前と後。
今までにも何度となく、効率の最適化を求めた 「サプライチェーン」 崩壊により、多くの困難に見舞われてきた。
そしてその度に見舞われたリスクを加味した 「サプライチェーン」 の再構築が行われてきたが、それは、効率性を重視するがゆえの行動に過ぎなかった。
しかし昨今は、その求心力が失われつつある。
「グローバリズム」 よりも、自国を大事にする 「ナショナリズム」。
時計は逆回転を始めている。
そして、「ナショナリズム」 は、国内では 「ローカリズム」 に変遷していく。
「全体最適」 から 「地域最適」 への価値観の変容である。
「イデオロギー」 が世界を一周し、「資本主義」 や 「経済主義」 が残った。
しかし、その中で 「国」 という 「公共性」 の存在意義が問われたと言っても良いのかも知れない。
ひとつには、「ヨーロッパ共同体(EU)」 がある。まずはイギリスが脱退を表明した。これはキャメロン首相の失政ではあるものの、この投票が発端となって BREXIT が確定してしまった。
しかし。その後の 「新型コロナ禍」 の対応では、EU各国は当たり前ではあるが自国に一生懸命で、国境を封鎖し、EUの国を越えた相互支援は全く見られない。
そして結局は、「新型コロナ禍」 に対しては、事実上何の指導力を発揮できなかったことが大きい。
共通の通貨経済圏を作り、そして、相互の自由な移動は確保したものの、しかし移民政策においては大きな禍根を残し、そしてこの厄災では全く機能しなかった。
つまりは単なる 「経済圏」 に過ぎず、そこで得をする者と、損をしている者の構図が大きく露見してしまった形になっている。
そして、今の関心は、「ビフォアコロナ」 と 「アフターコロナ」 にある。
「厄災」 が2年前後で終息を向かえることであろうことは、多くの人が認識している。
もちろん、それが人の思惑通りにいかない可能性はある。しかし一応現時点では過去の経験から、多くの人はそのように認識している。
2年続く 「厄災」。
傍観して乗り過ごすには実に長く、全力で対処するには実に中途半端な期間。
何故なら、その多くは、2年で設備投資を回収できないためである。
しかし、百年に一度の 「厄災」 を経験し、以前の状態。「ビフォアコロナ」 には戻らない部分もあれば、「厄災」 を乗り過ごしてしまえば、以前の状態に戻るものもある。
「アフターコロナ」 の全てが、「ビフォアコロナ」 の状態に戻る訳でもなければ、「新型コロナ禍」 の状況がずっと 「アフターコロナ」 に引き継がれるものでもない。
将来的には、何が残り、何が残らないのか。
しかし今を生きるためには、何をして生き残るべきなのか。
見通しは、実に難しい。
百年前は、帝国主義。そして軍国主義だった。
そして世界は、融合し協調し、自分の味方を増やす方向で成長していた。
その頃は、まだ国際連盟すらも出来ていなかった時代。
そして現在は、1920年に第一次世界大戦後に設立された 「世界連盟」、そして第二次世界大戦後にそれを引き継いだ 「世界連合」 も、確実に末期に差し掛かっています。
それは、日本人的な感覚で言えば、「IWC」 がありますが、現在の 「WHO」 や 「WTO」 の形骸化も大きい。
世界での協調的な枠組みが崩壊しつつあるわけです。
そんな逆境下で、何が起こるのか。
国際的な求心力、スローガンが失われた以上、国益主義に帰着するということです。
国と国の関係もそうなら、地域と地域の関係もそう。
「古代ギリシャ」 ではありませんが、「衛星国家」 のような形態をとるということ。
首都圏の新型コロナの 「緊急事態宣言」 解除が遅れていますが、東京・神奈川・埼玉・千葉がひとつの経済圏として首長が同一政策を取ろうとしているのは、これらの都市でひとつの経済圏を構成していることを意識しているためです。
大阪と兵庫の足並みが取れているかどうかを別として、経済圏は相互依存しているわけです。
神奈川県の黒岩知事が、泣き言をツイートしてまたひんしゅくを買いましたが、それはツイートすべき内容ではなく、それぞれ各都県の知事に電話をすれば済むことであるためです。
千葉の森田健作知事は、台風19号での嘘がばれて今は静かなので実害はありませんが、小池都知事が何かをすると、すぐ迎合したがる NHK根性。
黒岩神奈川県知事は、そろそろどなたかに代わって貰った方が、神奈川県のためでしょう。
あとは、何の声も聞こえてこない横浜市の林文子市長。
「新型コロナ」 で入院してしまったのではないかと、心配しています。
名古屋市の河村たかし市長なみに 「ガーガー」 言う必要はありませんが、これだけ声を聞かないと心配になります。
きちんと横浜市政に尽力されているなら、問題はないのですが。