ジョン万次郎と小沢一郎ーアメリカ留学時代の思い出 | 日本ファミリーオフィス協会

ジョン万次郎と小沢一郎ーアメリカ留学時代の思い出

総選挙後、民主党政権になる可能性は高まっているが、自民党政権とどこが違うのか、、、個人的には大差ないと考える。民主党の中心はなんと言っても小沢一郎で、この人はいわずと知れた20年前の自民党幹事長だからだ。


昨日、経団連時代の上司で、元経団連事務総長の三好正也(当協会理事)と雑談したが、私の留学時代の話になり、その時の一番強烈な思い出ということで、ジョン万次郎の住んでいた街(ボストン郊外のフェアへブン)に行った話をした。1991年、時は海部政権(三好とはゴルフをする仲)で幹事長は小沢一郎の時代だった。


ジョン万次郎の遺品などは、フェアへブン(かつては鯨で栄えた街だが、今は寒村)のミリセント図書館に収められている。日本人がくるとここの館長が出てきて、大きなサイン帳にサインを要求されるのだが、館長はかつてこの図書館に来た有名人のサインを説明する。


一人は今の天皇が皇太子の時代に訪問されたときのサイン、もう一人は、ジョン万次郎の会の会長でもある小沢一郎だ。その館長はさすがに日本通で、私が経団連からの派遣でハーバードに来ているという話をすると、間髪を入れずに「小沢一郎は海部首相より力があると聞いたが、本当か」と尋ねてきたのだ。これには参った。


私もしょうがないので、「そうだ」というと質問ぜめだ。「何で首相が一番権限がないのか」とか「何で小沢はそんなに偉いのか」とかズバズバと聞いてくる。困りながら30分ほど説明はしたのだが、なかなか日本の政界の力関係は理解されなかった。これでは日米関係、波高しと思ったものだ。当時は日米貿易摩擦の時代だった。


冷静に考えてみると、小沢一郎は20年前から常に政権の中枢に座っていたわけで、好き嫌いはともかく、歴史上でも稀有な「首相よりも影響力のある」政治家といえるのではないか。でもその手法は古く、本当に民主党政権で日本が変わるか、脱官僚ができてよくなるかは疑問譜がつく。