コンプガチャは違法?3 ~規制の方向性~ | 仕事の覚書き

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メモメモ

コンプガチャ問題について、新たな法規制の方向が見えてきました。

5月18日消費者庁より以下のような見解が示されています:
「カード合わせ」に関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表及び景品表示法の運用基準の改正に関するパブリックコメントについて

現行の法令では「違法性を問えない」ということで明示することにより、法改正後は「違法」とする…ということです。

アーケードゲームは風営法に絡み「警察庁」の所管となっていますが、今後 SNS ゲーム業界は「消費者庁」が所管しますという縄張り宣言でもあります。
インターネットにおけるいわゆる「BtoC」が今後これに倣って消費者庁案件となるのかどうかまでは経済産業省との絡みもあるのでわかりませんが、消費者問題が絡む事案の第一窓口は消費者庁で纏まったということでしょう。

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改正内容については、しおらしく「パブリックコメント」という形をとってはいますが、余程の法解釈上の懸念や問題がなければ「これで確定」ということです(苦笑)

内容に目を通してみますと、いろいろと問題になった運用基準「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準について」の別添2に新たに「コンプガチャ」の項を追加するということですので、もろ狙い撃ち(苦笑)

ちなみに定義は以下のようになっています:

4 告示第五項(カード合わせ)について
(1) 次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。 携 帯 電 話 ネ ッ ト ワ ー ク や イ ン タ ーネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方 法 に よ っ て 有 料 で 提 供 す る 場 合 であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。


まあ、副作用を検証できないこともあるのでしょうが、適用はかなり SNS ゲーム狙い撃ちで限定的なものになっています。

今回のコンプガチャ問題は、その異様に高い課金額が社会問題となりましたが、法的には「射幸心を煽る(あおる)」方法が問題であるとし、それに対して規制の網を掛けている訳で、まあ、今までの行政施策改定と特段何の変哲もない、至極当然の措置であり結果であります(苦笑)

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このまま行けば、現行のコンプガチャにカードゲームは法令が改正される7月までの命。
その後、ゲームはどんなになるのでしょうか?

「今まで何十万何百万と課金してきたのに、オレの金返せ~っ」みたいな話にならないといいのですが(苦笑)

まあ、それだけの資力があれば、本来は、合法的カジノとも言える株式市場や先物取引あるいはFXなどで梃子(てこ)の原理を利かせて「オレは億の金を動かしているんだ!!」みたいな方がまだリア充のような気もしますが、これだけゲームにのめりこんでしまったのはある意味「射幸心」が煽られた結果ですので、法令改正のポイントはあながち間違いではないでしょう。

簡単に言ってしまえば…
「SNS ゲームというバブルの崩壊です!」

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この世の中、バブルを知らない若い世代も多いと思いますが、このコンプガチャバブルは、市場は加熱しイケイケどんどんでチキンレースに突入し、裏ではRMT業者がお金を稼ぐ等、規模は異なるものの、80年代後半から90年代初頭に掛けての不動産バブルとかなり似た様相を呈しています。

90年代のバブルを知らない世代にお勧めなのがこの本。今回の「SNS バブル」に絡めて学んでおくことをお勧め致します:



バブル崩壊によって一瞬に失なわれた市場の後には、当分はぺんぺん草すら生えてきません。
日本では余剰人員を簡単に整理解雇できませんので、SNS ゲーム業界は「バブルの寵児」から一転して「くもの糸」的な修羅場になることは間違いないでしょう。
道徳や精神論から入りたい人や「本の虫」のような読者にはコレ:



当然、業態というか業界全体が地盤沈下をおこしますので、株価は長期に掛けて下落します。損を覚悟で早期に損切りしておかないと、下手をすると最後は紙くずになる可能性もゼロではありません。

DeNAやGREEなどは「台風の目」的な存在ですし、折角上場して市場から得た資金も、海外事業展開など本業以外のところで無駄使いしてしまっていますので経営はかなり修羅場になるでしょう。
大量の自社株を保有する役員も「売り逃げ」は出来ませんので、目減りする自己資産を睨みながら打開策を見つける以外にはありません。

当然、業界自体がデフレと同じ状況を呈してきますので、その再建を建設的に考えたい人にお勧めなのが、オヤジも持っていますけどコレ:



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一応「コンプガチャは違法?」シリーズはこれで終わり(でしょう苦笑)。
根っからはまって楽しんでいる連中は、これからも離れることなく SNS ゲームを楽しむ筈です。
何か事態が起きても簡単に去らないようなフリーク・マニアのようなコアの顧客をどう増やしていくか?

これからの SNS ゲーム業界に求められているのは、ユーザの質であり求心力なのです。