5月25日付の産経新聞の記事 「ソーシャルゲーム配信6社の協議会、「コンプガチャ」排除ルール決定」 によると、
NHNジャパン、グリー、DeNA、サイバーエージェント、ドワンゴ、ミクシィの6社が加盟している「ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会」は、「コンプガチャ排除」に関するガイドラインを策定。コンプガチャを「特定の2つ以上の異なるアイテムを全部そろえることを条件に別のアイテムを提供する方式」と定義し、コンプガチャから除外するものとして、(1)利用者が利用するアイテムの種類を選択して組み合わせを完成させるもの、(2)アイテムごとに付与された点数の合計に応じて新規アイテムの提供を受けるもの、(3)同種類のアイテムを一定個数そろえて新規のアイテムの提供を受けるものを挙げているとのこと。
詳細はやはりきちんとプレスリリースを見る必要がありますね♪
プレスリリース 2012年5月25日
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内容を見ると、現状の景品表示法の運用基準に沿ったものとなっていますが、一番、一般の消費者に分かりツライのが、冒頭にある「利用者が、アイテム等の種類を選択することによりその組み合わせを完成できるもの」でしょう。
要は、有料ガチャアイテムを含む特定の2つ以上の異なるアイテム等を全部揃えることを条件として、ソーシャルゲーム等で使用することができる景品類たる別のアイテム等を利用者に提供する方式であっても、利用者がアイテム等の種類を選択できるようになっていれば、それはコンプガチャではありませんよ!…と言うことなのです。
利用者からすれば「コンプリート」が求められるガチャである以上呼称は「コンプガチャ」な訳ですが、今回の一件で「コンプガチャ(=違法)」という括りになってしまったみたいです(苦笑)
これは例えばカード1とカード4が集まっていないときに、当たるとカード1が出てくるガチャと、当たるとカード4が出てくるガチャがあって、それを利用者が選択できるような場合です。
もちろん、これ以外の実装のバリエーションはあると思います。
このガチャがだいたい20種類の中の特定の8種類を集まったらコンプが完了するとしますと、従来のコンプガチャではコンプする確率(期待値)は
20/8 + 20/7 + 20/6 + 20/5 + 20/4 + 20/3 + 20/2 + 20/1 = 54.6
から、平均して54.6回ガチャを回す必要がありますが、
20/8 + 20/8 + 20/8 + 20/8 + 20/8 + 20/8 + 20/8 + 20/8 = 20.0
となり、平均20回でコンプ出来るようになるのです。
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この問題における重要な点は、お金の問題ではないのです。
従来のコンプガチャがコンプを完成させていくに連れて、数学的にはコンプ出来る確率がどんどん悪くなっていっていく(同じカードが何枚も出る)のですが、利用者は後者のような認識をしているという錯覚盲点を突いているのが問題なのです。
だから利用者は混乱し、かつ「熱くなる」のです(苦笑)
後者のようなシステムでも、実際は内部で確率を変動させたり、不要なカードの種類を変えたりすることで利用者の目を欺く(射幸心を高める)ことは可能です。
わたしは何を言いたいのか?
要は「パチンコ」と同じ規制の道を歩んでいるだけなんじゃないかということです(苦笑)
このようなガイドラインが策定されれば、また、そのガイドライン上でギリギリの線を追及する輩が出てきます。濡れ手に粟の如きマネーに群がる連中はきっと確率変動の世界に入り込みます。
そしてまた社会的にバッシングを受ける…(苦笑)
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まあ出来たての協議会に「良心」や「良識」も求めても仕方ないとは思いますが、いずれもこれだけ大きな企業に成長してきたわけで、場末のゲーム賭博とは違うんです。
長い目で成長できる企業体を維持する上でも、もうちょっと良識を以ってやって欲しい。
射幸心を著しく煽るとして、倫理委員会が不適と認めたものについては、サービスを打ち切る可能性をきちんとサービスプロバイダ側で担保しておくなど、他のゲーム企業とは一線を画しておいた方が良いのではないですかね?!
藤田さん☆