今から26年ほど前、
当社では、
いわゆる成功法則の教材制作を、
数多くの企業から依頼され請け負っていた。


それらの成功法則の詳細はともかく、
自己実現法や自己啓発の類まで入れたら、
当社はそれこそ市場の80%の制作を依頼されていた。


その中の一つの組織として、
歴史、社会、宗教、哲学、真理、倫理、健康など、
広範囲に渡って研究している、
一種独特の雰囲気を持つ塾があった。


注)メーソンではありません(笑)。



毎回2~3百名程の塾生が集まり、
仕事で収録しながらもそこで学ぶ内容は、
今後の人生において大いなる刺激となる。


その塾の中で、
ひときわ際立った若い講師の方がいた。


名前をW氏としよう。


W氏は文字通り天才だった。


その知識は膨大に蓄積されており、
しかも精神性においても卓越した話が多かった。


淡々と語る彼の物静かな講義は、
大袈裟な口調の高揚こそないが、
いつも会場内がシ~ンと静まり返り、
誰もがその知性と感性に心酔し、

場内からはあちこち溜息さえ漏れた。


洗練された知性から湧き出る魅力なのか、

女性ファンが圧倒的に多く、

彼の優しい口調に虜となった。


「W氏にはイエス様、

もしくは弥勒菩薩が乗り移っているのでは…」

と周囲から囁かれたほどである。


マジで、

「宇宙人ではないのか…」との噂もあった(笑)。


当時、
彼の論文も配布されたが、
プロの作家でさえも彷彿とさせるものだった。


一見、
どこにでもいそうな物静かな男性にも見え、
言い換えれば、
決して目立つところのない人物にも見えるが、
講演中だけは、

全身から放たれる気品と威厳に満ち溢れていた。


私は何よりも彼の人間性や論説、

そして誰もが唸るほどの文章力に惚れた。


特に、
膨大な知識と知恵と感性に裏打ちされた論文は、
宇宙と人間との関係を見事に解明したように感じた。


人は何の為にこの世に存在するのか?


時間と空間の関係は?


生と死の関係は?


次元構造とは?


宇宙、または霊界との交信方法は?


調和とは…


彼はどんな難解な質問にも、
すらすらと明瞭に答えていた。


ひょっとして

この人は覚者…?


だが、

彼は忽然とその塾から消えた。


「山に入った…」との噂を耳にしたが、

その後も、誰に聞いても全く消息は不明だった。。



それから26年も経ち、
昨年の11月末、
ある事で急に彼を思い出し、
どうしても彼に会いたくなった。


後にも先にも、
私が天才と思える人は、
今まで彼以外にはいないように思えた。


「きっと今頃、
著名な作家かもしくは哲学者、
科学者になっているに違いない、
ひょっとして高名な宗教家か…」


ネットで検索し、
ありとあらゆる方法でW氏を探ったが、
もしかすると仮名を使っているのかも知れない、

彼だと思しき人物は見当たらなかった。


もう亡くなったのかも…


その後も何度か検索エンジンで調べてみたが、
やはり、
その独特な論調で説く文章はどこにもなかった。


こうなれば最後の手段、
宝徳様に祈願するしか…


神頼みである(笑)。


それほど、
彼に会いたかった。


ちなみに、
宝徳様の祈願成功率が半端ではない事は、
ネットでも体験者の声を調べてみたら一目瞭然である。


すると、
祈願を掛けて3日経った12月3日…


なんと!



ナント!



NANTO!(笑)



彼の方から26年振りに、
電話が入ったのである!!!


私はその時接客中だったため、
社員の熊谷が電話を受け、
社長宛の伝言の紙が私の机に置いてあった。


W氏はありふれた苗字なので、
まさか…とは思いつつも、
伝言用紙に控えてあった携帯に電話してみた。


熊谷の書いた伝言用紙には、
W氏からの伝言で、
「昔の事なので覚えていなければ電話は不要です」と、
書き加えてあった。



※後で熊谷から聞いた話では、

「声を聞いた瞬間、この人は只者ではない」…

と直感したらしく、

すぐ電話を切ろうとしている相手に対し、

ほぼ強引に携帯番号を聞き出したらしい。。

※よくやった!



はやる気持ちを押さえ、
呼び出し音がいくつか鳴った後、
受話器の向こうでは聞き覚えのある、

『はい、Wです…』との物静かな声が。


おお~!
まさしく当時のままの声である!


少なくとも、

《時》が到来した事を感じ去るを得なかった。


彼はなんと3日前から、
私からの《通信》を受け取っていた。


決して不思議でも何でもない。


彼は当時、

『思いは現実化する』法則性を、

何度も説いていたのだから。



興奮して1時間は彼と話しただろうか、
余りにも衝撃的な内容だっただけに、
その後の詳細は次回に。。(笑)