雑誌「Seven Hills」の臼井宥文さんの逮捕に思うー富裕層ビジネスは「貧すれば鈍する」 | 日本ファミリーオフィス協会

雑誌「Seven Hills」の臼井宥文さんの逮捕に思うー富裕層ビジネスは「貧すれば鈍する」

今日は、雑誌「Seven Hills」の臼井編集人が詐欺で逮捕されたというニュースが流れた。ついに来るものが来たか、という感じだった。臼井さんには2年ほど前に一度会っただけだが、今回の逮捕容疑はその時から私の耳にも入っていた。


さすがに私には未公開株を売りつけようとはしなかった。詐欺をする人は、相手が騙せるひとかどうかの「嗅覚」はすごいものがある。そこが詐欺師の基本だからだ。ちなみに私は多くの詐欺師に会ってきたが、誰一人、私を騙そうとする人はいなかった。彼らは「騙せるか騙せないか」は瞬時に判断するものらしい。


自称「富裕層マーケティングの第一人者」である臼井さんの逮捕によって、富裕層ビジネスをしている人はうさんくさい、という印象を持たれてしまうことが懸念される。確かに、お金に困った人が一発逆転を狙うには超富裕層を騙すのが一番手っ取り早い。

しかし、世の中はよくできているもので、本当の超富裕層は詐欺師にはなかなか引っかからない。だから富裕層専門の詐欺師はすぐに破綻するというわけだ。その前にすでに債務超過になっているという背景もある。


だから、富裕層マーケッティングを標榜している人で臼井さんのような状況にある人は他にもいる。いずれ同じ運命を辿るのだろうが、困ったものだ。でも逆に考えると、こういうおかしな人が多い富裕層ビジネスの世界で「まともなことをしている」だけで比較優位ができるとも言えるのだ。私のファミリーオフィスの仕事の重要なミッションの一つに「超富裕層のお客様を詐欺師から守ること」がある。これは比較的楽な仕事で、お客様の評価も高い。


ともかく、あるプライベートバンキングの大御所が言っていたように、富裕層ビジネスは「貧すれば鈍する」という原則以外にはないのだ。だから、臼井さんのかつての師匠が言っているように、「自分が富裕層でない人は富裕層ビジネスはすべきではないし、できない」ことはいくら強調しても、しすぎることはないほど重要なことだ。


臼井さんの逮捕で、改めて弊社(永田町ファミリーオフィス)、あるいは当協会(日本ファミリーオフィス協会)の重要な存在意義を再認識した。富裕層向け詐欺師(まあ詐欺師の大半はそうだろう)から超富裕層の皆様を守ることは、大きな社会的意義があるのだ。