41.僕のこれまで~いつも自分を見失わないで 君らしく | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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王冠1 初めての方は かならず はじめまして を お読みください 指輪
前のお話→40.イギリスから戻ってみたら~ええぇぇぇぇ~~~~!!!
今日のお話は みなさん結構気になっていたプププッ ユルくんの心をついに公開する
初のユル目線のお話ですキラキラ


僕が帰国してから一年と九ヶ月間…アニ  まもなく一年十ヶ月になろうしている
韓国に雪が降り始めた頃十一月
イギリス留学中のシンの姉さん へミョンさんから電話を貰った
「ユル~元気?!冬休みが早く取れそうなの!!来週帰国するわ くれぐれもシンには内緒にしといて!?朝っぱらから驚かせちゃうんだ~」
元気そうな声だ 

思い起こせば 僕が帰国する気持ちを固めたのはイギリスの王立学校に留学してきたヘミョンさんのあの言葉だった
「ユル お祖父様が貴方をイギリスに遠ざけた本当の理由はなんなのか…今となってはもう分かりっこない…貴方も辛く悲しい思いをしたでしょう?
だけどね本当に辛い思いをしたのは 寧ろシンの方なの」

そんなの解っていた
僕は幼い頃 イギリスへ渡ってすぐに自由を感じた
夫を亡くした悲しみのなかをさまよっていた母さんは はじめこそ突然泣き出したり怒ったりと 酷く不安定だったけれど
若い頃の大英芸術高校に留学中の友人達の助けも有って イギリスの社交界のご婦人達と すぐに親しくなった
僕にもすぐに友達が出来た ウィリアムとヘンリーだ

彼らの母親は世界中に知られる皇太子妃ダイアナ
パパラッチに追われて 交通事故死した母親を ウィリアムもヘンリーもとても愛していて それは 僕の 父上を想う気持ちと同じだった…
そして彼らは兄弟で支え合っていた
ウィリアムは僕より二つ年上で ヘミョンさんと同い年だし
ヘンリーは僕より一つ年下で シンと同い年だった
だからきっと 僕は二人を通して ヘミョンさんとシンを見ていたんだろうね

僕の姉さんのようなヘミョンさんと弟のようなシン…
だけどその人生は僕の父上の突然の事故死によって大きく変わってしまった
僕が背負っていた重責を シンが代わりに背負うことになった…

イギリスに居る僕に 王立学校初等部四年に進級したヘミョン姉さんが 僕に手紙をくれた
「元気にしている?どこへ行ってもあなたは私の弟で シンのお兄ちゃんよ
シンは一人ぼっちで東宮殿の洋館に暮らして居て まるで人形のように笑わなくなった
これから私たち どうなるんだろう…」 そんな手紙だった

それから僕はシンに葉書を送り続けた
「いつも自分を見失わないで 君らしく」毎回必ずそう書いて締めくくった
元からあまり感情を表現するのが得意じゃないとは感じていた
名前は忘れたけど 乳母の娘と僕の元に遊びに来ては その子を泣かせたり怒らせたりしていたっけ
きっとあれは あの子を好きだって気持ちの裏返しだったんだと 今ならわかる

イギリスでは僕にも好きな女の子が居た 初等部高学年の頃の事だけどね
名前はアン 明るくて元気な赤毛の女の子だった 
「ママが『赤毛のアン』のファンだったからアンなの ひどいでしょう?」って笑ってた
中学が別の学校になってしまって そのまま会えなくなってしまったけど
僕はいつもその子を目で追ってたもんな…

そう! だからすぐに気が付いたんだ
シンと公用車で通学中に よく見かける自転車の少女を目で追うシンに
いつだったかは その子を見ながら一人でぶつぶつ言ったり クスッと笑ったりしてて
「シン?気付いて無いだろうけど君 さっきから女の子を凝視してるよ?」
って声かけたのに 全く聞こえてないんだもんなぁ~ くすくすっ

ヘミョンさんは留学してきた頃 僕に熱く語った
「私じゃだめなのよ ユルじゃなきゃ!
私は異性だし 年も離れすぎてて 私には何も言ってくれないの
いつもそばに居てあげられないの でもね
こんな私でも少しはシンの支えになっていたのね…
私が離れたせいか…体調を崩してしまったらしいの
なのにそれを大人たちに決して言うなと内官に厳しく口封じしたそうよ…
私が内官に報告を頼んでいなかったら きっと私も知らずに居たと思うと 泣けてきちゃう…
今 この瞬間も シンが心配だわ…
でも私も 学ばなきゃ…馴れ合いで慰め合う姉弟ではいけないの!
シンが皇帝になった時に少しでも支えてあげられるように…」

おばあ様から帰ってくるように打診が有ったら応じてくれと 僕にすがるように訴えた

「人形のように大人たちのいいなりでしかないシンの 熱い部分を引き出してあげなきゃ
それができるのはユル あなただけなの ユルはあたしと一緒にシンの強力なサポーターに成れるわ 絶対よ」

重責を免れて ある意味イギリスでのほほんと暮らしてきた僕…
僕の生きる意味 使命… そんなものが有ったなんて…
皇帝にふさわしいのは僕じゃなくてシンだからと 自分を納得させてきた
だけど 僕には その支えとなる使命が与えられているんだろうか…
そうだね きっとおじい様は天にしたがって僕らを引き離したんだ
今なんじゃないかな?ヘミョンさんが遠く離れて不安に打ちひしがれてるシンに
前を そして上を 向かせてあげなきゃ!


今日もお読み頂き ありがとうございます
ちなみに 本当のイギリス王室チャールズ王太子の元妃 ダイアナが亡くなったのは
1997年8月31日なので 2006年に高校3年生のシンチェワールドとは かなりずれています
そこらへんは ユルくんの性格形成の為に必要だった設定
かおり流「宮」の架空の世界ということで ご勘弁を
あ でもウィリアム王子は実際ジフニと同い年なんですよ

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次のお話は明朝8:1818→ 42.僕のこれから~やっぱり眠れない夜があるんだね…