アメリカもファミリービジネスの国ー日本より多い96%の企業がファミリービジネス | 日本ファミリーオフィス協会

アメリカもファミリービジネスの国ー日本より多い96%の企業がファミリービジネス

アメリカの会社というと、、、イメージ的にはフォードやIBMといった大企業を思い出す。しかし、どこの国でも企業のほとんどは中小企業だ。しかも驚いたのはアメリカは日本以上に「ファミリービジネス(同族企業)」が多いのだ。ある統計によると、日本は全企業の95%がファミリービジネスでアメリカは96%に及ぶという。


何年か前に、エールクラブの会合でモルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマン氏と話したときに、彼は「アメリカのほとんどの企業はファミリービジネスで感覚的には日本より多い」と言っていた。この発言に驚いたる記憶がある。しかし、さすがはモルスタのエコノミストだけあって、その「分析」は正確だ。確かに、アメリカの方がファミリービジネスの割合は多い(誤差の範囲内かもしれないが)。


フェルドマンさんの素朴な疑問として、アメリカではファミリービジネスは尊敬される企業で、ファミリーカンパニーであることを「宣伝」するジョンソン社(カビキラー)などがあるが、日本では皆無であることだ。むしろ日本のファミリービジネスは「同族」であることを言わないでくれ、とお願いしているくらいだ。日本ではファミリービジネスが正当に評価されていないのは不幸だ。


もっとも、欧米でもかつてはファミリービジネスは「古い経営形態でなくなるもの」と考えられていた。しかし実態はますますファミリービジネスは栄えるという意外なことになり、「これはいい経営形態」だとなった。日本でも同じ道を辿れるはずだが、ビジネススクールでもファミリービジネスの講座がなかったり、まだまだ遅れている。



ファミリーオフィスの顧客のほとんどはファミリービジネスであり、ファミリービジネスの不幸はファミリーオフィスの不幸ともなる。日本では正当に評価されないが日本企業の95%をも占めるファミリービジネスのため、その普及啓発をすることは、日本経済の復活にも大いに寄与することになる。そこで当協会としても、当分はそこに注力していくことになったわけである。