文部科学次官に森口泰孝さんが就任ー旧科技庁出身 | 日本ファミリーオフィス協会

文部科学次官に森口泰孝さんが就任ー旧科技庁出身

今日の日経夕刊によると、次の文部科学次官に森口さんが内定したようだ。役所の「きまり」通りの人事とはいえ、旧科学技術庁出身で意外に多くの事務次官が出ている。もっとも、森口さんは15年くらい前の科学技術庁の宇宙開発課課長時代から、間違いなく将来、科学技術庁の事務次官になる人という評価だった。


科学技術庁は文部省と一緒になって、事務次官はしばらく出ないというウワサもあったのだが、かなり健闘しているというのが霞ヶ関の評判だ。前々事務次官の坂田東一さんも宇宙政策課の課長時代からトップになる人と言われていたが、考えてみれば霞ヶ関の人事評価は課長時代にはもう決まっているので、恐ろしい。


経済産業省の親しい人から聞いたが、入省10年くらい経つと、同期のキャリア25名のうちで将来の事務次官候補は既に「三人」に絞られるという。東大法出身者の中での争いだ。皆大学時代の成績もいいのだが、4年目の留学のときにちょっと差が出る。しかし、帰国後の数年間の「働きぶり」が実際の出世街道を左右するようだ。


でも30歳そこそこで60歳までの役人人生が「見えてしまう」というのは恐ろしい。その時点で8割の出世争いに敗れた人は、その後のサラリーマン人生を趣味に生きるのだろうか。皆それぞれ優秀な人だけに、非常に人材の墓場となりもったいない気がする。日本社会が人の能力を十分に活かしていないと言われる一例だろう。


ともかく、森口さんが事務次官になり、原子力行政をうまく乗り切ってほしいものだ。森口さんは「もんじゅ」を推進した張本人なので、これをどうするかがまずは注目されるだろう。最近はお会いしていないが、ゴルフ好きで有名な方だ。しかし、今年の原子力事故以来とてもそんな暇があるとは思えず、個人的にはお気の毒だ。まあ、役人人生最後の1,2年を原子力行政に没頭できて、どうなるにせよご本人としては本望だろう。