Love is revolution 9 ~「羨ましいな…」 ウネちゃんがポツリと言った | かおり流 もうひとつの「宮」

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コチラは 不定期で更新中の「Love is revolution」
Love is revolution 8 ~あの痛みに襲われた チリチリ…チリチリ…に続く
リュ・ファンの恋物語 今日は双子の姉チェ・シネ目線で
敢えて 未来から過去を振り返った書き方を選びました
※二部まで一旦完結と成っています まとめてお読みの方は目次からどうぞ
「Love is revolution」



私は高校三年の冬 双子の妹ウネを…喪った
だけど…
私の心は穏やかだった
ウネちゃんは死んだけど死んでないの
私とファンの中に生き続けるように…私とウネちゃんとファンは…
三人で ウネの死を受け入れる準備をしたから…

こんなこと…誰にも理解して貰えないと思うから…私とファンは 決して誰にも話さない
だけど それが解っていたからこそ出来たのかもしれない

それは高二の冬から…大事をとって春まで病院で様子を見ようねと言われていた頃
穏やかだったウネちゃんが急変した夜
「ウネちゃん!嫌!待って!もう少し…もう少しだけ傍にいてよ!お願い!まだダメ!一人で逝かないで!!」
ウネちゃんに泣きすがる私の背中をファンが撫でてくれる
今ウネちゃんを喪っても 私は一人になるワケじゃない… 支えてくれるこの温かな手が有る
ファンと一緒に乗り越えて行ける…
だけど今ウネちゃんは死んだら一人になっちゃう!どこへ行くのよ一人で…
私の声を聞き 力なくこの手を握り返したウネちゃんはやっぱり
「シネちゃん…私 覚悟は出来てる 平気よ
でもシネちゃんがそんなじゃ…置いて逝けないわ…」
私の心配をする…

私にとってウネちゃんは 強い絆で結ばれた双子の姉妹というよりも…
本当は一人の人間なのに 間違って心と体を半分に分けあって生まれてしまった自分の半分だった
だからウネちゃんの発作の時 私も心臓が痛くなったし 息が出来なくて苦しんだ
なのに私は 健康だった… お医者様が言うには 痛みは医学的には解明されていない…より深く結ばれた双子にみられるミラー現象と言われるもので…
私は検査をしてもどこもどうも無かったの
私が信じられないほどの痛みに苦しんだとき… ウネちゃんはもっともっと苦しんでいて…
私は「今晩がヤマでしょう ご覚悟を…」と言われた
私とウネちゃん…どっちがより辛いかは明確なようで 実は違っていた…
自分の半分を失って生きて行かなきゃならない事は 自分が死んでしまうより遥かに恐怖だった
私の抱えている問題は自分で思う以上に深刻で… 言わなくてもウネちゃんはそのことを知っていたし 気付かれていることも解っていた それもミラー現象なのかな…
ウネちゃんはいつも 「シネちゃんの方が辛いに決まってる 私だったら耐えられない ごめんね」と笑った…
私は違うと首を振ったけど… ウネちゃんは譲らなかった…
実際私は ウネちゃんと一緒に消えてしまいたいと思っていた ファンを 得るまでは…
ファンも ウネちゃんの心配をしながらいつも 私の方をより心配していた…
壊れてしまいそうな心を いつも繋ぎ止めてくれた

だから私は誤魔化せなかった ウネちゃんのファンへの想いを知ってて知らないふりなんかできなかった
私を残して死ぬのは私が可哀想だっただけで ウネちゃんはもうずっと前から 死そのものを恐れては居なかった 私が居るから死んだって一緒に生きられるとさえ言ってた
だけどこの頃…違ってきたの 本当に もっと生きたいと 私とファンと共に生きたいと願う気持ちが 転写されてきたんだもの…

三人で仲良くトライアングルラブしてた時と違って 私達を恋人同士として尊重してくれるウネちゃんを見るのは 私には辛かった
いっそ病気を笠に着て「ちょっとぐらい貸してくれてもいいじゃない!」と明るく言ってくれた方が楽だった

「最近 元気ないねシネ… 俺になんか話したいことない? 何もしてやれないけど シネと想いを共有したいんだ 辛いなら辛いと言っていいんだよ?」
ファン…言えないよこんなこと…
「私…ウネちゃんが居なくなったら生きていけないと思っていたの…
なのに 今はそうじゃなくなってる… それが嫌なの…」
「それって…もしかして…俺のせい?」
優しい目で私を見つめるファンから目を逸らして 頷くしかなかった
「そう…だったら俺…ウネには悪いけど 嬉しいな…」
驚いてファンの顔を見上げたら 私が瞳に映ってた そうだ… それも 頷くしかない…
「ファン…お願いが有るの…」
「俺にできることが有るなんて 嬉しいな 何?」
残酷な事を言う覚悟を揺るがすようなファンの笑顔に戸惑ったけど 私は言った
「ウネちゃんのことも 私と同じように愛して欲しいの」
「は?」
言ってる事がめちゃくちゃだって事は充分解ってた でも ウネちゃんのためであり 私の為にも そうして欲しかったの
「どういう意味?俺は…ウネのことちゃんと大事に思ってるよ?」
「違うの…そうじゃなくて…私と同じように…抱き締めたり…」
最後まで聞かずに立ち上がったファンは 怒ってた
「何いってんの!おかしいだろ!?俺に双子の姉妹相手に二股かけろって言ってんの?!」
そうだよね 驚くよね
初めてのキスを 知らずとはいえウネちゃんにしちゃったこと ファンがずっと気にしてることも ちゃんと解ってる…
でも私は言い出した事を退かなかった ちゃんと考えたの!真剣なの!と主張した
私達は 喧嘩した… 当然だよね… 解ってた でも どう考えても そうすべきだったの
それが 私達にとって正しい道だと確信が有った

春になって ウネちゃんは退院し 私達は高校三年生になった
相変わらず私達は 時々その事で揉めた
「シネの気持ちは解った だけど ウネには絶対そんなこと言っちゃだめだ
ウネは俺達の間に割り込みたくなくて いつも心を隠してくれてるんだよ?
それなのに シネがそんな風に考えてると知ったら 傷つくだろう?」
そういわれると その部分に関しては納得…
両親と叔母さまの事もあるから ウネちゃんは自分をセーブしているんだと思う
でも…
ウネちゃんはファンと同じで キュンとなると鎖骨が痛くなるんだよ?
私はどんなにトキメイても鎖骨なんか痛くならないし…
病気だったのがウネちゃんじゃなくて私だったら ファンの隣に居たのはウネちゃんで 心を隠すのは私の方だった
ううん…違う 私達は元々二つに別れちゃっただけの一人の人間で 半分の私が ファンを独占していいはずなんか無いんだもの…

良く晴れた初夏 皇太子殿下と チェギョンが結婚した
ファンとウネちゃんと 国婚式の後のパレードを見に行った
ファンは相変わらず イ・シン皇太子殿下が大好きで 誇らしそうにしていた
「今日のシン 一段とカッコ良かったよね~ チェギョンも綺麗だった」
「羨ましいな…」
ウネちゃんがポツリと言った
「私も誰かに愛されたかった…」
ウネちゃん…終わったことの様に過去形で言うの?
「な…なんでそんな風に言うのさ? ウネもすりゃぁいいじゃん 恋」
「私の恋は…もう手遅れなの 知ってるでしょ?ファン 今から新しい恋なんて できないよ」
私達は言葉を失った

「あ!やぁだ!何その反応!二人ともひっどい!いっつも遠慮してやってんだから ちょっとくらいグチらせてよね~」
そう言って明るく笑ったウネちゃんが 左の鎖骨をギュッと握ってる理由を 私が言わなくてもファンは気付いているはず…
自分がどんな時にそこが痛くなるか知っているから…


韓国今日もお読み頂き ありがとうございますキラキラ
順序立てて書こうか随分悩みましたが
敢えてウネの死を先に公表する形を選びました
さて…ご理解頂けなくても 残り二話となりました焦
無理と思われる方はここでリタイヤしてくださいうーん汗
全体の目次

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あじさい。 明日のお話は本編です 朝8:18:18
126.新しい物語~辛い事は辛いと 悲鳴を上げなきゃ