68.トライアングルラヴレボリューション~チェギョンの大きな瞳から ポロリと涙が零れ落ちた | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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初めての方は はじめまして から順に読み進めて読みくださいね(順番にリンクしてます)
前のお話→67.トライアングルラヴⅡ~ああどうしよう…俺 ホント優柔だなぁ…
ファンくんの恋話つづきで オムニバス風になっちゃっていますが…
今後の本編に関わる事なので番外編にもできなくて…
らぶらぶシンチェ待ちの方には申し訳ありません
流れを乱したくないので本日も 引き続き ファンくん目線のお話です


「ファン…私達しばらく会えないかもしれない…」
電話口のシネの声がすごく沈んでいるのに
「ええっ!?どうしてなのさ?!」
俺はつい責めるように問い詰めた
「ウネがまた発作を起こして…入院したの…」
「ええっ!!」
鈍器で殴られたみたいにショックだった

この数か月 ウネは顔色も良く 機嫌も良くて 病気って何の病気さってくらいだったのに…
すっかり元気になったと思っていた
俺の前で 具合の悪い様子を見せたことなどなかった だから…

「ごめんね…ウネには言わないでって言われてたんだけど ウネも知ってるの
ハタチまで生きられないかもしれないってこと…今度の発作は酷くて…し…深刻なの…」
泣いてる… すぐにわかった
「会おう」
「ダメ」
「会って話したい」
「いや」
キッパリとそう言うシネ でも短い言葉… 涙声を聞かれたくないんだ
「シネ…」
「ごめんね また 連絡する」
そういって電話を切られて もう一週間になる…
何度掛けても 携帯電話はつながらなかった

そんな時にチェギョンが倒れた 俺はゾッとした…チェギョンも病気だったり…?
チェギョンを病院に連れて行って 貧血だと解ってひとまずホッとした
家の中まで付き添おうと押し問答していたら チェギョンの弟がちょうど帰って来た

チェギョンを弟に託して車の後部座席に乗り込み 自宅へ向けて走り始めた車の行き先を変えてもらうように頼んだ
「ねえキムさん…さっきの病院に 戻ってくれない?」

病院に戻ると あの日ウネの存在を知った病室へ向かった
そこにはウネの名前はなかったけど すぐそばの別の病室にウネの名前を見つけたICUだった
病室のドアの縦に長細い窓から そっと覗いてみた
集中治療室の中でたくさんの機械に繋がれているウネが目に飛び込んで胸がズクッとした
「ウネ…」俺のつぶやきは自分でも驚く程に沈んでいた
「ファン…」後ろから聞こえてきたのはシネの声
振り返った俺の目に映るシネは 少し疲れているように見えた
「君は大丈夫?」それしか言えなかった
だけどシネは 唇を歪めて 眉を寄せ 一瞬のうちにジュワッと目に涙を溜めた
「大丈夫じゃなさそうだね…」
俺は三メートルくらいの距離を素早く縮めてシネの肩を抱き寄せた
「ごめん…何も知らずに ウネを傷つけて」
驚いた瞳で俺を見上げたシネは首を横に振った
「違うの 違うから… ファンのせいなんかじゃないよ?」
「わかってる でも… ウネは笑ってたけど やっぱり傷ついてたでしょ?」
俺のせいで発作が起きたわけじゃないことはわかるけど 俺にはそう言わずにいられなかった
「ウネちゃん…ホントに今までなかったくらい楽しくて幸せそうだったの…
だから ファンには悪いと思ったけど
このままずっと三人で仲良くいられればいいな なんて思ってしまってた
そんなの…無理だよね… ホントごめんなさい」
「あやまらないでよ 別れるつもりなの?」
「だって…」
「そんなことしたらウネ よけい負担に感じるんじゃない?」
「だけど…」
「俺やっぱ来るよ 今は眠ってるみたいだけど また来る」
「でも…」
「俺が顔見せないと 自分のせいでシネと俺が別れたと思って 余計落ち込むと思うけどな」
「そうかな?」
「うん 俺 ウネには笑ってて欲しい 病気以外のことでウネが元気無くすのヤダな」
「…」
「ウネの容態 なんにも知らないくせに 軽々しいこと言えないけど また笑顔みたいじゃん 来ないと気になるもん 明日また来るよ」
心配そうに眉をひそめて俺を見上げるシネの頭をポンポンと撫でて
「大丈夫 俺たちのことをどうするかは 保留でいいよ だけど 今すぐ分かれるのはカンベン!」
俺はわざと明るくウィンクしてみせた
唇を曲げて 泣き笑いの顔したチェ・シネが 俺の胸をゲンコツで叩いた
「じゃ また明日ね」
優柔不断のトライアングルラヴに革命の一歩踏み出したはずだった
だけど…

「おはようチェギョン もう平気?朝から保健室に寄って先生に報告しておかなきゃね 俺も一緒に行くよ」
朝からそうメールしといたから 美術科二年の教室へ行ったら チェギョンはもう保健室に行ったってゆうから俺も行ってみた

ガラリとドアを開けると ベッドに腰掛け 窓から校庭を眺めてたチェギョンが振り返った
「ファンくん おはよう 昨日はありがとう わざわざ来なくて良かったのに!」
あれ?まだ少し顔色が悪いかな…
キム・ソナ先生はまだ来てなくて 俺はチェギョンの前に立ち 前かがみになって顔を覗き込んだ
「もう平気?まだ顔色悪いみたい… ちゃんと処方された鉄剤飲んだの?」
「飲んだよ もう…平気だよ…」
口ではそう言ったのに その顔は全然平気そうじゃなかった
「どうしたのさ?先生が言ったとおり やっぱりなにか悩みでもあるの?」
「な…ないない…」
そう言ったチェギョンの大きな瞳から ポロリと涙が零れ落ちた

ええぇっ!?俺泣かした?いや…違うよね 俺のせいじゃないよね?
「チェギョン…どうしたのさ なんかあった?」
俺の声を聞いてるのか聞いてないのか チェギョンは俯いて ただただポロポロ涙をこぼして泣いた
しゃくり上げるチェギョンの頭を撫でてやるしかできない俺は チェギョンの前に立ち尽くしてたんだけど…
チェギョンの頭が俺のお腹のあたりに当たってて…
なんか…こんな時になんだけど… へ…変な気分になっちゃって
わ~ ヤバイな~ 勃っちゃいそう… なんて思ってたら…



今日もお読み頂き ありがとうございます
あらららら… ファンくん
 ふぁいてぃーん

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次のお話は明後日12/1(日)朝8:18:18
69..嫉妬~それくらい構わないだろう?気になるんだから話せよ
の 前に11/30 秋らしい番外編をひとつUP 
R指定ではありませんが 先の展開に関するネタバレ感が強いので
アメンバー限定といたします
ネタバレがお嫌な方はスルーしてください