NHKの大越健介アナー経団連の石坂財団の奨学金で留学 | 日本ファミリーオフィス協会

NHKの大越健介アナー経団連の石坂財団の奨学金で留学

最近、NHKの午後9時のニュースで大越さんが出ているので、よく見ている。この方は経団連の石坂財団(石坂泰三元会長の功績を記念してつくられた財団)の奨学金を取ってアメリカに留学された方だ。10年以上前になるが、月刊「Keidanren」で石坂財団奨学金で留学された方の寄稿コーナーがあり、そこに登場いただいた。


もっとも当時は大越さんも若かったので、テレビで拝見することもなかった。お話を伺うとNHKでは、昔は留学制度がなかったそうで、外部の奨学金をとって留学される人が多かったそうだ。石坂財団は毎年社会人、学生数名に奨学金を出しているが、これはなかなか難関だ。


今ではより難しくなっているだろうが、私の知っている限り、数十名が受験し数名しか合格しない。面接は当然英語で行われるので、留学前にかなり英語ができなければいけない。TOEFLは当然600点以上必要だ(680点満点時代)。私も留学時に受けようと思ったが、内部の人は受けられないと言われた。ここが経団連のクリーンなところで、中央官庁では息のかかった財団の奨学金をもらって留学する人が非常に多い。


こういう奨学金も基本は基金運用のお金を回しているので、かなり続いている低金利の影響で支給条件も悪くなっているようだ。となると、ますます日本からの留学生は減ることになる。欧米の一流大学は私立が主流なので授業料も高い。日本の私立大学の比ではない。


他方、現地の大学から留学生が奨学金をもらうのはやはり難しい。私もダメモトでハーバード大学院に入ったときに授業料免除を申請したが、奇跡的にゼロ回答ではなかったものの最低の授業料10分の1免除だった。それでも当時日本人唯一のハーバード奨学生だったので、金額は関係なく威張っていた。後で学科長に聞いたら、その前の年にエールで修士をとっていたので、それに敬意を表して最低ラインを出したということらしい。なるほど日本人でそんな人はいなかった。


でも、日本人留学生が減っている大きな理由が奨学金を出す機関(あるいは額)が少なくなっていることなので、事は深刻だ。学生を責める前にまずは大人が環境整備をしなくてはいけないのだ。