ちを示せなかった
小麦粉を掛け合ってはしゃぐオバカな子達の一人だったかも…」
俺は チェギョンの潤んだ表情を見て 敢えてニヤリと笑う
「そうかもな」
「うぬぅっ!」
チェギョンは不満そうな膨れっ面で俺を睨んでその両手を俺へと伸ばす
くくっ 俺はその手から逃れようとするが…
「だから事実を言ったまでだって」
イテテ
チェギョンが俺の頬を摘まむから お返しにデコピンをお見舞いしてやった
「ぃったぁ…んもう!
ぷっ くくく あはは おっかしいね」
そうだ お前は笑ってろシン・チェギョン


今日もありがとうございましたカムサハムニダ
ひとまずホッ?
続きは3/16(月)→
262..皇太子妃の思い~ …しますと言ったのは 今思えば運命だったのかな…

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