投資の時代の終わり?-投資信託にご用心
本日、当協会の理事をお願いしているピクテ・ファイナンシャルマネジメントコンサルタント社長の湯河さんと懇談した。昨年秋の株のクラッシュで世間の人はかなりの打撃を受けたが、ピクテは本部からの指令もあり、
8月までにほとんどのヘッジファンドを売却していたという。それでもお客さんはマイナスとはなったようだが、
かすり傷くらいで済んだようだ。
昨年10月にあれだけの株価暴落があったのに、個人が株や不動産(REIT)で破綻という話があまりないと思ったが、ここに来てぼつぼつ聞くようになった。何せ、株もREITも高値から3分の一になったわけだから、信用でやっていた人は討ち死にしただろう。現物のみでも再起不能な状態だろう。国策に乗って「貯蓄から投資」にした人は
皆大変な打撃を受けた。
問題は今後だ。
これから株も不動産も立ち直るのだった「長期投資」は有用だろう。でも本当にそうなるのか。過去の回復局面と
決定的に違うのは、今後の日本のGDPが伸びようもないことだろう。特に2005年から人口減少社会に入っていることが大きい。日本に優秀な人間が流入するのなら話は別だが、中国人やインド人で優秀な若者は皆アメリカだ。シュリンクする経済大国の株価や地価が上がると考えるのは難しい。
それではもう一つの投資のセオリー「国際分散投資」はどうか。
世界経済がこれだけ相互に関連性が高まると、株価も連動する。日米欧どころか、中国やインドなどの株価も
連動しているのだ。となると国際分散でリスクを減らすという従来の定石も意味もなくなる。
つまり、今後は「長期投資」「国際分散投資」は有効ではなく、これを基本としている投資信託はもはや
買ってはいけないものになっているのだ。
今日の湯河さんの話も全くこの点についてのお話で、今後の投資はよほど考えないと成功はおぼつかない
というのが結論だ。しかし、投資する方はほとんどが素人なので(もっともプロが運用する投信でも成績は
ボロボロだが)何がいいのか全く分からない。
投資をとりまく環境は完全に「パラダイムシフト」を起こしており、澤上篤人さんが最近さかんにいっている
「今こそ買い場だ」というのには全く根拠がないのだ。
誰かの本にあったように、今後は「投資信託にはご用心」だ。