46.ユルの部屋から帰った夜(一般公開版)~お前かなり変だろう?俺は自分自身を嘲笑った… | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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はじめての方はかならず はじめまして を お読みください
前のお話→ 45.ユル兄さんちの帰り道~そんなことは魔法でも奇跡でも無かったんだ
このお話は 43.薄暗い視聴覚室で~やめろよ…さすがにそれは拙いだろう?に続くシン目線のお話です

 こちらは アメンバー限定で公開している46話を読まないと お話が分かりにくいだろうなと… 今更ですが 若干胸が痛くなる部分の表現を変えて一般公開します
46話未読の方 どうぞ


クソッ!余計なことを… 何がしたいんだイ・ユル?!俺は自分のベッドの上で 苛立ちを枕にぶつける


なんなら僕がシてやろうかと迫られ 終には…布越しとはいえ局部を摩(サス)られたんだ
一瞬 従兄と男同士で近親…なんて恐ろしい絵図が過ぎり
さすがに焦った俺は化粧室に逃げ込んだが… この躰…どうシたものか… 情けないが解放するか?
いや…ありえないだろ…皇太子がこんなところで自慰なんて… 顔を洗ってみても治まらず
長居してヘンな想像されたくもない… しかたなくそのままタオルで濡れた前髪を拭きながら化粧室を出た

リビングに戻るとユルがワケの分からない戯言を… クソ 勝手に言ってろ! 


ユルの家からは徒歩圏内だ 急にマンションを飛び出して帰ったのに
東宮殿に帰ればいつも通りコン内官がスタンバッている…ふんっ
マンションのエントランスで待機していたイギサの仕業か
別にいつもの事 当たり前の事なのに そんなことにまで腹が立つ

クソッ!クソッ!クソッ!!怒りにまかせてコン内官に上着を投げつける
慌てた様子のコン内官に
「気分が悪い!夕食は不要だ!」そう言い捨てて自室へ籠る
「殿下…」「入ってくるな!」
「畏まりました… 後程 お茶をお持ち致します」
コン内官は何も悪くない…悪くないのに八つ当たりなんかして…
馬鹿はどっちだ?!
ユルに悪意が無い事ぐらいわかってるだろう?解っているじゃないか!?
なんなんだよ…何がそんなにムカつくんだ?
俺を苛立たせているのは 本当はなんなんだ?なんでこんなに心が落ち着かない?
ベッドに飛び込み 枕に顔を押しつけてもちっとも心は鎮まらない
しん… 何の音も聞こえない… 静かなこの部屋…


俺はムクりと身を起こし ベッドの上から 机の上の青い箱を見た
「いつも自分を見失わないで 君らしく イ・ユル」
俺は口に出して呟いてみた… 涙があふれた…


蓋を開けなくても全部覚えている ユルから届いた沢山の絵葉書… 何度も見た
ユルが描いたユルの見たイギリスの景色 ユルの手で描かれたそれら…
ユル…ユル…ユル兄さん…俺の兄みたいな温かな人…それがイ・ユルだ…
ふらりとベッドから立ち上がり 机の前の椅子に座る…


アルフレッドをそっと机の上に降ろして 青い箱を手に取り 蓋を開ける…
たくさんの葉書… 全部イギリスの消印が押されている
十年近く 俺の元に届けられ続けた ユルの 俺への想い…
気遣い 優しさ…
何もかも奪った俺を 恨んだことだって有るはずなのに…
これは…同情なのか?そう疑ったこともあった だが
今は感じるんだ…
こんな可愛くもない俺を 本当の弟のように 無条件に愛してくれている
解っているのに… そう 確かに感じているのに…
ユルが惜しみなく俺を愛してくれていると…
なのに俺は見せたか?俺の心の半分も ユルに見せたか?


違うんだユル…誤解しないでくれよ… 俺は恋なんかしていないんだ…
ほんとうに…ただ アルフレッドに似たクマのキーフォルダーが気になっただけだし
ふつうに恋をしているアイツ等が ほんのちょっと羨ましかっただけさ…

あのアルフレッドに似たテディベアをぶら下げた 品の無い女に 俺が 恋でもしてたほうがいいっていうのかユル?そんなことに何の意味があるというんだ…


俺は机の上からアルフレッドを抱き上げた
葉書という形をしている兄の愛の詰まった青い箱に いつも座らせているアルフレッドを
ぎゅうっと抱きしめた
オットマンに脚を伸ばしながら 椅子の背凭れを押倒して身を寝かす…
きっともうすぐコン内官がお茶を運んでくるだろう…
こんなんじゃ俺は甘えた子どもと変わらないじゃないか…ふっ



「お前の話を聞いていると 頭に来た 腹が立った 我慢ならない!」
俺はベッドに女を押し倒し その細い腰を自分の両脚で挟み込んだ
「や… やっ!」
女は本当に嫌がっているようだ
なのに俺は構わず 荒々しくその肌に触れる
「ダメ…いや…」
脅えた声に 俺は余計に昂ぶってきた…
「黙れよ」
「こんなの…いや…」
ふざけるな!俺に抱かれたがってる女は山ほど居るんだ!激しく口付けて耳障りな言葉を奪う
「んっ…やっ!」

待てよ…ナニしてるんだ イ・シン… やめろ… 嫌がってるじゃないか…こんなんでこの女が手に入ると本気で思っているのか?
「嫌っ!いやーーっ!!」
「煩い 黙るんだ!
おまえは俺の妻だ 皇太子イ・シンの妻で皇太子妃なんだ叫んだところで誰も来はしない!」

皇太子妃?じゃあコレは俺の妻なのか?
なんでこんなに嫌がられてるんだ?
「こんなの違うよ 違うでしょう?!」
違う?違うってナニが?!
「何が違う?!何も違わない!!
心なんか要らない 俺は俺の妻を抱くだけだ 皇太子妃は黙って皇太子に抱かれれば良いんだっ!!」
心なんか要らないってなんだよ!?
妻なのに 愛されてないのか? はっ!そうか愛なんてないよな…
きっとただ宛がわれただけの妃だ もしかしたら妃に他に思う相手が居たって不思議も無い
「いやっ!いやっ!こんなのいやっ!」
「煩い!」と怒鳴り邪魔な布を取り払う

はっ なんだよ むちゃくちゃ白いんだな…女の躰って…俺の思考が女の躰に集中する
その白い胸の先端は ほんのりと変化していく
コレって… 嫌がってるくせに 躰は反応してるじゃないか…
妻なんだろう?構うもんか
男は好きな女じゃなくたって抱けるんだ 泣きかぶっている妃の顔なんてどうだっていい…
なのについ興味が湧いて見上げたんだ その胸に唇を寄せながら…

「うわっ!」 な!ナニィッ!?またお前かっ!?


ドスンッ!鈍い音と共に 自分が椅子から転げ落ちた事に気付く
「殿下!…お怪我はありませんか?」
ちょうどお茶を運んできたコン内官が駆け寄り 椅子から転げ落ちた俺に手を差し出す
「あ… ああ…平気だ… うたたねしてしまったらしい…」
俺はその手をさりげなく断って 自力で立ち上がる
こんなところを見られるとは… ったく…肘掛があるのになんで落ちたりしたんだ?

俺は表情を変えずやり過ごせると思ったが 鼓動が激しく胸を打つのは治まらない
そっと胸を押さえる

「なにか召し上がられた方がよろしいかと…」胃を押さえたと勘違いしたのか?
コン内官は後方のワゴンに持参したのモノ たぶん粥であろうそれを 俺に薦める…

「ああ…せっかくだ…頂くとしよう…」落ち着け…落ち着くんだ…
「どちらでお召し上がりになられますか?」
「うん…」
胸の中に黒い靄が広がってくる 妙な気分だ…場所を変えよう…
「そっちのテーブルに置いてくれ」

俺と一緒に床に転げ落ちたアルフレッドを 蓋を開けたままだった青い箱の蓋を閉じて上に座らせ
それからソファへ移動する…

さっきの夢はいったいなんだったんだ…
妃が俺に抱かれるのを激しく拒んでいた…
しかもその妃… あの女…シン・チェギョンだったろう…?
馬鹿げてる…

アイツ等とユルの部屋で観たDVDにはそんなシーンなんて無い…
くっ なんておかしな妄想を… 嫌がる女を抱きたがるなんて… お前かなり変だろう?
俺は自分自身を嘲笑った…


今日もお読み頂き ありがとうございます

腹を立てて帰ってきては タイミングを見計らった出迎えにさえ苛立ち
ユル兄さんをどこかで疑ってた自分と 心を開きたいのに開けない自分
心を開いてどうなるものでもないという諦め… 
嫌っているどころか好いている人たちに 子どもみたいに当り散らして
そんな自分が一番醜いと 改めて自身を嫌悪する…
そこへまたおかしな夢…ウソダロ…

シンくんの夢シリーズ笑うふふ・・・
楽しい夢ではなかったので 怒りよりも疑問が沸いたようです悩むむ
シンくんにしてみれば 何だったんだ…でしょうね…

このお話の何処をどうカットすれば一般公開できるか考えているうちに忘れて放置
思い出してはまた悩んで放置… やっとUPできました
アメンバー限定版はもう少し表現が具体的なの… みあねよ


 

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この続きのお話は→ 47.クリスマス~お噂はかねがね窺がっています