鯉師は究極の「ファミリービジネス」ーサラリーマン根性ではできない
テーマ:ファミリービジネス先週、山古志の鯉師を何人か訪ねたときに、複数の方から同じ発言があった。それは、「鯉師はサラリーマンのような気持ちではとてもできない」という話だ。これは単純に「生き物を相手にする仕事なので、朝9時から夜6時まで働いていればいいというものではなく、24時間いつでも仕事」という意味だ。
鯉師は会社にしているにしても、従業員はせいぜい10名程度。その中核はあくまでもファミリーだ。ファミリーが24時間、錦鯉を監視している。一匹が数十万以上するので、盗まれでもしたら大変だ。病気で死なせてもゼロになってしまうので、そのあたりのチェックも日々、細かくしなくてはいけない。大変な仕事だ。
それでも多くのファミリービジネスが悩んでいる後継者不足の問題はないという。どの家も息子さんがあとを継いでいる。なぜか?おもしろいからだという。錦鯉を卵から育て、選別をし、品評会に出せる状態にして出荷するまでが楽しい。ものづくりと同じで生き物を育てるのはおもしろいのだろう。子供のころからそういう生活を続けてきているので、違和感なく跡継ぎになるようだ。
また、「結果がはっきり出る」こともおもしろいのだという。品評会で結果が出るので、何の言い訳もできない。サラリーマン社会のように、責任の擦り付け合いとか、言い訳ができればいいという世界とは全く異なる。皆、錦鯉が好きで、餌をやるときの表情が印象的だ。まさに、ここに「ものづくり日本」がまだ生きていると感じた。
錦鯉産業は、ニッチであるが、地方の元気なファミリービジネスの一例として特記すべきものだろう。






